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殺人は正義、不殺は悪。『ファイブスター物語』の壮絶なる倫理感。
2016-05-21 18:2551pt
永野護『ファイブスター物語』が面白いです。
いま、連載では、ジョーカー太陽星団を揺るがす大戦争・魔導大戦(マジェスティック・スタンド)が中盤に差し掛かったところ。
これからハスハを構成する一国ベラを巡って壮大なゴティックメード戦が勃発しようとしている状況なのですが、きょうはそれとはちょっと違う話をしたいと思います(本編未読の方は何をいっているのかわからないと思いますが、まあ、説明し始めると長いのでそういうものだと思ってください)。
今回、ぼくが語りたいのは、魔導大戦の一方の雄である黒騎士デコース・ワイズメルの話です。
デコースは物語の序盤から登場している天才騎士で、星団でも屈指の実力の持ち主。かれに対抗できる者は、すべての騎士のなかでも数人しかいません。
剣聖ダグラス・カイエン亡きいま、「星団最強」を名乗ってもおかしくない地位にいるといってもいいでしょう。
まあ、剣聖並かそ -
『ファイブスター物語』十年来の最新刊、ついに刊行! 伊達と狂気の全面設定変更だ!
2015-08-08 02:3551pt
出た! 『ファイブスター物語』約10年ぶりの第13巻、あたかもその間に何ごともなかったかのように書店の棚に並んでいました。
いやー、よくもまあ出たものです。
この先、第20巻くらいまで魔導大戦のエピソードが続くはずなのですが、それは10年先のことになるか、15年先になるか。だれにもわからないというのが実情です。
さらにその先の「星団暦3159年」のエピソードとなると、これはもう、果たして実物を見れるかどうかなんともいえない。
しかし、とにかくいまはこの「ザ・マジェスティック・スタンド」に集中しましょう。
そしてともかく第13巻が発売されたことを喜びたいと思います。
さて――前巻から話はそのまま続いているのに内容は急展開のこの巻なのですが、いざ全体を俯瞰してみると、むしろ『ファイブスター物語』としては比較的地味な「つなぎ」の巻だったのではないかと思われます。
アトールの巫女
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