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書評:人口論
2018-12-05 16:18書評:人口論 マルサス 著、 光文社古典文庫 https://amzn.to/2Rwy3zu ■現代の経済は食糧(農業)に制約されるのか? トマス・ロバート・マルサスによって1798年に匿名の小冊子で発刊された本書が、人口の増減と世の中の繁栄(人々の幸福度)の相関関係に関して述べた本であることは間違いが無い。 しかし、本書において彼が親しかったデヴィット・ヒュームや、先人のアダム・スミス(ヒュームと親しかった)にしばしば(特にアダム・スミスに)言及しているように、底流に流れるのは「人間の営みと経済」に関する考察である。 人口が等比数的に増えるのに対して、人間に必要な生活物資(主に食糧)は等差級数的にしか増えないから、あるがままに人口が増えれば、増加した人口に対して必要物資がいきわたらなくなり、人口が抑制され均衡状態にまで減少する。これが永遠に繰り返されるというのが、マルサスの主張
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