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孫子の投資法 投資とは詭道なり その4
2013-08-30 14:01本連載を初めてお読みになる方は<孫子の投資法その1>を先にご覧ください。 ■投資とは詭道なり その4■ ◎首を切る=将軍が私のはかりごとに従わない場合には、彼をもちいたならばきっと負けるからやめさせる 孫子のこの言葉は、次のようなエピソードでとても有名です。 呉の大臣から王に推薦された孫子は、兵法理論13巻を呉の王に献呈します。その兵法を読んで素晴らしいと思った呉王は、理論を実戦に応用できるかどうか試すために、彼に女官の訓練を命じます。 孫子は女官を「左」と「右」の両組みに分け、呉王の寵愛を受ける二人の妃を女官の訓練を担当する「左」と「右」のリーダーに任命しました。 孫子は皆の前で訓練の要領をきちんと説明します。しかし、王の寵愛を受けている女官たちは、孫子の話をきちんと聞かず、隊形が乱れてしまいます。しか し、孫子は根気よく何回も説明を繰り返します。ところが、女官たちは、孫子を馬 -
為替市場動向~世界的な債券安、逃避先は日本国債~
2013-08-29 12:34米国の量的緩和第三弾QE3を少しずつ縮小していくtaperingが9月から始まるのではないかという憶測から、米国債市場では長期債を中心に利回りの上昇が続いています。 また、長期債利回り上昇は、日本を除く殆どの主要国、新興国でおきています。 米国債10年物は、バーナンキFRB議長が量的緩和縮小を示唆した5月からの3カ月間で2%から最高2.89%まで上昇、節目の3%を伺う勢いです。 リーマンショック以降、徹底した金融緩和政策で、2012年7月には一時1.38%という歴史的な低水準に達した事もありました。ただ、50年間という長 期スパンでは平均利回りは6.5%、リーマン以降の5年間平均で2.7%ですが、2009年から2011年でみれば3%台を中心に推移していました。 短期金融市場でお金の量を増やせば、将来にインフレ懸念が生じ長期金利が上昇、景気に悪影響を及ぼすという理由で、米国は短期債売り -
有料メルマガライブラリから(74)安定的なインのキャッシュフローを確保する方法論
2013-08-28 12:30有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を再編集して毎週掲載いたします。自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。=安定的なインのキャッシュフローを確保する方法論= (有料メルマガ第15回・2009/04/07配信号) 前回のコラムで「安定的なインのキャッシュ・フローを得るためにはポートフォリオを構築し、そのポートフォリオをリスクを管理しながら成長させていくことが大事で、そのためにはまず自分の性格に適した投資ルールを、持たなければなりません。」と書きました。 従来のコラムでも述べてきましたが、投資家によって性格が違うため、投資を実行し、その結果に対する反応が違います。投資が上手くいき、利益を上げら -
物言う株主倶楽部
2013-08-27 15:33日本にはどのぐらいの上場企業の株主が存在しているのでしょうか? 日本の人口は1億2000万人、18歳以下の子供や80歳以上の高齢者を除くと7000万人ぐらいが何らかの経済活動、金融活動に関わっていると推察さ れますが、そのうちの3分の1が上場企業の株式を何らかの形で保有していると考えれば2300万人程度の株主が存在しているということになります。 また複数の銘柄を持つ投資家や日本人以外の外国人投資家もいますので、延べで考えますとその数はもっと凄い数になるでしょう。 株主数の最大企業は第一生命だとされます。100万人以上の株主に支えられている企業です。生命保険の加入者=株主ということなのでこれには敵いませんが、これに続くのがみずほFG、NTT、三菱UFJとなります。時価総額にほぼ比例した株主数だとも言えます。 昔からたくさんの株主に支えられた大型企業の株主は買い安心感からやたらたくさん -
株価上昇・下落には何らかの訳がある
2013-08-27 15:31~直近の株価が上昇したきちり(3082)の場合は何があったのか?~ 株価には上下変動がつきものです。何らかの訳があって変動しています。横ばいばっかり続く銘柄を投資家は買いたいとは思いませんが、そこにすら何らかの理由があります。 上がるのは 1)決算発表で好業績が発表されたから 2)株価の位置が過去と比べ低いから 3)新たな大口投資家が現れ、浮動株を吸い上げて需給が良くなったから 4)利益につながる好材料の発表が見込まれるから 5)中長期的に利益成長が見込めるから 下落するのは 1)株価が過度に急上昇したから 2)利益確定したいという売りが出る 3)利益が減少する可能性が感じられるから 4)中長期的な視点で売りが出ているから 5)大口の投資家が売却しているから ちなみに横ばいとなるのは 1)株価の位置からどちらにも行きづらいから 2)投資家の関心が薄くなっているから 3)買い手も売り手も慎 -
目減りした株式資産の修復活動
2013-08-27 15:28長期投資ならリターンがあがると思い6年ほど運用してきたあるプライベートな日本株の株式ポートフォリオファンドが償還されて戻ってきたら約3割目減りしてしまったと私の友人は嘆いていました。 いったい6年もの間、何に投資していたのやら、内容はよくわかりませんが、どうやらこのファンドはBuy&Hold型の運用スタンスであったようです。 ただ、委託者からの期待を背に受けたプロ運用であるなら何らかの修復方法がありそうです。そうした修復への取り組みもないまま、ファンドの償還がなされた と預託した方々は一様に不満の声。6年前のTOPIXと言うと1700ポイントでしたので現状の1140は、まだ3割以上も下の水準である点で普通の運用 であれば3割の目減りは致し方ないことになりますが、プロの運用という1点で委託者の方々は不満を言うのです。 仲間が集まって運用をしようとしてファンドをつくり、頑張ってよと目に見え -
韓国金融サービス事情~その1
2013-08-26 17:47今月は、7日~9日の3日間韓国に訪問し、現地の金融機関やFPビジネスについて話を伺ってきました。今回から2回に分けて現地でヒアリングしてきた内容をご報告いたします。 韓国は2008年に金融業界では規制緩和が進みました。日本の金融ビッグバンは2001年でしたので、そこから7年遅れての金融規制改革であったと言えます。 その結果、銀行・証券・保険業の垣根が低くなり、それぞれの金融機関で様々な商品が乗合で販売することが可能になったということでした。 2008年から5年ほどたった現在では、日本の現在の状況とほぼ変わりのない様子に感じましたので、変化のスピードは韓国の方が早いのかもしれません。 今回は特に韓国でGA(General Agent)と呼ばれる独立した金融サービス提供者(日本ではIFAとか独立FPとか呼ばれる)の事務所を2社訪問してきました。 最初の企業はIFAという企業。これはI -
海外は?トルコ編
2013-08-23 22:226月以降には海外発の不穏なニュースが続いているものの、米国の経済情報やユーロ圏経済の落ち着きなども踏まえて、当面の円ドル相場は90円台後半辺り の居心地が良いのかなぁ…?などと感じています。詳しい方に聞いたところ、9月前後が円高になり易く、それを過ぎるとまた円安に向かうんだとか…。 そんな中で気になる新興国の状況。 まずは今年春頃からデモのニュースが増えたトルコ共和国。エルドアン首相が来年の選挙に向け政治色の強い政策を打ち出し始めている故に、イスタンブール やエーゲ海沿い地域に多い世俗派(と言われていますが、西側先進国との交流も多く比較的裕福な高学歴層が多数住み、宗教的な厳しい戒律などを嫌う層)が反 発を強めているとの事です。 宗教意識が希薄な日本の都市部に住んでいると分かり辛いですが、海外の人達の宗教感はとてもしっかりしています。それ故にそれら国々の政治家もその宗教上の考え方や対処 -
勝ち組国家と負け組国家
2013-08-21 22:12<負け組国家> 最近の国際情勢は混とんとしていますが、その中でも、大きな流れがある程度見えてきました。それを特徴づけるものの一つが、「勝ち組国家」と「負け組国家」です。 数の上でいえば「負け組国家」の方が圧倒的に多いのですが、代表例は中国と韓国でしょう。 拙著「銀座の投資家が「日本は大丈夫」と断言する理由」(PHP研究所)の第4章などでも書いているように、発展途上国から中進国まで発展することは、いくつかの条件さえ整えばそれほど難しくありません。人件費(人間)の安売りをして、少々粗悪でも安い製品を大量に輸出すれば、それなりのレベルまで発展できます。 最近は、日本製の工作機械の水準が驚くほど高まっているので、極端に言えば、それを地面に置いてボタンを押すだけで、工業国の仲間入りをすることができるわけです。 しかし、そのような誰でも製造できる製品は、ウォーレン・バフエットが言うところの「 -
大株主復活
2013-08-20 17:22株式は上がったり下がったり。売る投資家、買う投資家、それぞれの事情の中で相場が形成されて参ります。株式を発行している企業の状況も刻々と変化しています。 そうした変化の中でダイナミックに変動を見せる株式市場を冷静に眺めつつ、それぞれのポートフォリオを構築しながら運用に努める皆さん自身がファンドマネージャーであり、自己責任の下で市場に直接参加されている訳です。 個人マネーでは限界もありますが、時には個人で盛んに大株主として登場する竹田和平さんのような事例もあります。また、中には事業会社も投資会社として市場に参加します。 5%ルールと言って上場企業の発行済み株式数の5%を超える株式数を買ったら届けないとならないという決まりがあってそれはEDINETの大量保有報告 書で誰でも見ることができますので、それを見ていると1銘柄に何億円も投資している大口の投資家の動きを見ることができます。 私が前
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