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記事 29件
  • 時価総額の行方

    2023-10-12 11:46  

     私事で恐縮ですが、10月5日は数年前に亡くなった筆者の父の誕生日です。 振り返れば中学生の頃、暇な時には父の書斎へ行き並んでいた東洋経済のバックナンバーを読んでいたことを思い出しました。中学生ごときに理解出来る記事は少なかったはずですが、何となく大人の仲間入りをしたような気分に浸って、父の傍で本を開いていた記憶があります。 それが社会人2年目頃だったか、日経だけでは物足りなく、経済誌くらい読まねばと過去を思い出し、週刊東洋経済の購読を申し込みました。 懐かしい話(どうでも良い余談、笑)で恐縮ですが、その定期購読が40年近くも続いていることを感慨深く感じる昨今です。 読者の皆様にも様々な(今でも続いている自分だけの)長く続くストーリーがあるのではないでしょうか。 さて、「何故、時価総額が増えない」と書いた昨年9月15日のコラムを読み返していましたが、あれから1年。株式市場は様変わりと感じ
  • 有料メルマガライブラリから(486)「今年の運用成績に固執せず来年を見据えて投資対象を選びたい」

    2023-07-27 13:09  

     有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=コラム「今年の運用成績に固執せず来年を見据えて投資対象を選びたい」= (有料メルマガ第306回・2014/12/2配信号)※2014年2月現在の内容です。留意してお読み下さい。【前略】― どうしてこれほど低PERのまま(=業績に比べて割安に)放置されているのかと不思議に思っていた企業の株が、いつの間にか10%、20%と上昇していることに気づくことが増えてきた。低PERを銘柄選択のための最重要指標として位置付けても良いと判断した ― 企業の株価が上がる理由はいくつもあります。しかし株価が上がる理由をた
  • PBR1倍の東証改革に思う

    2023-04-27 13:01  

     「PBR1倍割れは経営の怠慢である」という主張に同意しかねる経営者は多いと思います。 PBRは簿価ベースのBPS(一株純資産)と株価との対比ですので、簿価がどうなっているのかは企業ごとに違うわけですから。1990年に起業した会社はデフレで資産価値が棄損しているでしょうし、1900年に起業しそのまま土地を洗い替えしていないような会社ならば実質的な資産価値は簿価を超えるでしょう。 同時に、そうしたことと無関係に「PBR1倍割れはけしからん」と言わざるをえない東証の立場もよくわかるのです。 東証も苦しいのです。 なぜならば彼らはインデックスの付加価値の底上げをしたいわけですね。 1年ちょっと前にプライム市場をつくったものの、東証1部とあまり顔ぶれが変わらなかった。 中途半端な市場を新しく作ってしまっただけだったのではないか? そのような外部の批判にさらされたのです。 そこで東証は上場先にPB
  • 3つの投資尺度から見た日本株

    2022-08-18 13:14  

     これまで急激に続いてきた米国のインフレ鈍化(消費者物価指数よりも生産者物価の低下)を背景に米国の株式相場が急上昇してきたことを背景に日経平均も2万8500円台まで戻ってきた。上げピッチからすれば3万円台乗せも近いとの観測が出てきそうだが、果たして今後の相場展開はどうなるのだろうか。 お盆休みながら株式相場は案外強いとの印象で今後の動向に関心が高まる状況なので今回は少し現状の日本株の位置づけを確認しておきたい。 日経225は現在、PER12.9倍、PBR1.17倍、配当利回り2.42%の水準にある。 これに対してプライム市場(1838銘柄)はPER13.8倍、PBR1.2倍、配当利回り2.31%でほぼ日経225と同じ水準にあると言える。 また、スタンダード市場(1451銘柄)はPER15.1倍、PBR0.93倍、配当利回り2.18%、グロース市場(482銘柄)は109.7倍、PBR3.9
  • 取り残された銘柄群

    2021-11-18 14:33  

     今年も残り1か月半となりました。皆様の運用成果はいかがでしょうか。 株価上昇銘柄をお持ちの投資家にとっては良い成果を残せたでしょうし、株価下落トレンドが続く銘柄を多く抱えておられる皆様にとっては悪い結果がもたらされたものと拝察されますが、そうした状況があっても株式投資はロングランで成果を上げていくものだと理解されれば、来年に向け希望も持てるかと思います。 問題はなぜ株高となったのか、なぜ株価が下落したのかという背景をしっかり認識しているのかということになります。 株価の上昇には市場参加である様々な投資家の評価がポジティブでないとなりませんし、業績の成長が基本的に実現しているか今後見込まれるものである必要があります。一方の株価下落に至るのはネガティブな業績結果とそれに基づく未来への不安感が背景になっていると考えられます。 全体相場はマクロ経済の影響を受けがちですが、個別銘柄の株価は企業ご
  • バリュー株の出番はいつか

    2021-11-04 22:22  

     3800余りの国内上場企業の中から選定した銘柄に投資されて成果を上げようとされておられる皆さんにとって、銘柄選択の良さが成果を高める重要なポイントになることは自明です。 株式投資の基本は成長株投資。長期的な業績向上を成果の根源とすることが基本と言えます。一方で安定した成長を得られない企業は業績(利益)の変動で時に投資家の信頼を得られずに評価を下げてしまうことになります。 IPO後に成長企業としての評価がなされてもその後の業績停滞変動によっては評価を落とすことになります。 成長の結果として内部蓄積された利益はバランスシート上に現預金や次の成長に向けた設備等の固定資産として計上されていきますがそれが利益に結びつかないのが日本の多くの企業と言えます。結果として企業のROE低下(8%以下)となり投資家の評価が大きく下がってしまいます。 欧米に比べ日本企業のROEの低さがかつてより問題になってき
  • 有料メルマガライブラリから(394)「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(7)」

    2021-09-02 15:27  

     有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=コラム「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(7)」= (有料メルマガ第358回・2015/12/1配信号)※2015年12月現在の内容です。留意してお読み下さい。【前略】 本日はPBRについて考えます。 繰り返しになりますが、投資の指標はあくまでも物指しに過ぎないことを忘れないようにしたいものです。 まずは指標に対する私の考えを書きます。■私が指標を使う前にまず心に刻むようにしていること。 指標を使うときは、指標はあくまでも物指しであり、それ以上のものでないことをよく理解しておく必要があります。
  • 有料メルマガライブラリから(392)「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(5)

    2021-08-21 00:59  

     有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=コラム「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(5)」= (有料メルマガ第356回・2015/11/17配信号)※2015年11月現在の内容です。留意してお読み下さい。【前略】■投資の指標はあくまでも物指しに過ぎない。~利用するにしても指標が安いから株価が上がるのが当たり前とは考えない。~そのことを認識した上で利用すれば、けっこう役に立つことも多い。〇指標コレクションを趣味にするのはやめて、しっかり使いこなしましょう。 投資指標でもテクニカルチャートでも、指標のコレクションを趣味にしている人がいます
  • 投資のモノサシ

    2020-11-04 17:37  
     多くの投資家にとってなじみのあるPER(株価/EPS)という投資のモノサシ(尺度)がある。 モノサシと言っても最近あちこちで店舗ができ始めた事務キチのような文具店で売っている訳ではない。皆さんの頭の中にある投資する際の参考となるスケールだ。 株式市場の歴史の中で多くの投資家に使われてきたこのシンプルなモノサシは壊れていて使い物にならない。企業の先行き(足下の収益、将来性、衰退か成長か)がとても不透明なためだが、投資家が発行済みの株式のうち、市場内で浮動している株式を売り買いする際にその判断材料とする場合の尺度(他にPBRや配当利回りがある)の一つであるが、コロナ禍で足下の利益が見えない時代なのであまり当てにならないモノサシとなっている。 シンプルな投資尺度であるPERが銘柄ごとに違っていることはご存知の通り。企業の収益性や成長性には違いがあるからPERも違っていて当然。 現在の市場全体の
  • 市場潮流

    2020-05-20 00:16  
     今週(5月11~15日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で141円62銭下落し(率にして0.7%の下落)、2万37円47銭で取引を終えました。3週ぶりの下落です。 週初の11日(月)は、前週からの流れを引き継ぎ、新型コロナウイルスの感染拡大ペースの鈍化に伴う経済活動再開への期待を背景に、日経平均株価は前週末比211円高と前週から3日続伸となりました。 しかし、翌12日(火)からは、新型コロナウイルスの二次感染への懸念、米中対立の再燃への警戒、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言に伴う米国景気への先行き警戒感などが浮上。日経平均株価は3日続落しました。ただ、週末の15日(金)は、日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れ観測などを支えに4日ぶりに反発。前日比122円高で取引を終えました。 国内主要企業の決算発表が続いていますが、経済活動の人為的な停止などの影響で、総じて厳しく、