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ポオ、谷崎、乱歩、三島。人工楽園を巡る文学の系譜。
2018-12-16 08:5451pt朝、何気なく青空文庫を眺めていたところ、谷崎潤一郎の「黄金の死」が収録されていたの読み返してみました。
谷崎のほかの『春琴抄』だとか『痴人の愛』だとか『細雪』といった有名な作品と比べるとあまり名を知られた小説とはいえないかもしれませんが、個人的にとても好きな短編です。大正期の谷崎の代表作ですね。
ちなみにぼくが偏愛する「天鵞絨の夢」なども大正期谷崎の作品です。これは異様に妖しくも倒錯した世界を活写した大傑作(ぼく評価)なのですが――あたりまえのように未完に終わっています。
全十作の妖美な短編を数珠繋ぎにした壮麗な小説になるはずだったのだけれど、企画倒れに終わっていて、完成したのはわずか三篇、で、特に面白いのは初めの二編という始末。
どうも谷崎という人はその天才的な文章力と比較して、物語作家としての構成力にはそれほど恵まれていなかったと思しく、そのせいなのか、どうか、この手のテクニ -
ノクターンノベルズのエロ小説が名作文学オマージュな件。
2016-04-24 21:0151pt「小説家になろう」というか「ノクターンノベルズ」で、長谷川蒼箔『下僕の俺が盲目の超わがままお嬢さまの性奴隷な件』を読んでいます。
http://novel18.syosetu.com/n7126cq/
以前、ペトロニウスさんが栗本薫の『真夜中の天使』を例に挙げて絶賛してきた作品ですね。
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20151226/p2
ノクターンなので、きっちりきっぱり18禁小説であるわけですが、これが面白い。ぼく好み。
ちょうど何かエロティックな物語を読みたいなあと思っていたところだったので、思わず読み耽ってしまいました。
まあ、18禁とはいっても、そこまで過激な描写ばかりが続くわけではありません。
盲目のお嬢様と下僕の少年の、キラキラ輝く「純愛」のお話です。
いやー、こういうのが読みたかったんですよねー。
ぼくとしてはエロ小説を読むときもやっぱり物語性があるものを読みたいわけです。
ひたすらセックスしているだけのものも、まあ、それはそれで価値があるのだけれど、ぼくはもう少し違うものを読みたいのだ。
漫画ならそういう作品もいくらかあるのだけれど、これが小説となると、めったにあるものではありません。
完全にアダルト小説なのでニコニコではリンクを張ることがはばかられるJ・さいろーさんの『クラスメイト』とか、良かったですねー。
主要人物がほぼ小学生ばかりという(笑)児童ポルノ禁止法に喧嘩を売るようなロリショタ小説なのだけれど、この際、そういうことは関係ないのです。
人間と人間の肉体的なそれをも含めた「関係」を描けているかどうかが大切なのです。
その意味で、
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