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幸せとは人間関係である。本物の関係を通じて幸福と充実を手に入れよう。
2015-07-18 03:0151pt
Amazonインスタント・ビデオで映画『happy しあわせを探すあなたへ』を見ました。
いまさらではありますが、すっかりレンタルビデオに頼らなくても自宅で動画を見れる時代になりましたね。便利、便利。
『happy』は「幸せ」について探求したドキュメンタリー映画です。
この作品のなかにはさまざまな「幸せのかたち」が登場し、「いったい幸せってなんだろう?」という根源的な疑問に答えてくれます。
このブログを継続的に読まれている方なら、ぼくが最近、幸せについて続けて本を読んでいっていることはご存知でしょう。
その理由は簡単で、自分自身が幸せになりたいから。
しかし、現実に幸せに生きることはそう容易ではありません。
ぼくはいま、幸せと不幸せの境界くらいのところにいて、どちらにも行ける状況にあると思います。
これから幸せのほうに行きたいのですが、そのためにはどうすればいいか? そのヒントをこの映画のなかに見いだしたいと思っていました。
この映画は同様の疑問を抱いたらしい映画監督によって企画され、数年の歳月をかけて撮影されました。
心理学や脳医学の世界的権威たちの協力を得、さまざまな国や立場の人々のなかに幸福を探っていきます。
映画はまずインドの貧しい車夫を描くところから始まります。
驚かされるのは、現代社会を生きるぼくたちから見るときわめて貧しいように見えるかれが、それでも「自分は幸せだ」と胸をはって答えていること。
いままでこのブログでは幾度もくり返し述べてきたことですが、どうやら幸せはその人の富とはあまり関係がないらしいのです。
じっさい、戦後日本は奇跡的とも思える経済成長を続けて来わけですが、日本人の生活満足度はほとんど変わっていないというデータもあるようです。
富と幸せのあいだには一定の相関関係こそありますが、イコールで結べるようなたしかな関係はないということ。
それでは、ひとの幸せはどこにあるのか? 答えはきわめてシンプルです。
映画を一見してみて感じたことは、「幸せとは人間関係である」ということです。
抜きん出て幸福度が高い人には、必ずといっていいほど親しい家族や友人がいる。
そういう人とともに暮らせることが人間の幸せなのです。
あたりまえといえばあたりまえのつまらない結論かもしれません。
しかし、幸福学やポジティブ心理学の結論はやはりここに行き着くらしい。
映画はアメリカや日本のたくさんの家族や仲間を描いて行きます。
そこから導き出されるのは、良好な人間関係をたくさん持っている人ほど幸せになりやすいという事実です。
それに対して、あまりに孤独だったり不都合な人間関係しか築けていない人はそうなりづらいばかりか、寿命さえ短くなるらしい。
映画のなかでは、先進国のなかで最も幸福度が低い国として日本が登場します。
ここは考えさせられるところです。
いったいぼくたち日本人に欠けているものはなんなのか?
真面目に懸命に生きてきたはずの日本人がなぜそれでも幸福になりきれないのか?
映画はあまりにも仕事をしすぎるからだと匂わせていますが、それはつまり仕事に専心するあまり身近な人間関係を犠牲にしているということではないでしょうか。
人間関係こそがひとの幸福度を大きく左右する。その事実を忘れないようにしたいと思います。
もちろん、ひとはいくらだれかと親しくなったところで最後はひとりですし、自ら望んで孤独を選んでいる人もいることでしょう。
そういう生き方が悪いとはいいませんし、先の記事で書いたように「孤独力」には価値があります。やたら群れればいいというものではない。
しかし、その一方でやはりひとはその一生を通じて安易な「つながり」に留まらない本物の人間関係を求めていく必要があるのです。
そういう関係を作り出せた人はまったき幸福をも手に入れることができます。モンスターからお姫さまを救い出した騎士のように。
ぼくが思い出すのは、ディケンズの『クリスマス・キャロル』です。 -
人生に対しツンデレになるな。
2015-06-20 03:3351pt
ポジティブ心理学をご存知だろうか。
「なんでもポジティブに考えればうまくいく」という思想のこと「ではない」。
それは、鬱や病といった人生のネガティヴな側面を注視する既存の心理学と異なり、幸福や活力といったポジティヴな側面に目を向けようとする心理学のことである。
この新しい学問が誕生したのは1990年代のことで、爾来、いろいろな成果を積み重ね、いまでは心理学の大きな支柱のひとつとみなされるに至っている、らしい。
「らしい」と書くのはぼくもくわしい知識を持っていないからだが、興味は大いにあるので、イローナ・ボニウェル『ポジティブ心理学が1冊でわかる本』を読んでみた。
タイトル通り、実に多岐にわたるテーマが語られている本なのだが、個人的に興味深かったのは、そのなかの第13章「ポジティブ心理学を暮らしに活かすには」の結論だった。
そこにはこう書かれていたのである。「自分自身についてよく考え、得意なことをし、人生のよい面に意識を向け、他者に親切にしましょう」。
著者自身が書いているように、「あまりにも単純すぎるようにみえ」る結論なのだが、結局、これしかないらしい。
幸せになるためには、もっとポジティブになることが大切だという結論なのだ。
しかし、どうだろう、この種の理屈を鼻で笑ってしまう人は少なくないのではないだろうか。
ポジティブ・シンキングをすれば幸せになれるとは、ようするにひとに脳天気であれといっているようにも思える。
そんなふうにして幸福になるくらいならいっそ不幸であるほうがいい、そういうふうに思う人は大勢いるのではと思うのだ。
ぼくたち、と大きな主語を使っていいのかどうかわからないが、少なくともぼくのような人間は、口先では幸せになりたい、幸せになりたいといいながら、しかし、幸せという状態をどこか軽んじているところがある。
なんといっても、人間の苦悩の底知れない複雑さにくらべて、幸福はいかにも単純ではないだろうか。
それはまたどことなく軽薄であり、深刻さを欠いているように思える。
四六時中機嫌がよく、なんの悩みもないように見える人物は、友人としては最適だが、しかし、あまり強く尊敬する気にはなれない。
何かしらの悩みと苦しみこそがひとを複雑な存在にする――そうではないだろうか。
しかし、これは一面的な見方である。最近、ぼくはそう思うようになった。
幸せが単純だと、いったいだれが決めたのだろう?
まさに
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