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  • リア充幻想の彼方へ。友達さがしラノベは「脱ルサンチマン」に向かう(かもしれない)。

    2013-03-31 13:04  
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     今回からAmazon画像を復活させることにしました。規約にもとづきアフィリエイトは使用していないので、気楽にリンクから飛んで商品を買ってください。
     さて、昨夜、LDさんとペトロニウスさんでラジオを放送しました。たっぷり3時間強、色々なことについて話しあったのだけれど、そのなかでひとつの大きなテーマとなったのが「友達さがし系ライトノベル」の話。
     具体的には『僕は友達が少ない』や『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のことです。ここ最近、タイトルそのものがテーマを表している『ぼくは友達が少ない』を初めとして、「恋人」ではなく「友達」を求める系統のライトノベルがたくさんヒットしています。
     妹との関係がメインになっている『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』にしても、妹の友達さがしが重要な部分を占めていますね。もちろん、その背景には「親友」とか「ほんとうの仲間」を切実に求める青少年読者の欲望があり、『ONE PIECE』なども同じ欲望から生み出された作品だといえるでしょう。
     で、この友達さがし系ライトノベルについて話していた結果、キーワードとして浮かび上がってきたのが「脱ルサンチマン」という言葉。どういうことかというと、友達さがし系ライトノベルは『僕は友達が少ない』に顕著なようにまず「リア充」を仮想敵にして話を組み立てるんですね。
     その作品世界を貫く価値観として、どこかに「リア充」と呼ばれる存在がいて、そいつは幸福と充実を満喫している、それなのに自分(たち)は不幸で孤独で恵まれていないという形で社会を捉えている。
     これはまあ、いままでのオタク青少年たちにとってはごく自然だった社会観ではあると思うのですが、「不幸な自分」と「恵まれたリア充」の二極構造で世界を捉えようとしているわけで、ここにあるものはルサンチマン(恨みや嫉妬)の構造だといえます。
     で、ぼくはどこかで友達さがし系ライトノベルが「脱ルサンチマン」を果たすポイントがあらわれてくるのではないか、と考えているんですね。つまりはこのルサンチマンをもってリア充を眺める視点がどこかで解体されて、「リア充でなくても幸せ」「恵まれていないけれど満足」という物語が出てくるのではないか、と。
     
  • 「リア充でなければ不幸」という考え方の貧しさ。

    2013-03-26 18:41  
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     ちょこちょこ時間を見つけてやっている『レイトン教授VS逆転裁判』がいい感じです。ランドル・ギャレットだとかラリー・ニーヴンだとか、昔から「魔法が存在する世界での本格ミステリ」は書かれてきたわけですが、その最新形といえるかと。
     いまのところ「ルールで定義できるかぎり魔法も本格ミステリの範疇で扱える」という基本を守った展開。結末で大逆転が待ち受けているそうなので、それが楽しみでもあり不安でもあり。まあ、とにかく粛々と進めたいと思います。
     さて、それはともかく今回は「友達づくり系ライトノベル」の話。最近、ペトロニウスさん(@Gaius_Petronius)のオススメを読んで『おれの彼女と幼なじみが修羅場すぎる』(俺修羅)と『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(俺ガイル)の第一巻を電子書籍で購入しました。
     ほしいと思った瞬間には現物が手もとに来ている辺りが電子書籍の素晴らしいところであり、一瞬で入手できてしまいました。まだ読み終わってはいないのだけれど、何しろ読みやすさが命のラノベだからそれほど読むのに手間はかからないと思います。並行してほかのライトノベルも読んでいるので全巻を読み上げるにはそれなりの時間がかかるかもしれませんが。
     注目するべきは後半へ行けば行くほど評価が高くなっている『俺ガイル』。特に第6巻にいたっては59件のカスタマーレビューで平均が五つ星という異常なほどの高評価で、これは楽しみすぎる。いまの学園もののラブコメのなかでは最もホットな一作といえるのではないでしょうか。
     このジャンルの代表作といえば『僕は友達が少ない。』(はがない)になるのでしょうが、『はがない』は構造的にすでに佳境に入っていて、ここから先あまり長く続けると内容が歪むような気がしてなりません。
     何しろ『僕は友達が少ない』というタイトルにもかかわらず、主人公がすでにリア充を達成し、また自覚しているわけですから。この作品の完結をもって、このジャンルもまたひとつのクライマックスを迎えるかもしれません。
     それにしても、このジャンルは、そもそも「友達(仲間)がほしい」という欲望に応えているわけですが、ぼくとしてはそこのところに疑問を感じないこともありません。そもそも「そんなに友達がほしいか?」と思ってしまうわけです。
     これは『ONE PIECE』などを読んでいても思うことで、「そんなに仲間が大切か?」「孤独であることは悪いことなのか?」と考えてしまうのですね。それはたしかに友達とわいわい騒ぐのも楽しいけれど、ひとりでいることもそんなに悪くないんじゃないか、とぼくは思う。
     
  • ひとりも友達がいない12%の人種はどう生きればいいのか。孤独との付き合い方を問う。(2313文字)

    2013-01-15 18:58  
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    『はがない』の最新刊にかこつけた「友達づくり」の記事です。「学校で無理に友達を作る必要はないよ」「世界中のどこかで友達を見つけられればそれでいいよ」というのは、現実にいま悩んでいるひとには救いにならない言葉かもしれませんが、でもぼくの実感です。学校なんてほんとうに狭い。職場も狭い。もっと広い世界に出て、そして仲間を探すことにしましょう。
  • 砕けてゆく日本語。漱石よりライトノベルの方が読みやすいというシンプルな事実を考える。(2332文字)

    2013-01-10 17:44  
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    夜空たん可愛いよ夜空たん。ハァハァ。それにしてもこの画像はニコニコの倫理規定ではありなのだろうか。もしなしだったらどうしよう。まあ、下着は履いているからありだろう。そう考えることにしよう。何をいっているのかわからなくなってきましたが、日本語の変遷に関する記事です。中身はマジメなんだけれど、画像で台無しだよなあ。まあいいや。これはこれで!