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文乃ゆきのBL漫画『ひだまりが聴こえる』は聴覚障碍者の苦悩を繊細に描き出す。
2020-11-21 15:5350pt
その昔、てれびんの阿呆がただの恋愛映画とまちがえてボーイズ・ラブ映画を観に行ったことがあったとか。いつまで経っても女の子が出て来ないなと思ったら、男同士で恋に落ちて驚いたのだそうです。彼奴の愚かしさをいまに伝える逸話ですね。
さて、それとはまったく関係ありませんが、最近、文乃ゆきのボーイズ・ラブ漫画『ひだまりが聴こえる』シリーズを読み返しました。これがじつに素晴らしい出来なので、ご紹介したいところ。
ぼくは特にボーイズ・ラブが好きなわけではないので、ほんとうに傑出した作品しか読まないのだけれど、これは素晴らしく良かった。シンプルにBLとしてだけではなく、障害者テーマとしてもものすごく読ませる。
その反面、BL描写はわりにソフトで、あるいはBL読者のほうは「もっといちゃいちゃさせろ」と思っているかも。第一巻に至ってはほとんどボーイズのラブがない始末ですからね。まあ、比較的、男性読者 -
オススメのBLと百合を紹介するよ!
2016-07-12 16:4151pt
文乃ゆき『ひだまりが聴こえる』を読みました。
『さらば、佳き日』の作家によるボーイズ・ラブ漫画です。
最近、BL漫画と百合漫画ばかり読んでいるような気がするなー。
べつに腐男子というわけでもないけれど、未発見の秀作を探していると自然とそのジャンルになるんですよね。
で、この作品、難聴の青年を主人公にした物語となっています。
さすが『さらば、佳き日』の作家だけあってかなりよく描けているのですが、この作品の場合、BL要素がむしろ枷になっているような気も。
Amazonの感想を見ても、きわめて高評価ではあるものの、「BLらしくない」とか「BL要素が薄い」といった意見が散見されます。
作者自身、あとがきで「終盤になってボーイズがラブする要素がないことに気づいてあわてた」という意味のことを書いているくらいで、男の子同士の友情の物語として終わらせてもなんの違和感もない話です。
まあ -
漫画を真に受けなくて何を真に受けるのだ!
2016-07-11 17:2651pt
茜田千『さらば、佳き日』を読みました。
てれびんが例の動物的直感(一応は動物の範疇だろう)でどこからか見つけ出してきた作品なんですけれど、これは素晴らしかったです。
ひさびさに漫画読んでいてぞくぞくした。
おそらく好みが分かれる作品ではあるだろうけれど、ぼくとしては非常にオススメの漫画なので、ぜひ、この先のネタバレは読まずに買って読んでほしいところ。
まあ、ネタバレしても作品の素晴らしさが色あせることはないにしても、可能ならネタバレなしで読んだほうがいい。
そういうわけで、以下、ネタバレありです。いいですか、ネタバレしますよ?
この物語は、ある男女が新婚夫婦と偽ってひっこしてくるところから始まります。
お似合いの夫婦に見えるふたりは、実は兄と妹。親に黙ってふたりで暮らしているのです。
いったいこの兄妹はどうしてふたりで暮らすことを選んだのか? 恋人のようにも夫婦のように
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