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漫画を真に受けなくて何を真に受けるのだ!
2016-07-11 17:2651pt
茜田千『さらば、佳き日』を読みました。
てれびんが例の動物的直感(一応は動物の範疇だろう)でどこからか見つけ出してきた作品なんですけれど、これは素晴らしかったです。
ひさびさに漫画読んでいてぞくぞくした。
おそらく好みが分かれる作品ではあるだろうけれど、ぼくとしては非常にオススメの漫画なので、ぜひ、この先のネタバレは読まずに買って読んでほしいところ。
まあ、ネタバレしても作品の素晴らしさが色あせることはないにしても、可能ならネタバレなしで読んだほうがいい。
そういうわけで、以下、ネタバレありです。いいですか、ネタバレしますよ?
この物語は、ある男女が新婚夫婦と偽ってひっこしてくるところから始まります。
お似合いの夫婦に見えるふたりは、実は兄と妹。親に黙ってふたりで暮らしているのです。
いったいこの兄妹はどうしてふたりで暮らすことを選んだのか? 恋人のようにも夫婦のように -
積み重なった「成功」を確定させるにはどうすればいいのか。
2016-07-10 02:4651pt
ハリウッド映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観ました。
20年以上前にロサンゼルスに実在したギャングスタ・ラップ伝説のグループの栄光と没落を描いた作品です。
とても面白かったのですが、あまりにも日本人の常識からかけ離れた物語なので、情報なしで見ると戸惑うかも。
とはいえ、あるいはその戸惑いこそが異世界にふれるセンス・オブ・ワンダーということも考えられるので、やはりネタバレ情報は見ないほうがいいかもしれません。
この世に実在する「異世界」をのぞき見してみたい方はぜひご覧になってください。あまりの「ルールの違い」に唖然とするはずです。
ちなみに、くわしいことはペトロニウスさんがブログで解説しているので、そちらをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20150915/p1
さて、黒人文化におけるこの映画の位置づけとか、ア -
「きっと何者にもなれない」人の最後の権利とは。
2016-07-09 13:5651pt
クラスの女子にモテモテになるとか、人気バンドのボーカルになって大スターになっちゃうとか、学校にやってきたテロリストを1人でやっつけてしまうとか、世の中恥ずかしい妄想っていろいろあると思うんだけどさ、
でもどれだけ落ちぶれようとも社会的地位が低かろうとも「無職キモオタが異世界転生してチート能力を手に入れて助けた美少女奴隷たちに感謝されながらハーレムを作る」みたいな妄想っていくら頭のなかの世界でもしてしまったら人としての尊厳に関わりそうっていうか、人間としての『越えちゃいけないライン』みたいなのを越えちゃってる気がするんだよね。
http://anond.hatelabo.jp/20160708004344
この記事を読んですごく違和感があったんだけれど、なんだろうな。
この手の「小説家になろう」批判みたいなものは腐るほどあるし、この記事にしてもべつに独創性はないんだけれど、何かす -
個人の立場が平等になればなるほど、幸福になる才能の格差があきらかになる。
2016-07-02 18:3651pt
いまさらながら永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』を読みました。
すでに各所で話題のこの本、人気のあまり品切れが続き、電子書籍刊行の予定が早まったそうです。
読んでみると、じっさい面白い。30歳を目前にして「さびすぎ」る日常を送る著者が、一念発起して「レズ風俗」へ行きちょっとだけ人生を前進するようすがセキララに描かれています。
セールスポイントは物事を綺麗ごとに落とし込まない点にあるといっていいでしょう。
自虐と自傷でズタボロになっている自分を分析するところから始めて、それならどうすればいいか? どうすれば「人生の甘い蜜」を啜れるのか? と著者が思索を進めていくようすは事実だけがもつ迫力に充ちています。
「レズ風俗」という言葉を見て購入をやめる人もいるかもしれませんが、少しでも気になる方はぜひ読んでほしいですね。
これは歳をとってもまったく大人になれない人間の実
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