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PER3倍銘柄が嫌われる理由
2020-04-08 23:13全体相場の調整局面の中で、個別銘柄も奈落の底に落ちている銘柄が続出。 かつての株式市場での常識が通用しない評価のされ方となってきた。 過去の経験が通用しない中で、PER3倍、PBR0.3倍、配当利回り6%といった驚きの評価に甘んじている銘柄が出てきた状況は私のアナリスト生活においても滅多にないことだ。 これは近未来における当該企業の業績不安が背景になっている可能性もあるが、そうは言ってもなかなか理屈が立たない。これを需給のなせる業と言うと簡単だが、それほど市場が停滞していることの証と言える。 例えば過去10年間黒字を維持し特別利益ではない本業による利益計上で当期利益を向上させている企業のPERが3倍だとしておく。それが更にPBR0.3倍という評価だとして、しかも配当利回りが前期実績ベースの配当金(配当性向は20%)で6.5%という配当利回りだとなれば、多くの個人投資家は投資したくなる筈だ -
ここでのバリュー株研究
2019-12-19 01:55株式投資に必要なのは忍耐。 どんな銘柄でも潮流に乗らずに動きのない時期は結構長く続きます。 株式を発行している企業側に投資家の気持ちを思いやる意識があれば、その時期はそう長くは続かないのかも知れませんが、多くの企業はわが道を行くという経営が圧倒的で株価を意識する経営に心がけている企業は限られているのかも知れません。 株式市場には投資家から高い評価を受けている企業となかなか評価されずに低評価に甘んじている企業とに二極化した状態が見られます。 高評価となればPERは50倍や100倍といった極端な評価になりますし、低評価となると5倍や7倍と極端に低い評価となっています。 PERは株価を年間の一株当たり利益(EPS)で割って算出されますが、PERが100倍となればその利益の100年分の価値を示していますが、5倍だと5年分の価値しかないという評価です。つまりこの企業には5年間しか利益を生み出す能力 -
モノサシをどこかに置き忘れた株式相場
2019-04-03 01:59杓子定規という言葉があります。 株式市場で誰もが常識的に使っている杓子や定規、つまり株価の価値を評価するモノサシはPER、PBR、配当利回り、それにPCFR(キャッシュフローレシオ)など。こうしたモノサシに株価を当てはめては割安だの割高だのと御託を並べるのがアナリストという職業人です。 そうしたモノサシを使うという習慣が最近薄れてきたと感じる皆さんも多いのかも知れません。文字通り杓子定規で株式投資していても成果は上がらないという投資家は感覚的なテーマ株投資に勤しむことになります。 夢を語れないバリュー株ではなく、現在人気の成長テーマ(AI、5G、IoT、RPA、サイバーセキュリティ、自動運転、遺伝子治療、創薬、働き方改革、国土強靭化など)や新たな投資テーマに沿った銘柄に軸足を置くことで高い運用成果を求めようという投資家も増えているようですが、こうした市場の潮流についていくかどうかは皆様の -
有料メルマガライブラリから(279)「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(7)」
2019-02-22 14:34有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。 =コラム「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(7)」= (有料メルマガ第358回・2015/12/1配信号) ※2015年12月現在の内容です。留意してお読み下さい。 【前略】 本日はPBRについて考えます。 繰り返しになりますが、投資の指標はあくまでも物指しに過ぎないことを忘れないようにしたいものです。 まずは指標に対する私の考えを書きます。 ■私が指標を使う前にまず心に刻むようにしていること。 指標を使うときは、指標はあくまでも物指しであり、それ以上のものでないことをよく理解し -
有料メルマガライブラリから(277)「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(5)」
2019-02-07 02:20有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=コラム「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(5)」= (有料メルマガ第356回・2015/11/17配信号) ※2015年11月現在の内容です。留意してお読み下さい。 【前略】 ■投資の指標はあくまでも物指しに過ぎない。 ~利用するにしても指標が安いから株価が上がるのが当たり前とは考えない。 ~そのことを認識した上で利用すれば、けっこう役に立つことも多い。 〇指標コレクションを趣味にするのはやめて、しっかり使いこなしましょう。 投資指標でもテクニカルチャートでも、指標のコレクションを趣味 -
理不尽なバリュー株の急落
2017-11-22 01:32
あなたは成長株指向ですかそれともバリュー株を指向されていますか? 先日開催された炎のセミナーでもこの2つの投資スタンスを問いかけさせて頂きましたが、多くの投資家にとってどちらを指向するにしても企業内容の吟味が必要なことは言うまでもありません。 PER、ROE、業績の伸び、経営者の成長への取り組み姿勢、リスクの把握、セクターの位置づけ、先行投資などのキイワードは成長株投資を指向する投資家にとっては、注目したいポイントです。 成長株投資では変動リスクもありますがキャピタルゲインを得る機会が多く、株式投資の醍醐味が味わえるものと思います。 一方でバリュー株投資ではPBRや配当利回り、配当性向、ROE、保有現預金、有価証券、投資有価証券、有利子負債、時価総額に加え、潜在的な成長企業としての位置づけがチェックポイントになります。 成長株にしろバリュー株にしろ投資家の期待が外れた場合は -
有料メルマガライブラリから(217)好業績で流動性のある銘柄に注目をしたい
2017-04-06 03:08
有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=コラム「好業績で流動性のある銘柄に注目をしたい」= (有料メルマガ第276回・2014/4/29配信号) ※注 2014年4月現在の内容ですので留意下さい。 【前略】 業績が良くなることが分かりきっている低PER銘柄が、さらに売り込まれて安くなり、PERがますます低くなり、業績に連動して配当金が増える企業の株が安くなるなら、配当利回りは高くなるので、投資対象としては魅力が増します。 しかし相場というものは、どんなもの(=株式相場でも為替相場でもゴールド相場など)でも人間の欲望と恐怖を変数 -
ここからの株高の条件
2014-03-06 15:13日経平均株価は昨年末の高値16320円から2月5日の安値13995円まで14.2%下落した後、先週末は14800円台となって半値戻り15100円 台を試そうとしていますが、基本的にはまだ調整局面と受け取れます。昨年末の動きがあっての調整で期待外れになっていますが、日本株(指数)は為替に連動 して動きますので、全体相場の上昇には円安傾向が続くことが必要です。 東証1部市場はPERが15倍程度、PBR1.4倍、配当利回り1.6%という評価がされていますが、ここからの株高の条件はそれぞれの企業で来期以降 も業績の向上が続くのかという点にあります。特に為替の円安傾向は輸出関連企業の収益を押し上げると考えられますので、そうした傾向が見えれば日経平均の 上昇につながると期待されます。 ただ、全体相場が調整傾向にあるのは米国の量的緩和の縮小が契機になっています。外国人投資家が安倍首相の靖国参拝問題や -
日本でトップクラスの低PER銘柄
2014-02-18 18:46百花繚乱の株式市場。好業績だから買われる訳ではなく業績が赤字でもどんどん売り込まれる訳でもなく、個々の銘柄ごとに様々な値動きや評価が見られます。 株価の位置は歴史的安値からどこまで上がったのか、直近安値からどこまで上がったのかなどで位置が確認できます。 現状が低PERだというのはたとえ株価が上昇傾向にあるとしても評価では低水準に放置されているとも言えます。 現在700円台という株価水準にあるA社は今期経常利益が8割もの増益が見込まれるなど好業績銘柄の代表的存在です。PER4.9倍、実績 PBR0.59倍、配当利回り3.2%、配当性向16%であれば、自然体で買いが入ってくる筈なのですが、今のところ人気化する兆しは感じられません。 現実に低PER銘柄でもなかなか株価が上がらないのはどこかに問題があるものと推察されます。この問題点がクリアになれば株価は上昇に転じることになると考えられます -
株主への利益還元
2014-02-04 22:58企業が利益を得たらそれを株主に還元するというのは当然のことながら得たお金を内部に過剰に蓄積した場合、市場での評価が上がらず低PBR銘柄、万年割安銘柄という烙印を押されたケースもしばしば出て参ります。 そうした企業では内部蓄積した資金を使い、利益成長に向け先行投資した結果が業績に反映されるとともに、配当方針を株主や新たな投資家に説明して妥当な株価形成がなされるようにしていかないとなりません。 成長内容を含んだ中期計画の発表は株主や投資家にとって株式保有の原動力となります。未来が示されないと保有するのは不安となります。今手持ちの銘柄を売りたくてしようがない、とするか買いたくて仕方がないとするかは経営者の考え方や手腕、意識によります。 冒頭にあるように株主への利益還元という言い方を経営サイドではしますが、経営者自らが創業オーナーである場合は利益還元は自らの懐に入ってくるお金になります。中期
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