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『TYPE-MOONの軌跡』を読んでぼくが考えたいくつかのこと。
2017-12-09 07:0051pt坂上秋成『TYPE-MOONの軌跡』をようやく読み終えました。タイトル通り、いまや巨大ゲームメーカーにまで成り上がったTYPE-MOONのヒストリーを丹念に綴った一冊。
所々、TYPE-MOONの作品に対する批評も入っています。『空の境界』に始まって『Fate/Grand Order』にまで至る20年弱を、かなりていねいに追いかけている印象ですね。
さて、かつて少年の奈須きのこが高校時代にノートの隅とかに書いていたのであろう『Fate』の物語は、いまや年間数百億円といわれるセールスを上げるビッグビジネスにまで成長し、SONYの業績に影響を与えるまでの存在になりました。とほうもないことです。
しかし、面白いことに、そこに至るまでのTYPE-MOONの軌跡は、どう考えても「成功の方程式」みたいなものからほど遠いところにあるのですよね。
もちろん、その都度、「わかりやすく」、「より広い -
『君の名は。』のヒットの理由は「古典性」にあり。
2016-11-29 01:5151pt「クローズアップ現代」の『君の名は。』特集、全力で見のがしたーw どうせ「NHKオンデマンド」に登録されるからそれで見ればいいや、と思っていたのだけれど、どうやら「NHKオンデマンド」には入っていない模様。
映画の著作権の関連があるからネットには上がらないということかな? ぐぬぬ、失敗した。まあいいか。とりあえずLINEで得た情報によると、『とりかえばや物語』の話が出ていたとか?
そう、『君の名は。』のログラインそのものはきわめて古典的/神話的なんですよね(この作品にはあらかじめふたつのログラインが用意されていたといいます)。
やっぱりログラインの神話性を現代風に処理したところが良かったのかなあ。『スター・ウォーズ エピソード7』といっしょですね。
デートムービーとしてヒットしたのだという話もあったようだけれど、アニメがデートムービーになりえるということ自体、きわめて画期的な話な -
『君の名は。』ネタバレ感想。物語を形づくる三枚のカード。
2016-08-29 04:5351pt先ほどまで映画『君の名は。』のネタバレラジオを放送していたのですが、そこで話したことを記事の形でもまとめておきます。
以下、『君の名は。』のネタバレを含みます。未見の方はなるべく読まないでください。オーケー?
さて、『君の名は。』では、クライマックス、ふたりの主人公、瀧と三葉はすべての記憶を失って離ればなれになります。
瀧は何かを失ってしまったという喪失感を抱えながら日々を過ごし、そして数年後、ふたりが運命的に再開するところで物語は終わります。
感動的なハッピーエンド。しかし、ぼくはここでもう少し印象が弱いものを感じたのですね。いや、作品そのものは傑作で、クオリティ的には文句なしなのですが、いわば99点で、100点は付けられないようなところをどこかに感じたのです。
それはどこなのかといえば、いまにして思えば、このハッピーエンドそのものに「嘘」を感じ取っていたのだと思う。
つま -
映画『君の名は。』のわりとどうでもいいポイントについて(ネタバレ)。
2016-08-27 01:5651pt新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』を観て来ました。
えーと、あれですね、これは一切のネタバレなしで感想を書くと、「恋っていいよね」くらいしかいえなくなる類の映画ですね。あるいは「おっぱいっていいよね」でもいいけれど。
しかもネタバレ厳禁タイプのシナリオ。まあひと言でいうと傑作だったんだけれど、細かいところをどう見るかで評価が変わってくる可能性はあると思う。
いやまあ、細部をあげつらうべき映画ではないことはわかっているんだけれど、評価がわりと絶賛一色なので、ぼくはあえてそういう蛮行に踏み切ろうかと。
くり返しますが、かなりの傑作なので、未見の方はこの記事は無視して映画館へ向かってください。なんだかやたらと「新海誠の集大成」という評価を目にするけれど、あえてシンプルにいえばそういう映画です。
十数年前、下北沢へ『ほしのこえ』を観に行ってからずっと新海映画を追ってきたぼくと
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