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運用業界だけ変革しても難しい
2023-06-02 15:37
2023年4月21日に金融庁から公表された「資産運用高度化プログレスレポート2023」を読みました。 毎年でているレポートの今年度版ですが、すでに多くの方が内容については批評しています。なので、中身についてはさらっと紹介するにとどめます。 内容については、主に国内の運用会社の課題として・運用者会社の経営者の在任期間が短い・経営トップがほとんどグループ内企業からの天下り的な就任である・ファンドの運用担当者が非開示であることが多い・ファンドの保有銘柄の開示も不十分・投資信託の本数が多すぎる・ファンドラップや投資信託の信託報酬の報酬金額設定が不明確などが挙げられています。 主に米国などの外国と比較して、日本の運用会社は…などの指摘が多いのですが、実際に私も運用会社がこうした課題を抱えていることは認めるものの、一方でこうした課題を解決すれば、日本の個人の運用状況が改善されるのかというとそうでも -
余剰資金の退潮
2022-07-26 13:04
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって間も無く5か月になりますが、今後の日本の課題には経済安保とともに食糧安保が大きく関わってくるはずです。もちろんこれは世界的な問題でもあります。 食糧が重要とは言え、日本市場にはこれと言った食料関連銘柄がありません。 加工会社ばかりで、あえて言えば伊藤忠や丸紅などの商社でしょうか。 既得権維持が至上命題の農水省やJA上層部は備えをしているのか。米価高値維持だけが仕事のJAシロアリは恐らく何もしておらず、属ゴキブリと結託して危機を利権に変えられないかと研究しているところかも知れません。 2020年7月頃のメルマガにて、景気回復による資源高によって経常収支の悪化が見えてくれば、いつまでもリスクオフの円高などと言える状況ではなくなるとの思いで円安への懸念を書きました。当時はまだ円高懸念を伝えるエコノミストも多かったと記憶しています。 余談ですが、2011年前 -
超低金利の幕開け
2020-04-12 22:373月19日にREITが叩き売られてから3週間ほどになります。 あの日は凄まじい売られ方でした。REITを保有する素人機関投資家(笑)のロスカットによる価格無視の投げ売りでしたから、複数の銘柄がストップ安に張り付いたまま大引けを迎えました。 REIT指数でみると2月25日からの僅か18営業日(約4週間)でアベノミクス開始時(2013年初)から7年分の上げ幅を一気に失ったことになります。年初来高値である2月20日の2,250.65から僅か1か月後に1,145.53への下落ですから、相場とは恐ろしいものです(汗) とは言え邪魔なロスカットルールも無く、この日に買い向かった個人や日銀は最高のタイミングで買えたのではないでしょうか。これも相場です(^^) 何度も書いてきましたが、今の市場には円建てで利回りを取れる金融商品はほとんど残されていません。言わばREITと高配当株式くらいでしょうか?それ以 -
ヴァンガード米国本社訪問記~その1
2019-02-07 20:03昨年の10月にヴァンガードという世界最大級の資産運用会社(投資顧問会社)に訪問をしてきました。 場所は米国のフィラデルフィア郊外にありまして、町の中心部から1時間ほど車で離れたところにあります。 私たちが、毎年参加しているFPのカンファレンスが今年はフィラデルフィアでの開催であったので一緒に都合をつけて訪問させていただきました。 まず、着いて最初に感じたことはその前年のディメンショナルファンドを訪問した時にも感じましたが、環境の良さです。 都市郊外という事もあると思いますが、敷地は広大ですし、豊かな緑に囲まれていて資産運用の業界というものは、こうして必ずしも都会の真ん中である必要がないのだと強く感じるとともに、米国の多様性と豊かさを感じ取れます。 ヴァンガードという会社は、1975年にジョンボーグルという創業者が、インデックスファンドという資産運用業界に新しい概念を持ち込むた -
不安要素
2019-01-26 00:47今週月曜日の記事にあった「郵送世論調査」が面白かったです。 国民が最も信頼しているのが自衛隊で、最も信頼していないのが政治家…、頷けますね(笑) イザと言うときに頼りになるのが自衛隊で、頼りにならないのが国会議員と言う事であり、バッチ維持の為に嘘や二枚舌が当たり前の連中ですから(地元後援会の一部以外は)誰も信頼していません(苦笑)。何を主張したいのか不明なままに、またまたビジョン無き離合集散が始まっているようです。 日本の将来はどうなってしまうのやら・・・。 色々な不具合が見えるものの個人的には次点が警察と考えましたが、世間は厳しいようです。信頼できないのは(昇進への点数稼ぎや天下りにばかり目が向いている)警察上層部であり、恐らく大多数の国民は中間職以下の現場には相当の信頼感を持っているはずですが、やはり上層部が腐っていると下も従わなければならない組織の宿命と言うものでしょうか -
国内株式市場の欠陥
2018-08-29 00:25
まずは読者から頂いたご質問に対して。 新興国投資につきまして昨今は様々な金融商品が出てきています。手始めに新興国投資と検索してご自身で理解し易い商品を探してみてください。 債券投資で入り易いのは「上場インデックスファンド新興国債券」(ETF、日興アセットマネジメント社)かな?と思っています。売買も楽ですから。 馴れない方にとっては少額から投資できる投資信託を使うのが楽と思いますが、纏まったお金があれば個別に証券各社が販売している各新興国通貨や市場に連動している商品も多々あります。 どの国への投資が良いかは皆さま各自のお考えで決めるしかないのですが、気を付けていただきたいのは、複雑な金融商品や手数料(信託報酬含む)が高い商品は避けると言うことと、新興国市場故にリスクも高いと言うことです。 同じような原資産への投資なのに見栄えを良くするため(儲かりそう、または安全そうに見せるた -
変化のときか
2018-07-02 23:49
ワールドカップが白熱しています。 コロンビア、ポーランド、セネガル・・・H組チームの誰もが日本戦での勝ち点3を読んで予選に臨んだものと思われますが、ところがどっこい、期待の高かったコロンビアとポーランドが苦戦しています。 イタリアが出場を逃したり、ドイツが最下位で一次リーグ敗退となるなど、波乱含みではありますが、この変化も世の常なのでしょう。 2試合で勝ち点4は嬉しい限りです。日本チームは頑張っています(^^) 今夜は対ポーランド戦。世間の評価や予想など気にせず、引き分けなどと言わずに勝ち点7での予選突破を祈っています。 さて、今年に入ってからのトランプ劇場相場はどうなる事やら・・・。 個別企業の行動にまで口を出す、アメリカ凋落の象徴ともいえるナルシシスト政権。所謂ポピュリズムでは無く、政権維持のためにアメリカ内部の白人優越主義とも言える感情の政治利用であり、最後の盛り上 -
需給相場に気を付けて
2018-06-26 01:53先週後半から今週にかけても株式市場は荒っぽい値動きでした。 ナルシシストで大統領職に留まりたいトランプ大統領による荒っぽい発言に反応して、または利用して、短期の資金が相場を振り回している状態です。 個別株に空売りを仕掛けたり、4日間売り続けたと思ったら昨日は急にインデックスを買い上げたりと。相場操縦そのものと思うのですが、大手機関投資家なら何をやっても良いのか?と・・・。 中国関連銘柄や半導体製造に関係する銘柄なども派手に乱高下しています。 個別で見ている中ではコマツ(6301)やナブテスコ(6268)などは年初の高値から随分と売られました。カーボン系も急落したりとヒヤヒヤしましたが、7月下旬からの中間決算開示で上方修正する可能性が高いですから、如何に安いところを買えないかと(セコく)注視しています(笑)。 今の相場は業績云々と言うより、大きく上げていた銘柄や動かし易い銘柄に -
アメリカのテキサスは素晴らしかった~視察報告~
2017-10-26 18:12
今月10月15日~20日まで、米国テキサス州、州都オースティンに不動産と金融の視察に訪問してきました。 今回は、視察の内容について簡単にご報告いたします。 【不動産】 まず最初に、不動産を見学しに行きました。 日本でも米国不動産に投資することが流行していて、弊社のお客様でも実際に取り組まれたり、検討されたりする方が増えてきているからです。 見学した物件は、普通の中古のコンドミニアムでしたが、それぞれ一部屋1,000~2,000万円程度で、表面利回りは10%ぐらいの案件でした。 (実質利回りはコストが分からなかった) しかし、ここでの不動産投資の一番の魅力は、キャピタルゲインにあるのだと理解しました。 オースティンの人口は、ここ数十年成長しています。 1980 345,890 1990 465,622 2000 656,562 2010 790,390 2016 -
戻り高値
2017-10-13 15:18
意味不明な選挙とは言え、衆院選と言う視聴率の取れるコンテンツにメディアが殺到しています。そのお蔭でモリカケ問題も、文科省の天下りも、政治資金不正や東芝問題、神戸製鋼問題までが埋もれてしまっています。平和な国です(苦笑)。 各党首が過去の言葉と整合性のないことを語りだしても、これと言ったコメントも無いままに、ただただ闇雲に各党首の言動を追っています(呆) 今回の解散・総選挙で得るものと言えば、左右入り混じって与党批判しか出来なかった連中の整理がついた、分かり易くなった、と言うことだと思います。折角の選挙ですから幾らかでも日本政治の質の改善に役立てばと期待しています。 そんな中で、株式市場が強いです。 9月上旬まではリスクオフの動きでしたが、ロケットマンの行動が鈍いと見るや9月11日からは何度も連騰し、あっという間に2015年の戻り高値を超えてきました。 とは言え、確かに海外市
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