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記事 209件
  • シンジくん問題を考える。あなたはほんとうに本物の大人になれましたか?

    2019-07-16 00:38  
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    エヴァ、ゼロ年代あたりはシンジくんといったらいわゆる「ヘタレ主人公」筆頭のように言われがちだったけど、人権意識の向上した今のオタク界隈では「ネルフがマジでクソ」「シンジくんかわいそう」で満場一致してる雰囲気がある
    https://mobile.twitter.com/batapys1/status/1149831007719190528

     と、こういうツイートがあるのですが、ぼくはぼくなりにずっと「シンジくん問題」を考えています。
     どういういい方がいちばん正しく伝わるかわからないのですが――えーとですね、つまり、ここでひどいといわれているネルフにしても、かつてはシンジくんのような子供だったと思うんですよね。
     仮に、ゲンドウのような親を持ったシンジくんがまともな大人になれなくてもしかたないと考えるとしたら、ミサトだってかつてはそうだったのだろうし、ゲンドウもそうだったかもしれない。
  • もしサノスの主張が「正義」なら、そのとき、アベンジャーズはどうしたのか?

    2019-06-14 15:57  
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     先日、見に行った映画『プロメア』のことを考えています。この映画、『天元突破グレンラガン』のスタッフによって制作されているのですが、ある意味、『グレンラガン』から「一歩も先に進んでいない」といえるところがあって、そこら辺が賛否両論を生んでいるようです。
     具体的にどういうことかというと、この作品の悪役(ヴィラン)であり、「ラスボス」であるところのクレイ・フォーサイトの主張(「悪の理論」)に対し、主人公たちの主張(「正義の理論」)が弱いのではないか、という話があるのですね。
     作中、クレイは滅亡に瀕した人類を救うためという理由で自分が選んだわずかな人たちとともに地球を脱出しようとするのですが、そのために新人類バーニッシュを犠牲にします。これは、ある意味でわかりやすい「悪」ではあるといえるでしょう。
     ですが、もしもクレイがほんとうに正義からこのやり方を選んでいたとしたら? そして、また、このクレイのやり方以外に人類を救う方法がないとしたら? そのとき、主人公たちはクレイを純粋な「悪」として告発することができるでしょうか?
     実際には、クレイには私心から行動しているという瑕疵があり、また人類が滅亡に瀕しているという問題には未発見の解決策がある。だから、クレイを「悪」として告発することには意味がある。
     しかし、もしクレイにそのようなエゴがなく、また、解決策が存在しなかったらどうでしょうか? そのとき、クレイを告発する理由は存在しなくなってしまうでしょう。これがつまり、『物語の物語』のなかでぼくたちが延々と話している「天使」の問題です。
     「天使」とはつまり、「倫理的に隙のない絶対善としてのラスボス」のことなのです。
     倫理的に隙のないラスボスを正義の名のもとに告発することはできません。クレイのように私心(エゴイズム)から行動していたり、あるいは人類と世界を救う方法が他になる場合は、ある意味で主人公にとって都合が良いといえるでしょう。
     そのときは彼の「悪の理論」を高らかに論破し、「おまえのいうことは間違えている!」と叫んで殴り飛ばしてしまえばいい。それで主人公は正義のヒーローとしての立場を守ることができます。
     問題なのは、ラスボスが語る悪の行動を正当化する理論がほんとうに正当だった場合です。たとえば、ほんとうにバーニッシュを利用すること以外に人類を救う方法がないとしたら? そのとき、ヒーローは倫理的な窮地に追い込まれることになるでしょう。
     いくら「おまえは間違えている!」と叫んでみても、説得力がないことはなはだしい。あるいは「正義」はほんとうに相手にあるかもしれないのですから。
     実は同じことが『アベンジャーズ/エンドゲーム』に対してもいえます。『エンドゲーム』のラスボスであるサノスは、宇宙の人口問題を解決するため、宇宙全体の人口を半分にしてしまうという目的を持って行動しています。
     その際にアベンジャーズと対立するわけですが、はたしてかれの行動はほんとうに間違えているといえるのでしょうか? 作中では、その問題はあいまいに処理されてしまった感があります。
     もちろん、作中ではサノスの主張の根拠はあいまいで、また、サノスはエゴを払拭しきれていない。そして、最後の最後では「わかりやすい悪役」に堕ちてしまう。
     つまり、サノスは「天使=倫理的に隙のないラスボス」ではなく「ヴィラン=倫理的に隙のあるラスボス」であるに過ぎなかったことになる。だからこそ、キャプテン・アメリカやアイアンマンの「正義」は相対的に保証されることにもなる。
     ですが、もしサノスに一切のエゴイズムがなく、またサノスの計画以外に問題を解決する方策がないとしたら? そのとき、やはり「天使」の問題が浮上することになってしまうでしょう。つまり、アベンジャーズはサノスに対する相対的な正義を主張することができなくなってしまうわけです。
     『エンドゲーム』は『プロメア』と同じく、サノスを「ヴィラン」の次元に留めることによって、この問題をごまかし、回避したように思えます。
     ですが、べつだん、それによってサノスの掲げた問題が解決したわけではありません。もしかしたら、サノスによって救われた人もいたかもしれないし、サノスのやり方のほうが正しかったかもしれないのです。ぼくはやはりそこに物足りなさを感じてしまう。
     ただ、『エンドゲーム』の圧倒的な好評を見る限り、そのような問題について真剣に考える人は少ないのかもしれません。そこにどのようなごまかしがあるとしても、大半の人は「天使」以前の物語、主観的な「正義」が主観的な「悪」を暴力で倒しておしまいという物語で満足なのかも。
     しかし、ほんとうにそうなのでしょうか? そういう意味では、これから先の『アベンジャーズ』と、ハリウッド映画の展開が楽しみです。はたしてハリウッドに「天使」は降臨するのか? 皆さんもお楽しみになさってください。
     では。 
  • 『けもフレ2』を叩いて喜ぶ人たちはサーバルちゃんから何を学んだのか?

    2019-04-04 10:47  
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     ども。きょうは『けものフレンズ2』の話です。このアニメ、ぼくはまだ見ていないのだけれど、ネットにただよう、あの「みんなで貶さないといけない」という空気がじつに気持ち悪いですね!
     べつに嫌いな作品を批判するのはいいけれど、だれもが否定的な意見でなければならないという雰囲気は嫌だよなー。人の価値観は多様であるわけで、こんな作品を許してはならないという「正義の怒り」を同調圧力で広めていくのはいかがなものなのかと。
     まあ、ぼくがひとりでその空気を感じているというだけなのかもしれないですが。でもなー、嬉々として作品を叩いている人たちを見ていると「ああはなりたくない」と思うことも事実。
     くり返しますが、批判してはいけないということではないですよ。でも、そもそもお金を払ってすらいない作品を口汚く罵る、ときには声優にまでバッシングが行くという事態は異常です。
     『欲望会議』ふうにいうならかれらはま
  • 『サイコパス』は脱「アベガー」的な二元論超克の物語に挑むのか?

    2019-04-03 22:51  
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     ども。先日、てれびんに無理強いされて映画『サイコパス』三部作を観てきたんですけれど、その関係でテレビ版の『サイコパス』を見始めました。
     ……うん、何をいっているのかわからないかもしれないけれど、そうなんだ、テレビシリーズを見ずに劇場版を見に行ったんだ。てれびんの野郎が「テレビは見ていなくてもだいたいわかるよ」といったものだから。
     いや、わからねえよ! 出て来る登場人物ひとりたりとも知らねえよ! そもそもシビュラシステムって何だよ! 理解の外だよ何もかも! と思いつつそれなりに理解できてしまうのが訓練されたオタクの哀しいさが。
     そういうわけで劇場版はかなり面白かったですね。テレビシリーズは当然ながらそれより前のエピソードになるのですが、こちらもなかなか面白い。
     映画のほうがコンパクトにまとまっているところはあるけれど、さすが続きが作られるだけはありますね。ヴィジュアル的にはあまり『
  • 『エヴァ』にカタルシスがないと感じる人へ。

    2019-04-02 13:08  
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     『アオアシ』が!面白すぎる。この作家さん、『水の森』の頃から追いかけていたんだけれど、いやー、良いですね。実に素晴らしい。弱い自分自身を乗り越えて成長していく者たちの物語。王道のスポーツ漫画です。
     で、この「自分を乗り越える」という概念について最近、いろいろと考えています。まずは自分自身の弱さ、愚かさ、醜さ、小ささ、与えられた環境への恨み、他者への妬み、怒りや憎しみといった負の感情などを「乗り越える」ことを「成長」と呼ぶことにしましょう。
     「自分を乗り越えるための戦い」とその結果としての「人間的な成長」は物語の大きなテーマで、結果として「乗り越えられた者」をここでは「大人」と呼ぶことにしたいと思います。
     少なくとも現代においては、どうやって「大人」になるかということは物語のひとつの大きなテーマとして存在しているといって良いでしょう。
     たとえば、『新世紀エヴァンゲリオン』は「乗り越
  • 『アリータ バトル・エンジェル』が凡庸に感じた理由。

    2019-03-01 18:09  
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     このところ、何作か続けて映画を観ています。
     『シティハンター 新宿プライベート・アイズ』、『コードギアス 復活のルルーシュ』、『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」』、『アリータ バトル・エンジェル』と、すべてアニメか漫画原作ですね。
     どれも悪くなかったけれど、素晴らしい傑作というほどの作品もなかったかも。『シティハンター』については、「『Get Wild』良かったよね」という以外の感想は特になし。
     いや、面白かったんだけれどね。かつての『シティハンター』の演出や音楽をそのままに再現したノスタルジー映画で、一切新しいところはないのだけれど、ファンが期待しているものそのものではある。まあ、これはこれで、という作品。
     『復活のルルーシュ』は期待して観に行ったのですが、個人的にはいまひとつ、ふたつ。
  • 『宇宙よりも遠い場所』を見返す。すばら。

    2019-02-14 16:47  
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     BOOTHの同人誌の発送が遅延しているようです。「お知らせ」によると、どうも一気に本が集まりすぎてキャパシティをオーバーしてしまったようなのですね。
     ぼくたちも非常に困っているのですが、何しろBOOTHの問題であり、こちらではコントロールできません。同人誌を依頼された方はもう少々お待ちいただければと思います。
     お買い求めになってから随分と時間が経っている方もいらっしゃるはずで、あらかじめ多少の時間がかかることは述べていたとはいえ、ほんとうに申し訳ない限りです。商品はかならず届くはずですので、どうかそのままお待ちください。
     さて、ぼくはあいかわらず同人誌や電子書籍の作業を続けています。わりと膨大な量を書いているのですが、一向に終わりません。また、その文章が表に出るのはまだ先のことになります。あきらめることなくコツコツ続けなければ……。
     で、そのうちのひとつである「Azukiarai
  • ベジータ問題。あるいは『SSSS.GRIDMAN』における「正義」と「悪」とは何か?

    2019-01-21 15:03  
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     この記事は『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」』と『SSSS.GRIDMAN』の全面的なネタバレを含みます。まだこれらの作品を未見の方は回れ右するか、「覚悟」のうえでお読みください。よろしくお願いします。
     さて、ペトロニウスさんの『SSSS.GRIDMAN』の記事が興味深いので、引用します。
     これ、もともとはぼくがTwitterでこの作品の名前を挙げたところから始まっている話なのですけれど、ペトロニウスさんはこのアニメを見て古い脚本だと思ったとのことです。
     それはそうで、アニメ的にも20年とかまえのスタンダードですし、SF的にはニューウェーブの内面宇宙とかの話と重なりますから、へたすると50~60年昔の話だったりするわけです。
     で、やはりいまひとつの作品だと思った(らしい)ペトロニウスさんは教えてLD先生!ということでLDさんにその内容につい
  • 小説の面白さを最終的に決定するものは何か。

    2018-12-23 04:46  
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     もうじきクリスマスですね。もう40歳になっていいかげん非モテネタも苦しいのでさすがにばくはつしろーとかはいいませんが、心のなかでこっそり呪っています。
     いくつになってもルサンチマンを忘れないようにしたいものですね。ぼく、60歳になっても同じことをいっていそう。
     さてさて、読書ばかりしているのも疲れるので、アニメを見たりもしています。最近見たもののなかで面白かったのが『転スラ』こと『転生したらスライムだった件』。
     原作は人気のなろう小説ですが、これがじつに良い出来。原作のほうも何百万部も売れているらしいけれど、スムースに見れて疲れない作品で助かります。
     異世界転生したらスライムになってしまったという、もはやわりとありがちな筋書きながら、たしかに面白い。楽しいし、わくわくする。
     何だろうなあ。こんなにもありふれた話で、特に傑出したオリジナリティも感じないのだけれど、それでもすごく楽
  • 『魔法少女リリカルなのは Detonation』は混沌とした定食屋アニメだ!

    2018-10-20 15:16  
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     ふらっとうちに『スーパーマリオパーティ』をやりに来たてれびんに誘われて、映画『魔法少女リリカルなのは Detonation』を観て来ました。
     ちなみにぼくは『魔法少女リリカルなのは』シリーズを見るのは初めて。この映画、前後編の前編にあたるのですが、その前編すら見ていません。正真正銘の初なのはです。
     このシリーズ、14年にわたって続いているので、当然、「いままでの作品を観ていないと理解できないのでは? ぽかーんとしているうちに終わってしまうのでは?」と思うところですが、てれびんの野郎が「大丈夫、大丈夫、最初に「これまでのあらすじ」みたいなやつをやるから、それでわかるよ」とのたまったので、「そうかなー」と思いつつもいっしょに観てみることにしました。
     で、たしかにありました、「これまでのあらすじ」。あったのですが――こんなものでわかるかー! さっぱり何のことだか理解できないぞ!
     いや、