• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 3件
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その8

    2020-12-03 14:54  
    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/12月号連載記事■その8 バフェットは握手だけで数千億円の取引をする●定量的分析と定性的分析 私が企業への投資をはじめたときには、「定量的分析」に頼っていた。 「定量的分析」とは、決算書などに記載された数字そのものを分析することである。確かに、企業の事業やビジネスの本質を十分理解していない段階では、「数字」というものは極めて便利である。素人でも容易に扱え、一定の公式を当てはめれば小学生でも百戦錬磨の投資家でも同じ結果を得ることができる。 投資の神様・バフェットの師匠であるベンジャミン・グレアムは、定量的分析を中心に行っていた。1929年のNY株価暴落で、彼も大損をし、その反省から、自分の欲目で企業を過大評価したり逆に恐怖心から過小評価しないようにするため、「客観的数字」を重視したのである。 その手法は大成功し
  • 孫子の投資法 忍耐無くして勝利無し その4

    2014-12-10 14:13  
    本連載を初めてお読みになる方は<孫子の投資法その1>を先にご覧ください。 http://okuchika.net/?eid=4482 ■戦さ上手はすでに負けている相手と戦う ◎最高に戦いが上手な人が戦争に勝利しても、優れた武勇や手柄は無い。彼は何回やっても戦争に勝つが、それは既に負けている相手と戦うからである。つまり、最高の戦上手とは、相手が既に負けていて、必ず勝てるチャンスをすばやく見つけて逃さない人のことである。 ◎勝つ軍隊は、まず勝利を収めてから戦闘を始めるが、負ける軍隊は、まず戦闘を始めてから勝とうとするのである。  バフェットの師匠ベンジャミングレアムは、「ミスターマーケット」という言葉を発明しました、日本語の語感でいえば「マーケット君」というところでしょうか?要するにマーケットそのものを擬人化しているのです。  このマーケット君は、グレアムによれば一種の躁うつ病です。機嫌のいい
  • 賢人バフェットに学ぶ投資と経営の成功法則 第2回

    2014-05-14 16:28  
    優秀な投資家は経営の成功法則を充分理解できなければならない 産業新潮2014年4月号から、<賢人バフェットに学ぶ投資と経営の成功法則>という長期連載を開始しました。http://homepage2.nifty.com/sancho/ 下記は5月号記事の冒頭部分です。 賢人バフェットに学ぶ投資と経営の成功法則 第2回 優秀な投資家は経営の成功法則を充分理解できなければならない ■証券分析とは?  バフェットの師匠であり「証券分析」という考え方を世の中に定着させたのがベンジャミン・グレアムです。彼が1934年に著したデビッド・L・ドットとの共著「証券分析」は、現在でも版を重ねる驚異的ロングセラーでありかつ名著です。  実際、大恐慌直後のこの時期には、投資先進国の米国でも株式投資を行う際に「分析」を行う人々などほとんどいませんでした。ほとんどの人々が経験と勘に頼った「カンピュター」で株式の売買を