• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 14件
  • 攻めに転じる孫社長率いるソフトバンクグループ

    2023-06-28 15:07  

     ソフトバンクグループ(9984)が再び話題を集めています。 先日開催された同社の株主総会では孫社長がこれまでの守りの姿勢から攻めに転じる時との熱いメッセージを集まった株主の前で送りました。同社はAI型の世界的な企業に投資するという理念での展開で、それがWeWorkなど過去の失敗もあり停滞を余儀なくされたのですが、そのために財務面での守りのスタンスを中心に直近までやってきた訳ですが、その守りが攻めに転じるきっかけとなったのが生成AIの登場です。もともと発明家でもある孫社長の真骨頂発揮。チャットGPTに問いかけしながら議論を重ね、凄まじい数の発明を特許化していく状況を話されていました。しかもその背景には間もなく実現しそうな半導体設計会社アームの上場もつながる話で、興味津々です。 生成AI時代の中で、そのコア半導体となるアームの存在感が増すことを念頭に入れた取り組みだと思うときっとわくわくさ
  • 株価低迷局面のAI企業

    2023-05-19 16:33  

     上場を実現した企業への評価が投資家の役割ではありますが、その多くは利益を伸ばせという市場参加者である投資家からの暗黙の期待に応えようとあくせくとビジネスに勤しむ姿があります。 先週12日は決算発表のラッシュでした。これまでの業績向上を示せた企業、これからの業績に明るい見通しを示せた企業だけではなく、厳しい結果と厳しい見通しを示していた企業。投資家の多くは単純に前者をポジティブに評価し、後者をネガティブに評価し、結果としては株価が上がるか下がるかの変動に繋がることになります。 3800もの企業の一つ一つを冷静に分析し皆様にズバリの方向性を示せれば良いのですが、なかなか物理的にも対応できることは限られています。それでも筆者は過去から現在まで注目してきた50銘柄程度は何らかの方向性を示していきたいと考えております。 現在、億の近道の読者数は1万人ほどかと思いますが、そうした読者の皆様のご期待
  • 自己株買いの考察

    2022-04-28 13:06  

     株式市場は2つの世界的な恐怖に襲われたため、不安感の下で相場の調整が続いている。 株式相場には全体相場だろうと個別株相場だろうと山と谷があり、この変動を横目に市場に集まっている投資家にリスクとリターンをもたらすことになる。 変動は上にも下にも行くことになるが過去の平均値を下回り、どこまで下がるのか分からない投資家は投げもあって中途半端には手が出せずにボトムを確認するまでは買いを手控えることになる。 そうなると相場は悪循環となる。指標面では明らかに割安だと思えても投げが投げを呼ぶため株価は想定外に下げることになる。 DX関連、ICT関連銘柄など一連の新興市場銘柄の下落などはまさにこうしたパターンで変動してきた。 反対に過去の平均的な株価水準を上回り買い人気が続くと反対にどこまで上がるのかが読めずに売りの手が引っ込み、それを見た買い方の勢いが増して途方もない株価がつくこともある。 こうした
  • ソフトバンクG(9984)が下げ止まらないが・・

    2022-03-16 16:31  

     全体相場の調整で特に下げが目立っているのはファーストリテイリング(9983)とソフトバンクグループ(9984)の2社。 ファーストリテイリングはロシアの一時停止とウクライナ情勢の緊迫化もあり、5万8070円と1月安値5万8410円を下回った。2月既存店が86%(期初累計で91%)と低迷していることも嫌気されている。世界市場での活躍企業がウクライナ情勢の混迷で影響を受けていることで株価の低迷が顕著となっている。 現在の株式市場には弱気の声があふれている。 とりわけ人気の銘柄が下値模索中となっているため弱気になりがちだ。 その中でもファーストリテイリング(9983)柳井社長と親しい関係にある孫社長率いるソフトバンクGも強烈な下げに見舞われている。 同社株は昨年3月の高値10695円から先週の安値4424円まで58.6%の下落を見せており、下値模索が続く。 その主な背景は保有するアリババ株の
  • AI資本家企業、ソフトバンクGへの投資チャンス

    2021-08-25 18:16  

     ソフトバンクG(9984)の第1四半期決算の動画(時事通信)を視聴した。既に7.2万人(株主数の約半分)もの方々が視聴されており、関心の高さが伺える。 今回は当期利益が昨年の同期に比べ大きく減少した中なので孫社長さも意気消沈かと思いきや。何の何の。そんなことはない。 極めて理路整然に事業の現状と今後の方針についてわかりやすく説明があった。 まずは1Q決算は前年同期の1.25兆円から7615億円と減少した点はTモバイル関連での一時的な利益が双方にあってそれを除いて比較すると業績は良かったとの説明。 ふんふんと思わず納得。 それよりも凄いのはビジョンファンドの話。 2017年にスタートしたビジョンファンドで未上場のAI関連企業300社に彼らが世界中で調達したお金の10%を同ファンドが出しており、加重平均でそれぞれ約20%の出資比率となっているとの話もあった。 投資家と資本家は似て非なるもの
  • 株価低迷が続く過去プレミアムがついた銘柄群

    2021-07-22 09:32  

     株式市場は個別銘柄が集まって構成されその平均値が算出され日経平均やTOPIXといった指数が関心の的としてニュースでも話題になります。 コロナショックで日経平均は1万6000円台まで急落しました。 その際はニュースメディアが伝えていましたね。でも決してメディアではその大きく下げた時に株を買えとは言いません。 メディアの役割は中立的にその相場の動向を忠実に伝えることにありますから当然です。でもなあ。あの時誰かが買えと言ってくれたらなあ。なんてわがままなことを冗談めいて言う投資家もお見えかも知れません。 あの時の出来事を未だに覚えているという投資家はどの程度お見えでしょうか。 確かにあの時の安値であの株を買っていたらと思うと大きなチャンスを逃したと悔しい思いに駆られるのかも知れませんがそうしたチャンスは全体相場がそうならなくても個別銘柄では既にジワジワと押し寄せているのかも知れません。 皆さ
  • 自己株買い

    2021-07-14 15:10  

     企業が発行した株式を市場の内外で買うことを自己株買いという。 株式市場では日常茶飯事にこうした自己株買いは行われている。 この施策は取締役会での決議で実行されるので比較的容易に打ち出せる施策だと言える。 投資家は様々な理由で個別銘柄に投資されているかと思うが、市場の需給が悪化し投資した時から大きく値下がりをした余裕ある企業に対して期待したいのは継続した利益成長や成長施策の打ち出しだけではない。企業価値以下で取引される状況が続くのであれば経営施策として自己株買いは有効だ。 直近ではトヨタ(7203)が上限41百万株、上限2500億円、の自己株買いを9月末まで行うと発表。既に6月中は220万株、21.5億円の自己株買いを行った。 平均単価は9773円。市場内で買うことになるためこのところの株価は全体相場がどうであれ結果としては底堅い。 しかも9月末には5分割というイベントが待っている。 私
  • コロナ禍で活発化する自社株買い

    2021-06-16 13:19  

     自社株買いが盛んになってきた。ソフトバンクG(9984)が昨年7月31日から本年7月末まで実施するとした上限1兆円、上限2.4億株の自社株買いに続き、直近では日本郵政(6178)が上限2500億円、上限2.76億株、発行済み株式の6.83%の自社株買いを行った。 筆頭株主の財務大臣(国)が保有する株を引き取ったのだが、株価の水準は2015年の上場時よりもかなり低く時価総額=資本金(3.5兆円)という水準での自社株買いを実施。 利益の還元と資本効率向上を図るという目的が示されているが、株価はソフトバンクGにしろ日本郵政にしろ冴えない展開となっている。 ソフトバンクGの株主数は15万人以上、日本郵政に至っては60万人以上ということもあり、多くの投資家の自社株買いへの関心が高まっていると推察される。 そもそも「自社株買いって何?」と言われる読者も多いかも知れませんが、上場企業が事業運営のため
  • 5兆円を稼ぐ企業

    2021-06-02 13:46  

     5兆円という驚きの利益を稼いだソフトバンクグループ(9984)の株価はこのところ調整含みの推移を続けている。3月16日の高値1万695円から5月27日の安値8092円まで24.3%の調整を入れて、その後は高値8400円、安値8200円といったこの銘柄にしては狭いレンジでの推移となっている。 たまたまのたまたまの利益計上をネガティブに見た投資家、単純に上がり過ぎたから利益確定売りを敢行した投資家など、ここでの投資家の行動は興味深い。何しろ時価総額は14兆円の水準。NAVは20数兆円もあるし、今後もますますAI銘柄に投資していくという孫社長に寄せる期待も高い筈なのだが、下振れの可能性を残す株価を横目に積極的な買いの手は引っ込んでしまった感がある。 利益5兆円には隠された秘密がある。 もちろんアップルのような普通の企業とは違って投資会社なのだからその利益の中身は大きく異なる。 売上自体はスマ
  • 時価総額をめぐる戦い

    2021-03-03 01:22  

     上場企業は様々な経営課題と戦っている。 基本的な主たる戦いはどうやって業績を向上させるかだが、それは株主(オーナー経営の場合は自らの資産に反映される)に報いるためであり、これから投資してくれる投資家を導くためでもある。 業績は単に表に出る売上や利益といった数字だけでなく未来に向けた布石(=投資)も含んでいる。業績向上の結果として株価は変動を見せる。 ネガティブな評価がなされたり、ポジティブな評価がなされたりと四半期ごとの業績が株価変動の源泉となり株主にとっては悲喜こもごもの結果につながる。 株価が変動するということでその結果、時価総額も変動することになるのは自明のこと。 現在の日本最大の時価総額企業は26.4兆円の世界最大の自動車メーカー、トヨタ(7203)だが、日本最大の時価総額と言っても米国には更に上をいくEVメーカー、テスラが存在しトヨタのはるか上をいく時価総額(80兆円)となっ