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記事 2件
  • 『甲鉄城のカバネリ』は「終末もの」の新境地を拓けるか?

    2016-05-04 11:08  
    50pt

     『甲鉄城のカバネリ』が面白いです。
     都市が鉄道でつながれた世界を描くゾンビ・ホラー。
     特に目新しいアイディアはないようなのですが、全体にクオリティが高く、サスペンスフルな展開で魅せます。
     この鉄道、だれがどうやってメンテナンスしているんだろうとか思うわけですが、そこは深く考えちゃいけないんだろうな。
     昔、『ゼルダの伝説』のシリーズに「大地の汽笛」という鉄道ネタの作品がありましたが、それを思い出したりします。
     ただ、特に現代的な作品というわけでもなさそうなので、流行るかどうかはなんともいえないところ。面白いんですけれどね。キャラクターは美樹本晴彦だしなあ。
     最新話まで見たところ、きわめてきびしい世界を描いた作品で、ぼくたちの言葉でいえば「新世界系」ということになるわけですけれど、『進撃の巨人』から数年、この種の作品も一世代前のものになったかな、という気はします。
     いや、新世界系のテーマそのものはいまふうなんだけれど、そこにどういうアンサーを付けるかでこの種の作品の面白さは決まってくるんじゃないかと思う。
     つまり、きびしい世界を描いて、「どうです? 世界って残酷でしょ?」とやるだけではダメで、そのきびしい世界でどうやって生きていくか、というところまで踏み込まないといけない。
     「新世界系」は、必然的にサバイバルものになるわけですが、そのサバイバルの思想的な方法論を描きこめないと凡作に終わるという気がします。
     『魔法少女まどか☆マギカ』がヒットし、後続の「女の子の新世界系」があまり話題にもならなかったのは、たぶんそのせい。
     ただ単に「きびしいでしょ? 辛そうでしょ? 悲惨でしょ?」とやるだけでは不十分だということです。
     よく虚淵玄は暗く残酷で悲劇的な作品を描く作家性だといわれるけれど、ぼくはそれだけだとは思わない。
     その暗い現実に立ち向かう姿勢を描いているからこそ、虚淵作品は魅力的なのです。
     これは第一作の『Phantom』からずっとそうですね。
     虚淵作品はたしかに暗い話が多いけれど、決して「趣味的な残酷さ」に耽溺しない。
     「どうです、ひどい話でしょ?」と示してウケを狙うだけのものにはなっていないのです。
     その点がフォロワーと虚淵作品の最大の差ですね。
     それでは、ひるがえって、『カバネリ』はどうか。「まだよくわからない」としかいいようがありません。
     問題は、この物語にどういう結末を付けるかということだと思うのです。
     一般的にいって、ゾンビ・ホラーって、世界がどんどん終末に向かっていくところに面白みがあるわけですよね。
     自分たちの生きている世界がどんどん壊れていくところに「負のカタルシス」とでもいうべき快感がある。
     でも、そうだからこそ結末を付けることがむずかしい。
     世界そのものが崩壊に向かっているところで、ヒーローの孤軍奮闘を描いたところであまり意味がないように思われることもたしかなのです。
     だから、世界レベルのゾンビ・ホラーは「そして世界は滅んでしまいました。おしまい」くらいしか結末を設けることができないジャンルでもある。
     「どこかに人類の生きのこっているコミュニティがあって、そこに逃げ込む」とか、「ゾンビを壊滅する手段が発見される」とかいう結末もあるにはありますが、ゾンビ・ホラーの根本的な面白さからすると、あまり適当なアンサーとはいえない気がするのですよね。
     ここにどういう答えを見つけ出すか? 『カバネリ』の今後には注目です。
     この点は『進撃の巨人』もまだ答えを出していないところですよね。なんらかの解答は用意しているのではないかと思うのですが。

     映画版の『バイオハザード』とか、答えを用意できないままシリーズが進むので、わりとめちゃくちゃな話になっていた気がする。
     そういえば、 
  • 『甲鉄城のカバネリ』はそこまで『進撃の巨人』に似ていないと思うのだ。

    2016-04-26 07:39  
    50pt

     アニメ『甲鉄城のカバネリ』最新話を見ました。
     舞台はパラレルワールドの日本とも思しい「日ノ本」の国。
     いま、この国は生ける屍ともいうべきカバネの脅威があふれていた。
     唯一の安定した流通路はそれぞれの「駅」を結ぶ鉄道網であり、「駿城(はやしろ)」と呼ばれる汽車がその間を走っている。
     そして、いま、そんな「駅」のひとつ、顕金(あらかね)駅にカバネたちが襲い掛かる――というところから始まるスチームパンク・ゾンビホラー。
     過去の色々な作品を掛け合わせたような設定の物語ですが、これが面白い。
     少々詰め込みすぎなのではないか、というくらい詰め込まれたアイディアが印象深いです。
     展開も早く、ほとんど設定を説明することなく進むので、集中してみることを余儀なくされます。
     昔、『攻殻機動隊』とか見ていた時に近いこの感じ、テレビアニメではひさしぶりですね。
     まあ、いずれにしろ実に一気呵成の面白さ。人間の極限状況を示し描くサバイバル・エンターテインメントとして第一級の仕上がりといっていいかと。
     いや、この先、おそらくカバネに対する人間側の反撃が始まるのでしょうが。さて、どうなるか。
     で、この作品、放送前はさんざん『進撃の巨人』だといわれていたけれど、じっさい見てみたところ、そこまで似ているとは思わないですね。
     ひとの姿をした怪物に襲われた人々が防護を固めた「駅」に引きこもっているという設定に共通点が見られるくらい。あとはそんなに似ていないと思う。
     まあ、たしかに初めは『進撃の巨人』を思い起こしながら見ていたのだけれど、ここまで来ると別物として楽しめます。
     何より、無類に面白いわけで、これを『進撃』のパクリだとかいってたたくのは筋違いのように思えてなりません。
     時代劇、スチームパンク、ゾンビ、「駅」、「駿城」、「負け犬のリベンジ」と