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強烈! 濃密! 荒木飛呂彦『ジョジョリオン』が最高潮。
2020-11-29 15:1050pt
荒木飛呂彦『ジョジョリオン』がクライマックスに到達しているように見えます。ほんとうにクライマックスなのかどうかはまだわからないのだけれど、とりあえずラスボス(?)らしき敵と戦ってはいる。はたしてどういう結末を迎えるのか、期待と不安が相半ばしています。
『ジョジョの奇妙な冒険』第八部であるこの『ジョジョリオン』、あまり調べてはいませんが、おそらく賛否両論の評価なのではないかと思います。
あいかわらず「ジョジョらしさ」は全編に横溢していて、「衰えていないなあ」と思わせる一方で、その内容は複雑で、難解で、正直、もう何をやっているのかよくわからない。
主人公たちの「スタンド能力」にしても、もう何だかわけがわからないことになっていますよね。ちょっと一読しただけでは理解が及ばない感じ。
もちろん、世の中には読みやすくてわかりやすいだけではない傑作もありますし、それが一概に悪いというわけで -
天才が時代遅れになるとき。
2017-01-21 17:3251pt新作小説『星の王、栄光の槍 ―最強騎士に成りあがっていとしの陛下を守ってみる―』を「なろう」にて公開中です。
http://ncode.syosetu.com/n3292dt/
前作は読者層への意識を完全に振り切って趣味に走りましたが、今作は少しだけ読者層を意識しています。妙にエロいのは趣味ですが。
ただ、自分の価値観を曲げて読者に媚びたりしてもまったく意味がないということは痛感したので、そこは曲げていません。あくまで自分が面白いと思うもの、かっこいいと思うものを貫いているつもりです。その上でいかに読者層にアジャストするかを考えています。
「なろう」にはあきらかに独自に偏った読者層があり、それを無視するとほぼまったく読まれません。小説としていくら優れていても、「なろう」のルールに沿っていなければダメだという一面があります。
これは一見、不条理なことのようですが、あたりまえといえば -
「Tittygram」でおっぱいにブログタイトルを書いてもらったよ。
2015-05-03 06:4151ptども、きょう、登山に行く予定の海燕です。
だからいまの時刻は寝ていないといけないんだけれど――不摂生がたたってほぼ寝られませんでした。
ところで、メールではなくブログでこの文章を読んでおられる方、このブログ、どこか変わったと思いませんか?
具体的には→とか。ええ、ページ右側のアイコン画像を変えたのです。そう――「おっぱい画像」に!
なんとおっぱいの上にブログタイトルを書くという斬新な演出!
「かいえんはっぴーえんどけんきゅうしつ」!
おっぱい! おっぱい!
……えーと、おそらくコラージュ画像にしか見えないと思いますが、ほんとうにおっぱいの上に直接文字を書いてもらっています。そのはずです。
大きな画像はこれ。 -
作劇の秘訣はサスペンスにあり! 天才荒木飛呂彦が語る「エンターテインメントの掟」。(1954文字)
2013-05-23 18:3053pt
ぼくはいたって凡庸な人間だ。そんなぼくの目には世界は限りなく無秩序に見える。しかし、一見カオスなこの世界にも、実は数々の「法則」が存在する。世界を律する鋼のルール。
科学者は様々な自然現象のなかにそういう法則を見出すわけだが、作家は物語になかに法則を発見する。物語をエンターテインメントたらしめる、人間心理に即した不変の「掟」である。
本書は『ジョジョの奇妙な冒険』で知られる不世出の天才作家荒木飛呂彦がその「エンターテインメントの掟」を開陳し尽くした脅威の一冊。
タイトル通り、荒木が色々な映画を取り上げて「ここがいい」「ここがイマイチ」と語っているだけの本なのだが、その語り口が例の「荒木節」で、作品の見方がオリジナルなので、読んでいて抜群に面白い。世に映画批評本は数多いが、まさにひと味もふた味も違う一冊といえる。
何しろ書き手が荒木飛呂彦だから、読むほうは「どんな独自の解釈があるのだろう?」と考えるだろう。本書はその期待に応えているともいえるし、応えていないともいえる。
というのも、荒木はあくまで自分の嗜好にもとづいて作品を選び、語っていて、そこには読者に対する配慮などほとんどないからだ。読者は天才荒木飛呂彦の視点から無数の映画を見、ひたすらにうなるばかりである。
荒木が作品を見るときのポイントは「サスペンス!」、これに尽きる。『ジョジョ』もまたきわめてサスペンスフルな作品だが、その起源はどうやらここで取り上げられた映画たちにあるらしい。
荒木は数々のサスペンス映画から作劇を学び、『ジョジョ』を生み出したのだ。かれによると、よくできたサスペンスは以下の五つの条件を満たしているという。
1.謎。
2.主人公に感情移入できる。
3.設定描写。
4.ファンタジー性。
5.泣ける。
この五条件を満たした作品が荒木的な意味での名作なのだ。この五箇条が具体的に何を示しているのか、くわしいことは本文に譲るが、とにかく荒木独特の価値観に「なるほど」と思わせられる。
この本を読んでいてはっきりとわかるのは、荒木が「世間的な評価、価値観」といったものに何の意味も見出してはいないということである。
荒木にとって大切なのは自分が面白いと思うかどうかであって、ひとが名作といおうが、駄作と貶そうが、そんなことは一切関係ないのだ。
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ディオ・ブランドーの憂鬱。西尾維新は少年漫画屈指の悪役をどう再解釈し再構築したか。(2103文字)
2013-01-16 21:3253pt -
「器」の物語。荒木飛呂彦の場合、庵野秀明の場合、富野由悠季の場合、永野護の場合。(2090文字)
2012-11-22 10:1453pt『ジョジョ』、『ヱヴァ』、『ガンダム』、『ファイブスター物語』、いずれも何十年にもわたって続いている長寿作品であり、これらの作品の作家たちはこの作品を生み出してからは、それ以外ほとんど作っていないともいい切ってもいいと思うのですが、では、かれらは「それしか作れない」作家なのでしょうか。違う、そうではないよ、というお話をしたいと思います。
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