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記事 3件
  • 天才監督の超前衛映像詩『野のなななのか』は必見だ!

    2017-11-18 14:58  
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     先日の合宿で大林宣彦監督の『野のなななのか』を流したところ、意外にもけっこうみんな熱心に見ていたので、きょうはこの作品の話をしようと思います。
     おそらく以前にも書いたと思いますが、この映画は邦画の歴史に残る大傑作です。天才映画監督大林宣彦の長いフィルモグラフィのなかでも、最高傑作のひとつといっていいでしょう。
     『ふたり』、『時をかける少女』などの傑作で知られる大林監督ですが、恐るべきは老齢になってなお新境地を更新しつづけていること。
     かれにとっておそらく「最後から二番目の傑作」になると思われるこの作品は、その圧倒的な実験性と新鮮さで強く強く印象に残ります。
     「なななのか」とは、七つの七日、つまり四十九日を意味しています。このタイトルが表しているように、ある老人の四十九日までの物語なのですが、いかにも地味に始まりながら、じっさい見てみるとこれがとんでもなくファンタジック。
     いろい
  • 「1%の独創的な傑作」とはどういうものか知りたい人は映画『野のなななのか』を見よう!

    2016-04-11 00:00  
    51pt

     夜中に目が覚めたので『少年メイド』を見ながらこの記事を書いています。
     書き始めたはいいけれどまだなんの記事にしようか決めていないというていたらく。
     少年メイド可愛いな。可愛い男の子にメイドさんのコスプレをさせると可愛いよね♪というただそれだけの作品かもしれませんが、なかなかシビアな話で面白い。
     うん、それくらいしか書くことないな。
     さて、何を書こう。
     そうだ、大林宜彦監督の『野のなななのか』がソフト化したらしいのでそれについて書こう。
     一昨年あたりに見た映画なのですが、いや、これが恐ろしいほどの傑作です。
     天才の天才による天才的な最高傑作。
     「天才」なんて言葉はそう安売りするものではないとわかっているけれど、大林さんにはその栄冠があまりにふさわしい。
     どういう映画なのか。
     簡単にまとめるなら、ある老人の葬式に親類が集まっているところに、なぞの女性がひとりあらわれて、
  • 覚醒せよ! 人類の意識を目覚めさせるべく、天才監督のもとに集まる魂の戦士たち。

    2014-08-20 19:00  
    51pt


     先日、渋谷のアップリンクであの『ホドロフスキーのDUNE』を観ました。「あの」と付けてもたぶん知らないひとのほうが多いだろうけれど、これがとんでもない傑作映画。めちゃくちゃ面白かった!
     題材があまりに面白すぎるので、どう撮っても面白くなってしまう気配はあるのだけれど、それにしても素晴らしいとしか云いようがない内容で、今年のベストの一角に入って来ることは間違いなし。
     先日の『STAND BY ME ドラえもん』といい、最近は良い映画に出逢う確率が高いな、とほくほくします。まあ、面白い映画はいつでもやっていて、それと出逢えるかどうかがすべてであるのかもしれませんが……。
     アップリンクは20席ほどしか席がないいわゆるミニシアター系の劇場なのですが、平日の昼間であるにもかかわらず、ほぼ満員になるくらいひとが入っていたので、それなりに注目されている映画ではあるのだと思います。
     いや、じっさい、これはとんでもない。なぞの天才映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーのすべてがここにある!と云ってもいいでしょう。
     まあ、ホドロフスキーの名前を知っているひとは一定以上の映画ファンに限られるとは思います。いわゆる「カルトムービー」の作り手で、『ホーリーマウンテン』などの怪作で知られてはいますが、決して一般受けするクリエイターとは云えないでしょう。間違えてもデートなんかに使ってはいけない映画かと。
     しかし、この人、それでいて紛れもない奇才なんですよ。あきらかに変人ではあるんだけれど、ただの変な人ではなく、映画を通して人類の意識の変革を成し遂げようとこころみる革命家なのです。
     そのホドロフスキーが、ただ一度、メジャーシーンに殴りこみをかけようとして挫折したことがありました。
     その映画こそ『DUNE』。『スター・ウォーズ』に先立つこと数年前、フランク・ハーバートのSF小説を大胆に脚色し、人々を「覚醒させる」ことを目ざした伝説の作品です。惜しむらくは未完成に終わったものの、映画史上でも最も有名な未完成作品と云われているのです。
     しかし、なぜこの映画がそれほど注目を集めるのか? それは、この映画がきわめて個性的なメンツを集めて制作される予定であったからに他なりません。
     まずは、バンド・デシネの伝説の天才作家として知られる男、メビウス。そして、特殊効果を手がけることになる当時無名の人物、オバノン。あるいはのちに映画『エイリアン』のクリーチャーデザインを手がけ有名になるギーガー。さらにはSF小説の挿絵で活躍するクリス・フォス。
     そして、オーソン・ウェルズ(!)や、サルバドール・ダリ(!!)やらミック・ジャガー(!!!)まで、ホドロフスキーは巧みに口説き落として映画に参加させていくのです。
     ちなみに音楽を手がけるのはピンク・フロイドにマグマ。いま考えるとほとんど異常と云ってもいい超豪華メンバーで、ほとんどノンフィクションとは思えないくらい。
     ホドロフスキーはかれらを人類覚醒のための「魂の戦士」と呼び、ありとあらゆる手段を使って集めてゆきます。意識の覚醒とか、魂の戦士とか、一歩間違えるとほとんどカルト宗教以外の何ものでもないのだけれど、しかしまさにそうであるからこそ、ホドロフスキーのヴィジョンは強烈な魅力を放っています。