• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 252件
  • マイクロソフトのAzure(クラウドサービス)

    2023-12-07 11:03  

     マイクロソフトのクラウドサービスはすでに売上の4割程度になっている。 クラウドサービスではグローバル市場においてアマゾンとマイクロソフトの2強時代に突入している。 クラウドは消費者にとっては、安価なバックアップメモリー的役割を果たしている。 法人にとっては、最新のサービスをアセットから外し費用化できる。 初期投資がなく、すぐにサービスが始められる。 サービスの種類も多く、大手のAzureの場合はすでに数百を超えるサービスを提供している。またグローバルで利用できる。 ただ、従量課金制であり、導入コストは安いが、工夫しなければコストアップになる場合もある。 最小構成なら安いが、専用サーバーとクラウドで同等のサーバーを構築するとAzureやAWSの方が高い。しかしながら、いま売上が加速している背景には生成AIの普及がある。 Azureについては、もともとユーザーインターフェースとしてのMSオ
  • 山本流 社員育成法と子育て法(その3)

    2023-12-01 21:56  

     社員を生き生きと働かせるためには、まずは、ひとりひとりの価値観を知る必要があります。 価値観がわからないのに雇用をしてしまえばミスマッチから採用は失敗してしまうのです。 この人の価値観はこうだからこの仕事にとても向いているという形で仕事をその人に作ってもらうのが一番、パフォーマンスが上がります。各自に得意なことをできるだけさせればよいのです。 これは家庭においても同じでしょう。 親が仕事や趣味で生き生きとしている。 たとえば親がダイニングテーブルで教科書を楽しく学んでいる。 子は親の姿をみて、勉強というものは社会人が楽しくやるものだと思うようになる。 勉強というものは継続すれば好きになってしまう麻薬のようなものです。 たとえば英語を毎日勉強していれば自然と好きになってしまうものです。 毎日、英語を楽しく勉強している人に、どのような仕事を任せようか、その人はどのような仕事を提案してくるの
  • 山本流 社員育成法と子育て法(その2)

    2023-11-15 12:41  

     社員教育も子育ても特別扱いが大事ですが、特別扱いしても、工夫さえすれば金銭的な負担は大きくありません。工夫すれば教育に限らずお金はあまりかからないはずです。 工夫により「投資効率」は必然的に上がります。 人に接するときは自分を捨ててその人そのものを見るようにします。 他者はコントロールできませんし、するべきではありません。 わたしは子育てでは、親からの要望や夢というものはすべて捨てるように腹をくくりました。英才教育や習い事は親が子に勧めるものではないという考えです。 どうしてもやりたいと子が本気で願えばそのときに時間をかけて考慮するという受け身の姿勢を貫きました。 子育てに限らず、人生の目標や仕事への取り組みについても、長期の目標があるのが好ましく、わたしは仲間や同僚や妻や子供たちや友人たちと、長期の計画や人生設計に取り組んできました。 キーワードは「長期デザイン」です。 部員がいると
  • 山本流 社員育成法と子育て法(その1)

    2023-11-02 12:16  

     投資と同じで、子育てには「こうしたら上手くいく」というノウハウはおそらくないのでしょう。子育てはどの家庭も試行錯誤しながら自らの価値観にしながら編み出してくものでしょう。 社員の育成にも「会社の方針」というものなどはありません。 人は人との関りの中で熟成していくものです。人の価値観は千差万別であり、幸せの定義も個人差があります。 肝心なことは、ひとりひとりの価値観に寄り添い、その個性を活かすこと。 「言うは易く行うは難し」といいますが、一人一人を特別扱いしなければ人は育ちません。特別扱いするからといって、予算がかかるわけではありません。それぞれの社員が互いの価値観を認めること。ひとりひとりの社員を互いにとても大切している会社なのだと社員が組織のよさを心から実感できる環境を整備することです。 わたしの務めた和光証券国際本部やクレイフィンレイ(米国年金運用機関)はまさにそのような組織でした
  • 米国株NVIDIAは盤石か

    2023-10-27 15:45  

    1)過去5年間の増収率が過去10年間よりも高い。成長が加速している。 売上と費用との関係が良化し基本的に利益率は長期的みれば改善傾向だ。2)ただし2022年は鬼門だった。コロナ特需の終焉と半導体不況により利益率が大きく悪化。 1996年から2022年までのNVIDIAの売上と費用の変化率のそれぞれの平均は過去26年では増収率平均34%で費用の増加率の平均は31%と年率で3%もの利益率改善傾向がみられる。しかし近年10年では増収率平均は18%となり費用の増加率の平均は17%であり、年率の利益率改善効果は1%となっている。 さらに直近5年でみれば費用の増加率が勝るようになり、利益率が悪化傾向にある。 10年平均よりも5年平均の方が増加率において高いというところに関しては、同社の成長性は引き続き高いということが推察される。22年の費用の大幅増加は経営判断の結果であり、先行投資や既存事業の拡大の
  • 政治への失望の時代に思う

    2023-10-19 14:03  

     政治家の役割は国家予算の再配分にある。 企業経営者であれば優先すべき成長事業へ重点的に資源を配分することができる。それがどれだけ幸せなことか。 国家レベルとなればそういかない。 社会保障費や国債費用など、硬直性的でまずは動かせない。 つまり、現代国家の際立った特徴とは何かと問えば、国家予算の硬直性そのものが国家的性格になってしまっているのであろう。 一方で、個人は個人がゆえに裁量があるはずだったが、現実はどうか。 多くの個人はカツカツのギリギリだ。 わずかな収入の2割は社会保障費や税金となり、3割が家賃。食費は2割で、消費に1割の税金。光熱水道雑費で1割。医療費負担に子供への負担があれば赤字。 カツカツでギリギリの個人像が浮かび上がる。 つまり、国家も個人もカツカツでギリギリの生活を送っている。 だから、どうにか政治家にいってもカツカツでギリギリの状態が改善されるわけはない。 国家とし
  • 長期投資入門 その1 ~スケールメリットとトヨタの30年~

    2023-10-13 21:28  

     30年前といえば1990年代の前半。 バブルが崩壊した時代にトヨタの売上高純益率は一桁前半であった。 2%程度の年が多かった。 純益は1000億円台。 売上も10兆円に満たなかった。 バブル景気がはじけてはいたが、金利も高く、財務内容がよい企業は経常利益の方が圧倒的に営業利益よりも高い時代であった。 財務が投資を担当している財テク時代でもあった。 時価総額はいまの10分の1。 その後、円高にも苦しむが、総じて、業績は右肩上がりであった 近年、トヨタの純益率は大幅に改善し、10%には満たないが一桁後半になっている。 売上が数倍になり、利益率が数倍になったので株価は10倍以上になったわけだが、これがグローバル企業の典型的なパターンのひとつであることはあまり議論されない。 規模の経済が働き、固定費の効率化がなされる。 固定費とはたとえば人件費だが、要するに人は頭が良いので生産性が高まる。 R
  • あえて不登校

    2023-10-05 22:00  

     わたしの大学の先輩でもあり、友人でもある鍋田大蔵先生が小田原進学ホームスクールを開設されました。そしてnoteを始めました。 学校は、時代に合った価値観を提供できず、理不尽な校則を単に規則だからという理由で押し付ける。 親は子の進路を過度に干渉してしまう。 結果として不登校児童や生徒の数は過去最高をぐんぐん記録している。 不登校はもはや「普通のこと」になりつつあります。 あえて不登校を選択するという生き方も十分に魅力的な選択肢のひとつになってきました。 学校にはいかず、得意な一芸を極限まで伸ばす方が、尖った人材として評価される時代です。 大学の入学についても不登校であっても無関係に合格できる自己推薦型の入試も年々広がっています。大学が求める人材は、一芸分野に秀でた尖った人です。今後、大学は博士課程を充実させ、社会人の枠も大きく広がっていくでしょう。 企業の人事も博士課程人材を戦略的に獲
  • 東大生と京大生への講演 その7

    2023-10-02 15:24  

    「アナリストよ、歴史家のように記述し、科学者のように分析し、芸術家のように共感し、哲学者のように思考せよ。」 2015年に東大生と京大生を相手にアナリスト業務について講演したことがありました。その講演内容をメモってくれた東大生のA君がいました。 8年前のものですが、懐かしく想い紹介します。■18■21世紀と20世紀との違いについて。多くの制約。持続可能性について。 21世紀とはどういう時代になるのだろうか。 日本の上場企業の経営者は悩んでいるはずだ。 60年代の高度成長期であれば、企業は環境意識を持たずとも、大量生産により業績の拡大を目指ぜばよかった。ところが、21世紀は、企業は、地球環境や人権意識など、広範な社会的な責任を果たしつつ、収益を確保しなければならない。収益の最大化だけを目指せばよい時代は終わった。 目先の収益の確保に走れば、従業員の大部分は派遣社員に置き換わり、社会の批判の
  • 東大生と京大生への講演 その6

    2023-09-22 11:38  

    「アナリストよ、歴史家のように記述し、科学者のように分析し、芸術家のように共感し、哲学者のように思考せよ。」 2015年に東大生と京大生を相手にアナリスト業務について講演したことがありました。その講演内容をメモってくれた東大生のA君がいました。 8年前のものですが、懐かしく想い紹介します。■14■DDMの2つの基底は互いに独立ではない バリエーションの理解の上で重要なことは、DDMの2つの基底(r-g)とNは、独立ではないことだ。つまり、一方、たとえば、(r-g)が株価を高めるように動くときに、もう一方、配当継続期間Nは短期化する場合と長期化する場合とに分かれる。この2つの基底はお互いに影響を与えている。 正に相関する場合と負に相関する場合とがある。■15■基底同士が負の相関 理論株価には「差」しかない 財務操作全般は、これら2つがトレードオフの関係になる。 つまり、負の相関となる。配当