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書評:歴史の方程式 科学は大事件を予知できるか
2018-05-09 01:26書評:歴史の方程式 科学は大事件を予知できるか マーク・ブキャナン著、早川書房 https://amzn.to/2HJR4cM マーク・ブキャナンは、この本の出版後「複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線」という本も書いていますが、こちらのほうがより「本質」に鋭く迫った内容です。 タイトルでは「歴史」となっていますが、物理的な「時間軸」を人間社会に当てはめると「歴史」になるわけです。 現在の科学(物理学)の基礎は、アルバート・アインシュタインの相対性理論と量子論の二つの方程式にあります。今のところ、この二つを組み合わせると矛盾が生まれますが、この世は11(または10)次元であるという前提(第一線級の多くの物理学者が受け入れつつある考え)などによってこの問題が解決され、この世の中のすべてをたった一つで表す「神の方程式」の完成が近いとも言われます。 しかし、本書で触れられ -
書評:複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線
2018-04-20 11:33
複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線 マーク・ブキャナン 著、 草思社 https://amzn.to/2qCmGuv ●世間は狭い 街角でばったり知人に会った時などに、「It's a small world!」(世間は狭いね)と言います。この「街角で知人にばったり現象」は、「確率論」の観点から考えれば実はそれほど珍しいことではありません。 例えば私がある友人の娘に銀座の街角でばったり会う確率は確かに低いのですが、私が多数の友人のうちのさらに何人かいる娘のだれか・・・さらには、すべての知り合いのうちの誰かの家族、親せき、友人の一人などと範囲を広げ、そのうえ場所も銀座だけではなく、青山、新宿などと広げるとばったり出会う確率はかなり高まります。 また、例えば同じ誕生日の人がいる確率も同じです。 例えば、ある場所に「あなたと同じ誕生日の人が50%」いるようにするには、1
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