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記事 2件
  • 右も左も偏見だらけ。『万引き家族』はあらゆる単純解釈を拒絶する傑作だ。

    2018-06-17 02:26  
     是枝裕和監督の映画『万引き家族』が、カンヌ映画祭で最優秀賞にあたるパルムドール賞を受賞したことが世間で話題になっています。当然ながら、ネットでも話題沸騰なのですが、一部の人は上映前からこの作品に否定的な評価を下していました。
     いわく、是枝監督の政治的な発言が気に入らない、また、万引きという犯罪を美化し肯定していることが嫌だ、監督は在日韓国人なのではないか、などなど。
     この手の狂った理屈の異常さについてはあらためてぼくが説明するまでもないと思うので省きます。ただ、是枝監督の該当発言は重要だと感じるので、ここに引用しておきましょう。

    --経済不況が日本をどのように変えたか。
    「共同体文化が崩壊して家族が崩壊している。多様性を受け入れるほど成熟しておらず、ますます地域主義に傾倒していって、残ったのは国粋主義だけだった。日本が歴史を認めない根っこがここにある。アジア近隣諸国に申し訳ない気持
  • 血か? 時か? もしあなたの子供がほんとうの子供でなかったとしたら。(2150文字)

    2013-10-02 07:00  
    52pt



    【『そして父になる』】
     先日、是枝裕和監督の最新作『そして父になる』を観てきました。
     福山雅治主演でカンヌで絶賛を浴び、話題となった作品ですが、さて、じっさいのところ、その出来はどうだったのか。
     結論から云うと、噂にたがわぬ逸品でしたね。
     激動のクライマックスに涙が止まらない、というタイプの作品ではないと思うのですが、重厚に積み上げられた展開が最後には静かな感動を呼びます。
     福山雅治とリリー・フランキーを初めとするキャストも好演を見せ、まさに日本から世界に輸出する作品として誇りを持てるクオリティと云えるかと。
     ちなみにこの作品、ハリウッドでリメイクされるそうですが、その際にはもっとドラマティックな脚色をほどこされるかもしれません。
     いささか地味ながらきわめてていねいな仕事は、是枝監督ならではのものでしょう。
     物語は、エリート街道を歩く良多(福山雅治)のところに、実は息子がほかの子と取り違えられていたという衝撃的な情報が飛び込んでくるところから始まります。
     かれのほんとうの息子は、べつの人物が育てていたというのです。さっそくその親子と逢い、情報を交換する良多。
     しかし、自分とはまったく生活環境が違うかれらに嫌悪感を抱かずにいられなかったのでした。
     ところが、良多はかれらと時間をかけて付き合ううちに、それまで知らなかった「父親であること」の意味を少しずつ悟っていくのです。
     これはひとりの男が「そして父になる」までの物語。
    【血か? 時か?】
     この映画のテーマはシンプルです。「はたして親子にとって重要なのは血なのか、それとも積み上げた時間なのか」。
     ひと昔、いやふた昔ほど前だったら、