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記事 15件
  • 為替市場動向~夏休み前、日米欧中銀は?~

    2018-07-28 12:52  

     7月中旬からレンジを上抜けして、上昇したドル円相場。一時は113円18銭の高値までつけ、年初来高値に迫る勢いでした。17日~18日の上下院議会証言でのパウエルFRB議長の『当面利上げ継続』発言もサポートになりました。  しかし、その動きを、ひっくり返したのは、トランプ大統領の「利上げはうれしくない」「ドル高けん制」等の水かけ発言でした。ドル円相場は、110円後半まで、一時反落。  通常、FRBは政治圧力からは独立しているはずで、大統領が口を出すのはあり得ないことと認識していましたが、何でも本音を口にするトランプ氏。最近では、誰もが慣らされた感もあります。トランプ氏の本音は、FRBに金融政策は任せているけれども、継続が予想される利上げが行き過ぎになったときの悪影響が自分の政策で積み上げてきた実績に悪影響を及ばすことが心配なのでしょう。しかし、FRB関係者への圧力とも取られかねない発言、
  • 為替市場動向~金融政策決定会合ウィーク~

    2018-06-16 04:49  

     今週、6月14日からのサッカーW杯2018ロシア大会に世界の目が集まる傍らで、12日~13日に行われる米国FOMC、14日のECB理事会、15日には日銀の政策決定会合が開かれます。  6月1日に発表された5月の米国の雇用統計では良好な雇用データを確認して、市場では今回のFOMCでの1.75%~2%への追加利上げが予想されています。  FOMCでの注目点は、金融政策を緩和的から中立化へ変更されるか、ということと、FOMC参加者が利上げの見通しを3回から4回に変更するかどうかです。物価目標2%達成でFF金利が2%となれば、まさに中立的となります。中立に戻せば、その後の経済状況次第で柔軟に動きやすくなるとも言えます。  今後は、利上げと共に、バランスシートの縮小プロセスを注視しつつ、金融正常化の仕上げとなると思われます。  欧州に目を移すと、先月末にイタリア政治の混乱によりイタリア国債急落
  • 市場潮流

    2018-06-14 02:17  

     今週(6月4~8日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で523円15銭上昇し(率にして2.4%の上昇)、2万2694円50銭で取引を終えました。3週ぶりの上昇です。  前週6月1日(金)に発表された米国の5月の雇用統計が改善を示す内容であったことから、米国の景気拡大が継続しているとの見方から、週初の4日(月)は、日経平均株価が大幅に反発(前週末比304円高)して始まりました。その後も、円安・ドル高の進行、米株高を支えに、7日(木)まで4日続伸。  ただ、週末8日(金)は、さすがに海外投資家中心に利益確定売りが広がり、反落しました。  来週は、米国で連邦公開市場委員会(FOMC)が12~13日に開催されますが、連邦準備理事会(FRB)は3月に続いて利上げを決定することが確実視されています。また、欧州中央銀行(ECB)も14日に政策理事会を開催します。  欧州の景気は足元やや減速気味で
  • 為替市場動向~今年の最注目リーダーは日銀?~

    2018-01-19 14:04  

     新年が明けて、既に半月が経ちましたが、  本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。  2018年入りしたマーケットは、株高、ドル安、債券安で始まりました。  債券市場の不安定な状態の背景を幾つかのキーワードをピックアップしてみると、以下が挙げられるかと思います。 【日銀、オペ減額】 【中国、米債購入抑制】 【原油上昇、インフレ】 【ECB,テーパリング加速】  昨年末、2.40%水準だった10年物米国債の利回りは年初2.60%台に乗せるなど、やや過剰な反応がありました。そして、米債のみならず主要国の債券利回りは上昇。世界の債券市場は弱気へのトレンド転換か?との見方も出ました。  その後、急激な金利上昇警戒感も緩和されつつありますが、もし本格的に相場が債券安に動くのであれば、アツい株式相場への冷や水になる可能性は大きいとも思えます。  一方で、米国の暫定予算の期限切れが今週末に迫って
  • 為替市場動向~引き続き注目は金融政策?~

    2017-07-15 02:01  

     世界的な長期金利上昇(債券相場下落)が、通貨の強弱に影響しています。  主要国の中で先んじて、量的緩和政策から金融政策正常化に動いてきたのが米国でした。以来、為替相場の基調はドル高を中心に動いてきました。しかし、債券相場のキーは欧州中銀(ECB)です。ECB総裁のマリオ・ドラギ氏の発言が債券市場に最も大きな影響を与えています。  ドラギ総裁は、欧州金融危機の際にも危機回避の指揮をとり、今回は、出口へ誘導します。ドラギ氏の「ユーロ圏のリフレ」への言及から、出口観測は始まりました。まずは、テーパリング(量的緩和政策による債券購入の段階的縮小)、そして、その後には利上げもあるだろう、という観測が徐々に高まりました。  以来、ユーロ圏の長期金利上昇が、米国以上に他の主要国の金利水準に影響を与えるようになっています。  先週央に直近のECB理事会の議事録要旨が公表された後には、ユーロ圏の長期金
  • 市場潮流

    2017-07-04 02:09  

     今週(6月26~30日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で99円24銭下落し(率にして0.5%の下落)、2万33円43銭で取引を終えました。  週初は12月期決算企業の権利取り、外為相場での円安基調などを支えに株式相場は堅調に推移。27日には日経平均株価は3日続伸し、一時は20日に付けた年初来高値を上回りました。  28日は前日の米ハイテク株安を受けて4日ぶりに反落。このところ買われてきた電気機器や精密機器などIT(情報技術)関連株が下落しました。  29日は米株高や長期金利上昇を受け、銀行株や鉄鋼株など景気敏感株が上昇。週末30日は米ハイテク株が再び調整したことを受けて反落しました。  ドイツの物価上昇を受けて、欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の縮小に動くとの見方から、世界的に長期金利が上昇に転じるなか、株式相場は方向感が難しい展開になっています。  テーマごと、個別に好業績が
  • 為替市場動向~リスクは米大統領選?~

    2016-10-20 16:50  
     今週のスケジュールで注目するのが、明日20日日本時間午前10時から行われる米大統領選挙戦3回目のテレビ討論と、夜間時間帯に行われるECB理事会です。  今回の米大統領選は、政策論議以外のスキャンダルがメディアで賑わっているのは周知の通りで、低俗なネタが多過ぎると呆れる人も多く、「あの二人しか居なかったアメリカってどうなってるの?」と言いたくもなります。  主要メディアから伝わる情報、有名人やインテリ層からの発信は、トランプ批判。ヒラリー有利を、市場も織り込みつつあるように見えます。  一方、SNSでのトランプは、アンチも含めてTwitterフォロワー数でヒラリーを上回り、支持&アンチ両方からの書き込みも活発の模様。トランプ支持者の傾向は、理屈抜きでの「トランプ」と分析する人がいます。  今回と前回の大統領選挙戦では、SNS等のネットの影響は大きく変化しているので、主要メディア報道だけで
  • 為替市場動向~日&米の同日金融政策決定、どちらも何も出ない?~

    2016-09-08 17:06  
     米国の利上げ観測は、8月中旬に急浮上し、その後26日で行われたイエレンFRB議長講演を後方支援するようなフィッシャー副議長の利上げへの強いメッセージから盛り上がり期待が高まりました。  そんな中、昨日発表されたISM非製造業景況指数の数字が予想外の6年半ぶりの低調さを示したことから急速に後退。一時は104円台乗せまであったドル円相場は今朝の東京市場で101円台前半まで戻してきました。  ドル円相場が下方へ戻した背景にあったのは、米国の経済指標による利上げ期待後退に限らず、日本サイドにもありました。日銀理事会内で検証をめぐって意 見対立が深刻になっているとの一部報道で、9月20~21日に予定されている政策決定会合では何も決定できないだろうとの見方も出たことも重なりました。  また、その前日出た浜田内閣官房参与による「日銀はFRBの決定前に追加緩和を決定すべきでない」という趣旨の発言も10
  • 市場潮流

    2016-03-16 00:17  
    今週(3月7~11日)の株式相場は、日経平均株価が週間で75円91銭、率にして0.4%のわずかな下落となりました。4週間ぶりの下落です。  依然として燻る世界景気の先行き不透明感や円高進行への警戒感から、1万7000円を超えると戻り待ちの売りに押されました。  なお、前週4日の米国の2月の雇用統計は市場予想を上回り、米国の景気減速への過度な警戒感は薄らぎました。  中国の全人代でもインフラ投資を中心とする財政出動が決まっています。  また、欧州中央銀行(ECB)は10日の理事会で政策金利の引き下げだけでなく、量的緩和策の拡充も決定しています。  これらは投資家に運用リスクをとる動きを促すものと思われます。  ただ、為替相場が不透明ななかでは、やはり日本株は手掛けづらいものと思われます。日米の金利差に着目すれば、「円安ドル高」となるのですが、英国の EU離脱問題に絡めてユーロ安が意識されるほ
  • 為替市場動向~ドル円、下落トレンドに転換?~

    2016-02-22 11:53  
    東京市場の祝日が狙い撃ちされた2.11の相場波乱で、ドル円相場は111円を一瞬割る急激な円高進行となりました。  前日のイエレンFRB議長の利上げ慎重論によるドル安圧力に加えて、ドイツ銀行のリーマンショック以来の大幅赤字決算発表、欧州銀行株下落が金融不安を 連想させるユーロ発リスクオフによる円高圧力などなど、背景はいろいろありますが、複数の要因が重なったところにポジションの投げ売りや投機的動きが重な り、大きな下落力になったものと思われます。  111円~115円水準は2014年10月31日(金)の黒田バズーカ第二弾が出されたときに相場がジャンプアップしたときの空白、ギャップでした。今 回は、日柄経ってギャップを埋めてきた格好です。日経平均株価も、今年に入り、黒田第二弾のときの窓15,700円の窓を埋め、アベノミクス開始時と高値 の半値14,800円に到達しました。相当の日柄を経ても、窓埋