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記事 41件
  • いろいろ考えて、決めたこと。

    2020-12-18 01:24  
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     さて。いろいろとまわりにも相談し、また自分でも考えたのですが、記事の本数を減らそうと思います。やっぱり一日に二本も記事を書くと読み切れないよね。どうしても記事のクオリティにもバラつきが出るしね。
     なので、本数を減らして、そのかわり、ひとつの記事のクオリティとボリュームをアップさせるつもりです。週に一本か二本、なるべくハイクオリティでボリュームのある記事を更新する! そういう方針で行こうかと。
     とりあえず、第一弾として「依存症」の記事をアップしようと思います。『クイーンズ・ギャンビット』や『セックス依存症になりました』など、依存症をテーマにした作品は多数あります。
     それでは、依存症とは何なのか? なぜ人は依存するのか? そして、依存から抜け出すためにはどうすれば良いのか? そこら辺を調べて、作品論とともに、来週中くらいまでにまとめておこうかと。
     もちろん、『クイーンズ・ギャンビット
  • 淫靡と背徳のグラフィックノベル版『エルリック・サーガ』について語ってみたよ。

    2020-12-17 22:05  
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     そういうわけで、とりあえず動画の「台本」を一本書いて、動画を配信してみました。むむー。なんかつまらないな。まあ、それは追々改善していくとして、その「台本」をここに上げておきます。以前書いたグラフィックノベル版『エルリック』の話です。
     良ければじっさいの動画と比べてみてください。細かいところがいろいろと違っているかと思います。
    https://www.nicovideo.jp/watch/so37977204
     ◆
     こんにちは、オタクライターの海燕です。今回はグラフィックノベル版の『エルリック・サーガ(1) ルビーの玉座/ストームブリンガー』の話をしたいと思います。
     この動画をYouTubeで見ておられる方は「チャンネル登録」を、ニコニコ動画で見ておられる方はニコニコチャンネルのチェックをお願いします。
     さて、『エルリック』は世界的に有名なヒロイック・ファンタジーの名作です。主人公は一万年も続いている半人類の帝国メルニボネの皇帝エルリック。
     生まれつき白子(アルビノ)で虚弱な体質のかれは、薬物と魔術によってその躰を長らえ、人の背丈よりも巨大なルビーをそのままに象嵌した「ルビーの玉座」に君臨しています。
     しかし、かれは残虐冷酷なメルニボネ人の性に馴染めず、つねに倫理的な葛藤を抱えているのでした。しかも、この物語の序盤でかれは〈黒の剣〉と呼ばれる魔剣ストームブリンガー、嵐を呼ぶもの、ですね、これを手に入れます。
     人の魂を啜る剣であるストームブリンガーはエルリックに立ち上がり戦うための力を与えてくれますが、しかしときにエルリックの意思に反してかれの愛する人々を殺戮していくのです。
     このパラドックスに満ちた設定、そしてその昏い悲劇性、それが半世紀以上も昔、『エルリック・サーガ』をまったく新しいヒロイック・ファンタジーの傑作に仕立て上げたものなのです。
     さらにいうと、『エルリック』の世界では、善と悪、白と黒ではなく、〈法〉と〈混沌〉というふたつの勢力の神々が覇権を競い合っています。
     エルリックたちメルニボネ人は〈混沌〉の神アリオック、古いファンにとってはアリオッチという読みのほうが合うのですが、そのアリオックに忠誠を誓い、しばしばかれにイケニエとして奴隷の身を奉げたりしているようです。
     いいですねえ、この洗練された野蛮さ。メルニボネとか〈夢みる都〉イルムイルという響きそのものが何ともいえないダークなロマンを湛えていますが、絵の形で魅せられるとさらにいっそう魅惑的に見えるようです。
     リベラルな『アルスラーン戦記』あたりにはないこの淫靡さ。陰鬱さ。そう、『エルリック・サーガ』はいまはやっているダーク・ファンタジーの先駆けであるといえるかもしれません。で、このグラフィックノベル版はその世界観をさらに昏く研ぎ澄ましています。
     『エルリック』の原作は、たとえばクラーク・アシュトン・スミスあたりに比べると、意外にあっさりしているというか、もうひとつ頽廃具合がすっきりしているところがあるのですが、このグラフィックノベル版はガチです。
     それはもう、デカダンスとエロティシズム、その窮みといっても表現が為されています。好き。もう、大好き。こういうのが見たくてオタクやっているんだという感じですね。
     見てください、この禍々しい美しさ。メルニボネの邪悪で残酷な人々の生活がじつに耽美にエロティックに描き出されています。ぼくはこの手の雰囲気がほんとうに好きでねえ。邪悪とか暗黒とか聞くとわくわくしてしまう、そういう性格なのです。 
  • 動画配信で成功するためのコツとは?

    2020-12-17 17:16  
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     動画配信を再開しました。とりあえずYouTubeとニコニコ動画に2本ずつ上げてみました。いまのところまったくアクセスは稼げていませんが、これから改善していきたいと考えています。  DaiGoさんとか岡田斗司夫さんの例を見てもわかるように、ニコニコチャンネルで会員を増やすためにはやっぱり動画や生放送をうまく使うことが必要であるように思えるのですよね。
     ただ、まったく無名のうえ、しゃべりもあまり上手くないぼくが動画や生放送で頭角を現すのはきわめて困難ではあるでしょう。そこをどうすれば良いのか悩んでいたところ、このような本と出会いました。
     いとうめぐみ『YouTube登録者数1万人を突破する秘訣』。この手の大きな数字を出したタイトルの本は枚挙にいとまがありませんが、これは良かった。YouTubeでお客さんを増やすための具体的な手順が素晴らしくていねいに書かれている。
     重要なのは「台本」を書きなさい、というところですね。この本によれば、ある程度までの動画において、より大切なのは「編集」より「台本」です。「台本」に手間をかけるほうが「編集」でどうにかしようとするよりも有効だということ。
     それも大切なのは「話の細かな内容」というより「話の順番」である、ということが刺さりました。ようするに構成ですね。ぼくは文章を書くときでもいまひとつ構成力がないほうなので、そこは注意したいと思います。
     これは脚本がダメな映画はどう撮影してもダメ、という法則に一脈通じるところがありますね。あたりまえといえばあたりまえのことなのかもしれませんが、目からウロコでした。
     「台本」を用意するにはそれなりの手間はかかるけれど、たぶん何げなく流すより話のクオリティはアップするはずで、まあ、そこは頑張るしかないですね。 
  • 「ずっとやめたいこと」をやめるためにはどうすれば良いのか?

    2020-12-16 21:47  
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     あ、しまった。きのう、更新を忘れていた。連続更新記録が途絶えてしまった。まあいいか……。どうもこの一週間ほど、たるんでいるなあ。記事の内容もいまひとつ冴えていない気がするし。気を緩めず、続けていきましょう。
     さて、きょう取り上げるのは『ずっとやめたかったこと、こうしてやめられました。』という本。タイトルだけでもわかるかと思いますが、「依存」がテーマのエッセイ漫画ですね。
     「ずっとやめたかったこと」=「やめたいのにやめられず、依存していたこと」をどうにかして解決した人たちに取材し、一冊に仕上げた本です。
     以前にも書きましたが、ぼくはこの依存というテーマにものすごく関心があって、そもそも人はなぜ依存症に陥るのか? その点を知りたいと思っているのです。
     で、この本にはいろいろな形で依存を抱えている人が出て来るのですが、それらを通してみているとやっぱりひとつのパターンが見えて来るように
  • いまが旬の百合ライトノベルを紹介するよ。

    2020-12-14 18:50  
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     平坂読さんの新シリーズ『〆切前には百合が捗る』の第一巻が発売されたので、さっそく購入、読んでみました。しばらくまえから小説投稿サイト「カクヨム」で連載されていることは知っていたのだけれど、本になるのを待っていたのです。
     ドストレートなタイトルからわかる通り、「ライトノベル作家×百合」もの。田舎の高校にかようある女の子が、ついつい自分がレズビアンであることをカミングアウトした結果、そこに居づらくなって家出、東京に飛び出して美貌の女性作家の家に居候することになるところから始まるストーリー。
     いやー、さすが平坂読、今回も安定して面白い。よくできている。冒頭からすらすら読めてひっかかるポイントがない。これね、ラノベならあたりまえであるように思えるかもしれないけれど、なかなかできることじゃないのですよ。
     ぼくは自分の文章力をどうにか鍛えた結果、最近は一定水準以下の拙劣な文章を受けつけない哀しいカラダになってしまったのですが、平坂さんの文章には拒否感が出ません。乱暴に書いているように見えて、きちんと基本を押さえているということだと思う。
     平坂作品のフォントいじりのページなどを取り上げて「これだからラノベは」とかいい出すダメなアンチもいるようですが、それはまったく無意味な意見だと思いますね。
     だって、平坂さん、ふつうに文章が巧いもの。わからないんですかね。わからないんだろうなあ。
     まあ、シロウトに文章の良し悪しがわからないのはしかたないとしても、そのレベルで他人の文章力を語らないでほしいのはありますね。それがインターネット、といえばそれまでですが。
     で、この『〆切前には百合が捗る』で面白いのは、先述したように主人公がはっきりと「レズビアン」としての性自認を持っていることです。
     わりと百合作品では自分が同性愛者なのかどうかあいまいな認識のキャラクターが多くて、それはそれで良いのだけれど、この作品では主人公ははっきりと「わたしは同性愛者だ」と認識していて、それが物語に関わってきます。
     ある意味では当然のことながら、同性愛者に対する差別や偏見も登場する。通常の百合作品ではわりと避けられがちな生々しいところに踏み込んでくるあたり、いかにも平坂さんらしいな、という気がしますね。
     平坂さんはぼくが新作が出るたびにかならず買って読んでいる数少ないライトノベル作家のひとりなのですが、ライトノベルの常道からは少しずれたところがあるかもしれません。
     もう話が「大人の世界」に足を踏み入れていて、そこら辺の生々しさが避けられなくなっているのですよね。
     ちなみに『〆切前には百合が捗る』は前作『妹さえいればいい。』と共通する世界が舞台で、同じキャラクターも少しだけ出て来ます。あまり大きな関係はないかもしれませんが。
     さて、この作品もそうなのですが、この頃、ライトノベル界隈における百合ものの躍進は目覚ましいものがあります。少しまえには「女性主人公のライトノベルは売れない」とかいわれていたのがウソのよう。
     まあ、すでに『スレイヤーズ』とかあったわけで、この手の「定説」とか「常識」って、ほんとうにまったくあてにならないなあと思ってしまうわけですが……。
     さて、いま、百合はラノベのなかのワンジャンルとして完全に定着した感があります。アニメ化された『安達としまむら』などもそのひとつですが、やはり何といってもみかみてれんさんの活躍が目立つところでしょう。
     いままで 
  • 『天使』と『小鳥たち』を併せて読む贅沢。

    2020-12-13 17:34  
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     いま、緩やかに読み進めている『リテラリー・ゴシック・イン・ジャパン』に収録されていた「就眠儀式」が途方もなく素晴らしい吸血鬼ものの掌編であったので、須永朝彦の傑作選『天使』を手に取ってみることにしました。

     二十編の掌編が収録された一冊で、いずれも美貌の吸血鬼や天使といったモティーフをもちいたいわゆる「耽美」な幻想文学なのですが、その完成度は異常に高い。
     たった一冊の本が、どのようにしてその美の達成によって猥雑な現実世界と拮抗するのか、典型を見せられている想いがします。
     もし一手を誤れば他愛ない冗談に堕ちかねない耽美と闇黒の世界を、本当にこの上なくうつくしい言葉で綿々と描き出しているのです。
     いわゆるショートショートとは異なり、別段、物語として何が面白いというものでもないのですが、その昏い美の趣きの深さはくり返し読み返すに値すると感じました。三島由紀夫や中井英夫の跡を追う作家の一
  • これがいま面白い漫画だ! 最近注目の作品を並べてみたよ。

    2020-12-13 01:41  
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     どうも最近、漫画ばかり読んでいるな……。いや、前々から読みたかったバタイユの『エロティシズム』についに手を出したりもしているのですが、さすがにフランスの哲学書らしくなかなか晦渋で進まない(でも、思ったよりは読みやすい)。
     そこでブログのネタ探しをかねて色々と漫画を読んでいるわけです。そう、いわばこれは仕事! ワーク! なんて生産的なんだ! と、自分をごまかし終えたところで何本か漫画を紹介しておきます。
     まず、かずまこを『ひねもすふたり』。対人恐怖のひきこもり男性と高校生の少年の友情コメディ。ボーイズ・ラブになりそうでならないところが面白いですね。いまどきこの設定で友情に留まるのはめずらしい気がする。
     かずまこをさんは教師×生徒百合の佳作『純水アドレッセンス』や純情恋愛ものの『ディアティア』など読ませる漫画を描いている方で、かなり注目して追いかけています。
     最新作は『ディアティア外伝』の『メビウスハート』。でも、この漫画はちょっとぼくの趣味じゃないかも。いや、面白くないわけじゃないのだけれど、話とはべつのところでこんな男やめておいたほうが良いんじゃない?という気がしてしまう。
     この男、ぼくの好みじゃないんだよなー。どうもぼくは「ちょっと意地悪な彼」みたいな設定が好きじゃないらしい。恋人に対してはきちんと優しくする男が好きです。いや、まあ、どうでもいいけれど。
     で、次は『趣味のラブホテル』。これはラブホテルをテーマにしたオタク女子と両性具有の天使(!)のラブコメディ。話の内容もそこそこ面白いのだけれど、実在のラブホテルが出て来るところが魅力でしょうか。いやー、ラブホテルというのもいろいろあるのですね。
     その次は『せんせいのお人形(4)』。大安定の傑作シリーズの最新巻。成長いちじるしいスミカの魅力が大爆発。いやあ、このシリーズは良いなあ。ぼく的に今年のベストかもしれない。
     まあ、完結巻まで読んでみないと何ともいえないので確実にベストとまではいえないけれど、今年トップクラスの見つけものなのは間違いない。未読の方は万難を排して読んでいただければ、と思います。
     ちなみに単行本は売れなかったらしく、この巻から電子書籍オンリー。なぜだ! 本のセールスとはわからないものですね。
     次。『おじさんが女子●生に悪いことを教える話』。えーと、タイトル通りのお話です。ある女子高生と、知りあいのおじさんが、夜な夜な悪いことを繰りひろげるという、そういうお話。げへへ、たまらんのう。
     まあ、ネタバレしておくと、じつはいやらしい方向に悪いことじゃなくて、ただのゲームや夜食でした、というオチがくり返される作品です。この漫画を読んでいると自分も悪いことをしたくなってしまうところが問題ですね。
     ぼくの場合、いい歳のおっさんなので悪いことをしてもだれも止めはしないのだけれど、まさにそれだけにヤバい。自分で自分にストップをかけないとどんどん「悪の道」に転がり落ちてしまうのです。夜中にポテチ食べながらNetflixを見るとかな!
     で、その次は『映画大好きカーナちゃん』。『映画大好きポンポさん』から続くこのシリーズの第四弾ですね。今回も安定して面白い。
     さすがにここまで来るといくらかワンパターンになってきたようにも思えますが、映画ファンでもそうでなくても楽しめる痛快な一作であることはまちがいない。
     どうもぼくは昔から映画ファン(シネフィル)という人種が好きになれないのですが、こういう素直な映画好きなら仲良くなれそうではあります。
     何だろ、知識を衒うタイプのシネフィルが嫌いなのかな。固定的な「良い映画」、「悪い映画」があるという考えがそもそも我慢できないのかもしれない。ほかのジャンルでもそういう思想はあるけれど、映画では特に顕著じゃないですか?
     映画といえば、『アレンとドラン』も少し面白い。サブカル(サブカルチャーではない)マニアの女子大生を主役にした一風変わったラブコメディ。マニアックな映画のタイトルがたくさん出て来ます。
     でも、この子、サブカル好きなわりにはわりとふつうの感性のもち主だよなあとも思ってしまうのは、それはサブカル好きに対するぼくの偏見でしょうか。いいんだけど。いいんだけどね。もっと変人を期待してしまう。
     その他にも『葬送のフリーレン』、『チ。-地球の運動について-』、『わたしは壁になりたい』、『メッセージ』&『スフィンクス』、『Fate/Grand Order  -Epic of Remnant- 深海電脳楽土 SE.RA.PH』あたりを読んでいますが、これらは個別記事で扱いたいと思います。
     このなかでも『チ。』は怒涛の展開を予感させる注目作です。来年の『このマンガがすごい!』がランクインまちがいなし。いまのうちから読んでおくとあとで自慢できるでしょう。
     まだ第一巻なので 
  • なぜ『赤毛のアン』はいまなおたくさんの人々を魅了するのか?

    2020-12-12 17:02  
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     Netflixで『アンという名の少女』を見ています。原作はあの『赤毛のアン』。いわずと知れた少女小説の永遠の名作です。  ただし、この場合の「少女小説」とは、「少女を主人公とした小説」のことであって、「少女向けの小説」というわけでは必ずしもありません。というのも、『赤毛のアン』の原作小説はあくまで大人向けに書かれたものだからです。
     それが日本では「少女向けの小説」として定着したのは、あの高畑勲監督による非常に出来の良いアニメーションの影響があると思うのですが、とにかく原作は狭い意味での「少女小説」に収まるものではないのです。
     それ故に本文には聖書やシェイクスピア作品の膨大な引用が含まれ、それはいまでも研究されているほどです。
     しかし、もちろん、『赤毛のアン』がそのような学術的なことを一切知らなくても問題なく楽しめるきわめてすばらしい作品であることは論を俟ちません。
     世界的に人気を集める『赤毛のアン』シリーズではありますが、殊に日本ではものすごく熱狂的なファンがたくさんいる状況で、いまも新訳のシリーズが出版中です。
     おそらく日本でいちばん有名なカナダ人は、トルドー首相ではなく、このアン・シャーリーという名の架空の女の子なのでしょうね。
     ドラマ版はきわめて斬新な解釈を散りばめつつ、一方で 
  • なぜ表現規制は創作市場を殺すのか。

    2020-12-11 16:48  
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     今月号の『ニュータイプ』掲載の『ファイブスター物語』を読みました。ストーリーは先月から詩女マグダルを主人公とした第17巻収録予定のエピソードに移っており、じっさい、辺境の衛星カーマントーにおける彼女の過酷な日々が描かれています。
     しかし、今月最大のトピックはそこではなく、マグダル及びデプレの従弟である剣聖マキシ登場に尽きるでしょう。マキシはジョーカー星団最強の騎士であり、成人したのちは凄まじい戦いをくりひろげ、最終的には昇天して「神」となった人物。
     しかし、この時点ではまだただの少年に過ぎません……いや、この時点ですでに一般的な騎士たちが束になっても敵わない圧倒的な実力を秘め、しかもまともな道徳、倫理が欠落した狂気ともいえる性格をも備えているようですが。
     『ファイブスター物語』にはいろいろな「悪人」、「狂人」たちが登場します。騎士として強大な力を持っているためにだれにも止められない殺人鬼など、アマテラスのミラージュ騎士団には何人もいますし、そのくらいはむしろ「普通」なくらいです。
     しかし、マキシの「狂気」はそういった殺人淫楽症とすらまったく違っているようなのです。人としての倫理を一切有していないかれはある意味では純粋です。
     殺人や強姦は「悪いこと」であるというその前提すら持っておらず、その超帝國の血を表すうつくしい顔で平然と「おかあさんに子供を生ませるのはお前じゃない、ボクだよ」などというとんでもないセリフを吐くのです。
     はたしてこの先、かれがどのようにして成長し、超帝國剣聖たちをも凌ぐジョーカー太陽星団の文字通りの最強騎士として勇名を馳せるようになるのか、注目です。
     それにしても、まわりが注意していないとあたりまえのようにじつの母親を犯したり殺したりしようとするマキシ、『ファイブスター物語』史上でも屈指のやばいキャラクターなのではないでしょうか。あのバランシェをも凌ぐかもしれません。
     そのマキシが神となって「この世に残した願い」を「奇跡」という形で叶えようとするエピソードがこの後にあるはずなのですが、いったい何が起こるのか楽しみでなりません。相当にものすごいことが起こるということなのですが、何だろうなあ。
     『ファイブスター物語』の凄いところはこういう世間の常識をも道徳をも完全に無視してしまう「自由さ」、それに尽きますね。この作品を読んでいると、やはり過剰な表現規制なんてことをしていてはダメだなあ、とあらためて思います。
     赤松健さんもインタビューで語っていますが、日本の創作のつよみは表現規制がゆるいところにあります。

     海外は強い表現規制があるのに対し、日本は規制が緩やかなので画期的なアイディアや過激な表現が生まれやすいのです。中国や韓国の作品はマニュアルを真似て上手なのですが、『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』など読者に広くインパクトを与える作品は少ないと思います。
    https://www.bunkanews.jp/article/225423/


     もし日本が海外に倣って表現規制に踏み切れば、 
  • オープンワールドRPGはゲームドラッグ。

    2020-12-11 03:01  
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     たびたびの延期を乗り越えてようやく発売された『サイバーパンク2077』ですが、表現規制が入らないPC版をプレイするには相当なマシンパワーを必要とするです。
     ぼくの機体ならたぶん動くのではないかと思うけれど、ゲーム中に何度もクラッシュするという評判もあり、とりあえずは買い控えています。
     うーん、とりあえず『アサシンクリードヴァルハラ』をやって飢えを凌ぐかな。でも、こちらはPCでも表現規制がひどいらしいんだよなあ。せっかくのダークなゲーム体験を台なしにする表現規制には大いに不満があります。
     そういうわけでとりあえず手持ちの未クリアゲームをやろうと思っているのですが、何しろ序盤で放り出したもの、まったくの手つかずのものを含め大量の積みゲーがあるのでどれから手を出して良いやらわからない感じ。
     じつは