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記事 1件
  • 伊藤ハチ『合法百合夫婦本』と百合漫画の歴史。

    2016-05-18 18:40  
    51pt

     伊藤ハチさんの百合漫画新刊『合法百合夫婦本』と『チヨちゃんの嫁入り』を読みました。
     どうやら伊藤さんによる過去の同人誌をまとめた本らしいですが、ぼくは初読なのであまり関係がありません。甘酸っぱい世界を堪能させていただきました。
     読むほどに多幸感が増していくドラッグ的な2冊です。あー、幸せー。生きていてよかったー。愛って素晴らしい(何かいってる)。
     Kindleは欲しい本が一瞬で手もとにやってくる偉大なシステムだな。何よりいったん購入した本はなくならないのが凄い。これからも新刊はなるべくKindleで買おうと思います。
     それにしても、最近は百合漫画もいちジャンルとして確立された感がありますねー。
     ひとりのなんちゃって百合オタとしては感慨深いものがあります。
     もっとたくさん百合漫画が出るようだといいのだけれど、まあ、マイナージャンルには違いないからなかなかそういうわけにもいかないか。
     無数の作品のなかから読むものを選べる腐女子な人たちがうらやましい。
     そもそも百合の歴史はBLに比べると浅いのです。
     いや、吉屋信子の『花物語』とか、女学生同士の「エス」の関係だとかまでにさかのぼれば古いだろうけれど、オタク文化としての百合作品の歴史は相対的に浅い。
     あまり迂闊なことはいえませんが、『美少女戦士セーラームーン』の百合二次創作が流行ったあたりが皮切りなんじゃないかな?
     もちろん、それ以前にも少女漫画には「レズビアンもの」がありました。しかし、それは往々にして重苦しい内容で、悲劇的結末を伴うものだったそうです。
     ここらへんは藤本由香里さんの名著『私の居場所はどこにあるの?』にくわしい。
     なぜBLに比べ百合の普及が遅れたかといえば、うん、なぜなんでしょうね?
     当然、ひと言ではいい表せないような複雑な原因が絡みあっているのだと思いますが、まあやっぱり生々しく感じられたんだろうなあ。
     あと、女性同士の関係に「先」が感じられるような社会状況ではなかったのかもしれません。
     それがゆっくりと受け入れられるようになっていった背景には、おそらく「女性キャラクターのイメージの多様化」が関係しているのだろうと思います。
     ここ20年くらいで、漫画のなかの女性キャラクターたちはだいぶ変化しています。特定の性役割に縛られることも、あるいはまだ十分ではないかもしれないにしろ、だいぶ減ってきているのではないかと思う。
     そういう事情が、百合作品の発展にも影響を与えているのではないか。
     少女漫画でいうと、清水玲子の『輝夜姫』あたりから百合テーマは新時代に入っていった感じがしますが、結局、この作品は百合を全うできずに終わった印象が強い。ちょっと時代が早すぎたということでしょうね。
     で、そのあと『カードキャプターさくら』とかが発表されたこともあって、しだいに百合は一般化していくという流れで良いかと思います。
     いや、CLAMPはその前に『聖伝』とか、色々あるにはあるのですが。
     そういう長い歴史を経て、百合のいまはあるわけです。
     「百合」という言葉が広く使われるようになったのは、やっぱり『マリア様がみてる』あたりからだと思うんだけれど、どうだろう? あまり確信はないのでなんともいえないところです。
     まあ、いまでも百合業界には注文があって、個人的にはもっと物語として「面白い」百合作品を希望したいところなのだけれど、むずかしいのかなあ。むずかしいのだろうなあ。
     あまりストーリーテリングに特化した百合作品って見ないものなあ。『魔法少女まどか☆マギカ』とかは、あるいはそれにあたるかもしれないけれど。あとは高河ゆん原作の『悪魔のリドル』とか?

     前の記事でも書きましたが、「面白い」物語は