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SMポルノ小説の伝統を江戸時代まで振り返るよ。
2020-11-24 17:4950pt団鬼六の小説が好きです。知る人ぞ知る、そして知っていてもべつに自慢にならないポルノ小説の巨匠なのですが、ぼくはこの人の小説がすこぶる好きでならないのです。
まあ、ほとんど物語の筋書きらしきものはなく、ただひたすら酸鼻な凌辱場面が繰りひろげられているだけなので、ほとんど最後まで読み通せたためしはないのですが、それでも時折、本を開いては妖しい官能とエロティシズムの世界に耽溺したりします。
前の記事でもちょっと書きましたが、小説はべつだん物語がすべてではなく、その文体を味わうことを大切であるわけで、かならずしも最初から最後まで読み通す必要はないのです。
ぼくは時にページを開いて言葉を心に浴び、それで満足して物語を味わうことなく本を閉じることがありますが、それもまた立派な読書であると捉えています。
団鬼六の官能小説は、ほかの作家にはない一種独特の味わいがあり、読むことの官能性を味わうには -
SMはひとつの愛のかたちなのかもしれない。
2016-04-23 00:1051pt
今村陽子『ほんとのかのじょ』。
またまた百合漫画です。最近、ぼく、百合の単行本をよく読んでいるよなー。まあ、BLも読んでいるんですけれど(笑)。
今回は百合といっても一風変わっていて、SMの話です。
根っからのどMの少女もえと、彼女に告白されて好きになってしまった少女ゆーかの物語。
ゆーかは本来サディストでもなんでもなかったはずなのですが、もえのマゾヒストさに影響を受けてどんどん資質を開花させていきます。
はたしてふたりのちょっと危険な恋の行方やいかに?
で、まあ、SMっていうとサドとかマゾッホとか団鬼六とか村上龍あたりなのでしょうが、サドまで行くとちょっと付いていけないなと感じるものの、マゾッホはちょっと好きですね。
団鬼六もかなり好き。村上龍はまたちょっと違うと感じる。
特に団鬼六は色気があっていいなあと感じます。
男性視点のSM小説には違いないのですけれど、かれの小説の中心を務めるのはあきらかに女性なのですね。
ひたすらにいじめることで女性の美しさをひきだしていくという、そういう構造になっています。
だからけっこう好んで読む女性読者もいたりするわけです。
そのクラシックな香気ただようSMの世界にはたくさんのファンがいるのです。
ちなみにもともとは学校の先生で、授業中にサボってSM小説を書いていたなんて逸話も残っています。面白い人だなあ。
この人の作品の特徴はとにかく延々と女性をさいなみ抜くことで、『花と蛇』なんて、文庫全10巻にわたってある貴婦人をいじめているという、大長編SM小説らしいです。
ぼくはすぐ投げ出してしまいましたが……。まあ、そこはべつに根っからのSM好きじゃないのでしかたない。
あと、
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