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市場潮流
2019-10-21 17:50今週(10月15~18日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で693円81銭上昇し(率にして3.2%の上昇)、2万2492円68銭で取引を終えました。2週連続の上昇です。 米国と中国の両政府が11日(金)まで開催した貿易協議で部分的な合意に達したことを好感し、連休明けの東京株式市場は大幅に上昇。ただ、週末にかけては、短期的な過熱感も浮上し、上値が重くなりました。 週初の15日(火)は上記の要因により、短期筋による株価指数先物の買い戻しなどを交えて株価は上昇。日経平均株価は前週から3日続伸し、前週末比408円高となり、約3週間ぶりに心理的な節目である2万2000円台を回復。続く16日(水)も前日比265円高となり、日経平均株価は年初来高値を更新しました。17日(木)は、さすがに21円安と小幅反落。18日(金)は40円高で取引を終了しました。 国内主要企業の19年度2Q決算が発表されつつあ -
為替市場動向~ついにBREXIT?~
2019-10-18 01:43台風19号の犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、被害に遭われた多くの皆さまには心よりお見舞い申し上げます。早く日常が戻りますように。 今回の台風では、今まで経験したことがない恐怖を個人的にも身近に感じました。 台風19号が過ぎ去った連休明けの市場では(台風被害に比べたら小さな事象ですが)、米中の貿易協議の一部合意が、欧州ではBrexit交渉で進展ありとの情報が伝わりました。両方とも正式なものではないにもかかわらず、前向きの解釈、先取りのリスクオンが復活。さらに、中国製品への関税率引き上げ見送りが好感され、日経平均株価は、月初から連休の週末をはさみ、大きな窓を開けて一気に22000円台半ばへ。ショートカバーのパワー? 一方、為替市場では、リスクオン時の反応である円安ドル安の動きになりました。 が、何と言ってもトピックは、英ポンドの急上昇! ポンドは、先週末比約1%高、月初 -
為替市場動向~すべては米中次第?~
2019-05-31 02:09米中貿易問題、EU議会選挙、BREXIT関連のニュースがヘッドラインで目立つ中、長期金利の低下が主要各国で進んでいます。 米国債10年もの利回りは、2.3%を割り込み、直近では2.24%まで低下。これは、2017年10月以降の水準。これは、政策金利の実効レベルである2.4%を下回り、ここだけ見ると逆イールド状態になっています。 一般的には、景気後退予兆のサインとしては2年物vs10年物利回り(直近は、+0.13BP)とされてきましたが、ここへ来て、超短期金利と長期金利の比較も取りざたされるようになっているのは、利下げ期待に加えて、昨今の長期金利の低下の背景には、やはり景気後退入りが近いのでは?という心理が見え隠れしているのかもしれません。 先週5月22日に、5月のFOMC議事録が公開されました。 注目されたのは、金利面のことよりもFRBのバランスシートにある国債ポートフォリオの再構築につ -
為替市場動向~重要イベントも続く10連休~
2019-04-26 00:50中国の予想以上に良い経済指標を受けてリスクオンも見られるマーケットですが、欧米は先週末にイースター休暇。続いて、今週末からは日本の10連休と、何かと方向感が出にくい相場です。 日本のGW10連休中には、米国ではFOMC、4月の雇用統計発表といった波乱の可能性があるイベントが控え、ポジション調整中心の様子見気分が強い展開です。 今年の年末年始、特に正月にドル円相場が、瞬間的に大きく円高に振れた経緯から、前代未聞の10連休中の市場リスクオフによる円高リスクが警戒する声も聞こえます。 10連休中の市場に波乱のインパクトを与える可能性大と思われる重要イベントのスケジュールを以下に挙げてみます。 1)4月26日(金)米国 2019年1~3月期のGDP速報値 2)4月30日(火)~5月1日(水)の5月FOMC 3)5月1日(水)米国 4月のISM製造業指数 4)5月3日(金)米国 雇用統計 1)3) -
為替市場動向~なかなか決まらないBREXIT、米中協議~
2019-04-17 10:294月第2週央。東京は冷たい雨。今年は長く楽しめた桜も散る頃合いとなったようです。 4月に入り高値圏の株式市場は昨日は軟調に、ドルもやや軟調に推移となりました。 昨日、IMF(国際通貨基金)が世界成長見通しを3.3%に引き下げ。 今年3度目の引き下げで、2009年の金融危機以来最低数値への修正だったことや、米トランプ大統領のEU製品110億ドル相当への関税をかけるとツイートで呟いたことも影響したものと見られます。 米国も日本も株式市場が高値圏に来ていたので、利益確定の理由でもあったでしょう。 また、米国の経済指標では、2月のJOLT求人件数が昨年の4月以降で最低だったことも芳しくないニュースでした。 今年に入ってからの米国経済指標は、政府閉鎖の影響が暫く残り、その後も強弱入り乱れ、決め手に欠けるものが多く見られます。 先週末に月初恒例の前月(3月)の米国雇用統計が発表されました。雇用者数は -
為替市場動向~FRB更なるハト派色~
2019-03-30 02:19主要国の中央銀行がハト派化。と、当コラム前号でも記しましたが、先週行われた米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会FOMCでの決定は、市場予想以上に、それを色濃く表明しました。 今回のFOMCの主な決定事項は、政策金利の現状維持(2.25~2.5%)で市場予想通りでしたが、注目されたのは以下2点を示唆したことでした。 1)2019年2回の利上げ予定を見送り(2020年の1回は据え置き) 2)2019年9月末にて、バランスシートの縮小を停止する方針 2)に先立ち、5月から米国債保有分の縮小を300億ドルから150億ドルに半減を決定。 1)2)は、市場が予想以上のハト派度でした。 FOMC後のパウエル議長会見では、景気見通しは変わらず「ポジティブ」との発言。 一方でFOMC経済見通しは12月の数字から下方修正(例えば、実質GDPは2.3から2.1、失業率は3.5~3.7 -
為替市場動向~どちら様もハト派化~
2019-03-16 12:38より多くの人が納得する結論を出すための多数決という民主制のシステム。 英国のEU離脱に関する(BREXIT)法案議論で結論が出ない英国議会を見るにつけ、多数決の難しさを感じます。 3月29日のEU離脱予定日を2週間後に控え、欧州議会のあるストラスブールに飛んだメイ首相が、11日にEUとの間で「法的拘束力のある変更」修正案で合意したとの報を受け、通貨ポンドは上昇したのも束の間、法案を持ち帰った英国議会では否決で、ポンド下落、と乱高下。 議会採決日の直前で忍耐強く修正案を纏めたメイ首相でしたが、残念な結果です。 あとは、合意なき離脱なのか?延期するのか?の議会投票が今日明日に予定されています。 合意なき離脱案の可決はないとは思いますが、延期要請案になったとしてもEU側に承認されることも必要ですし、仮にEUもOKしたとしても、EUユンケル議長が「政治に2度はあるが、3度目はない」と -
為替市場動向~やっぱりドル高?~
2018-11-30 16:28
今週30日から開かれるG20首脳会議。そこで予定されている米中首脳会談を控えて、為替市場は会談結果を見極めようとするポジション調整も入っているようです。しばらく緩んでいたドルも上方へ戻し、今朝はドル全面高で始まりました。 米中首脳会談に関しては、米中協議再開に向けた合意といった小さな成果を得られる可能性はあるかもしれませんが、大きな成果は期待薄とする見方が大方と思われます。ただ、期待薄な分、万が一、重要な成果が挙げられれば、ポジティブ・サプライズでの反応は大きくなりますので、週末のポジション管理には気を付けておきたいものです。 11月8日に114円台を示現したドル円相場。主にドル金利高を背景に、米ドル全面高基調が続いてきました。12月のFOMC(連邦公開市場委員会)での今年4回目の利上げもほぼ織り込んでいました。ところが、昨今、FRB当局者からの利上げへの慎重な発言(慎重、と市場 -
為替市場動向~円金利の底は見えた?~
2016-08-12 16:33期待過熱で迎えた7月末の日銀の金融政策決定会合。 出たら仕舞い? 出なければ売り?との声も聞こえていましたが、出てきたのは日銀によるETF買い入れ額6兆円へ(これまでの約倍額!)という株価支援 策でしたが、市場は、「次回の決定会合でこれまでの経済、物価動向や政策効果に『総括的な検証を行う』」という部分に大きく反応しました。 この『総括的検証』に対する解釈により、Brexitショックの緩和と新たな政策期待で過熱していた相場は、冷や水がかけられた格好になりました。 そして、それに追い打ちをかけたのが、その後発表された第2四半期の米国GDP数値の下振れで弱気が先行、ドル円相場は一時101円を割る場面もありました。 8月4日に英国中銀の量的緩和パッケージは好感され、下値は支えられた格好にもなりましたが、大きく反転するきっかけになったのは、先週金曜日発表の7月米国雇用統計で非農業部門の雇 -
為替市場動向~政策へのアツい期待の先は?~
2016-07-28 14:45Brexitは当初のショック症状がおさまり、今後の動向と影響を見ていくというプロセスに入りました。その後の市場の関心事は、日本の参院選後の景気対策大規模化への期待に移り、株安や円高の修正へと繋がりました。 参院選で自民党が公約に掲げた「アベノミクスの加速」は、自民党大勝により、大規模な景気対策、日銀追加緩和政策を具現化していくという連想を呼び、市場での憶測は徐々に景気対策規模もエスカレートしていった感があります。 折しも、来日していたバーナンキ前米FRB議長と日銀総裁、安倍首相が会談していたことが、日銀による新たなヘリコプターマネー政策を連想に繋がりました。 ヘリコプターマネー説については、先週末に黒田日銀総裁が英国放送局とのインタビューで否定して、上昇していた相場の巻き戻しにもなりました。また、先 週末からの巻き戻しは、7月27日米FOMCや7月29日の日銀政策決定会合を前にし
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