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オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、このはてしなく遠いダメ人間坂をよ。

 あした朝早く起きないと、と思ったらさっぱり眠れません。我ながらこういうところは神経細いよなあ。  いやまあ、きのうは昼近くまで寝ていたのでいま眠くならなくて当然なのかもしれませんが。  しかたないので、Phaさんの『しないことリスト』をぱらぱらと読み返しています。  Phaさんの文章は口語に近く、しかも力みがないのでとても読みやすい。こういうとき読むには打ってつけですね。  この本は以前にも紹介しましたが、人生において「しないこと」、「しなくてもいいこと」をリストアップした内容です。  リストは「買い物をしない」、「お金で解決しない」から始まって、「突き詰めない」に至るまで、36項目に至ります。  いずれも「ダメ人生の達人」としての極意が簡潔に示されていて、非常に参考になります。  これから先、ダメ人間として生きていくつもりのぼくとしては「先人の教え」にも等しい話ばかり。  いいよなー、この人。一切気負わずに脱力しているというか、無駄な力みがない感じ。ヒトとして素晴らしいと思います。  Phaさんと比べると、ぼくなんか、やっぱり無為に耐えられない性格をしていると思う。  その意味ではニートにもひきこもりにもあまり向いていない。基本的に無能だからひきこもりをやっているだけで、働けるものなら働きたいと思うもん。  もちろん、「労働」になんらかの美徳を認めているわけではないのだけれど、働いていないととにかく暇でしかたないのですね。  映画とかゲームとかでは暇をつぶし切れない。そしてやっぱり努力していないつもりでもいくらか努力してしまっているところもある。  ようするに中途半端でキャラが立っていないのです。  以前にも書いたかもしれないけれど、Phaさんはよく「だるい」と書きますが、ぼくはあまり「だるい」とは思わないのです。  もちろんやりたくないことはたくさんあるけれど、それは積極的にやりたくないという意味であって、「だるいからやりたくない」とは違う。  やっぱりPhaさんと比べるとぼくは体力が余っているんだろうなあ。だから、無意味なことにも力を注いだりしてしまうのだろう。  そこらへん、まだまだダメ修業が足りないな、と思います。  そうかといって、一般的な社会人として暮らしていけるほどのスキルも持っていないわけで、いや、ほんと、半端者ですね。  まあ、それがぼくという人間だからいいのだけれど。  ぼくはなんだかんだといってもやっぱり自己責任でひとと競って成果を上げることがけっこう好きです。  それはべつにそのことに高尚な意味があると思っているわけではありません。  当然、社会のためになるなどという幻想も抱いてはいない。  ただ、ある種の「ゲーム」として数字をアップしていくことが好きなのですね。  だからこそ、こうして1日に4本も5本も記事を更新しつづけているわけです。  「お金のため」といえばそうなのだけれど、やっぱり基本的には「暇つぶし」、「退屈しのぎ」というほうが近い。  もし書くことを「だるい」と思っていたら、これほど更新したりしないでしょう。  ぼくはふしぎと書くことについては一切「だるい」とは思わないのですよね。  へたすると1日10000文字とかをテーマに沿って書いているわけですけれど、それでも全然飽きないし、書き足りないくらいに感じる。  やっぱり書くことが好きなのだと思います。それが少額とはいえお金につながっているわけだからもう文句なしですよね。  つまりはぼくはやっぱりダメ道においても悟り切れない凡人でしかなく、Phaさんの遠い背中を見てはため息を吐くばかりです。  でも、 

オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、このはてしなく遠いダメ人間坂をよ。
弱いなら弱いままで。

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海燕

1978年新潟生まれ。男性。プロライター。記事執筆のお仕事依頼はkenseimaxi@mail.goo.ne.jpまで。

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