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書評:10万年の世界経済史<下>
2018-08-24 13:22書評:10万年の世界経済史<下> グレゴリー・クラーク著 日経BP社 https://amzn.to/2PkVlHX●経済成長が無い世界と爆発的成長をする世界 <上>に引き続いて、<下>でも著者が定義づける「マルサス的人口論」がベースとなった話が展開します。「マルサス的人口論」とは、ごく簡単に言えば<1800年以前の世界では、いわゆる「経済成長」がほとんどなく、人口が増えれば一人当たりの生産物や資源が減少し弱者が淘汰されるため、人口が 減少に向かい均衡点に落ち着く。逆に、均衡点から人口が減少すれば一人当たりの生産物や資源が増えて人口は増加に向かい再び均衡点に向かう>というものです。 <上>でも述べられているように、その「マルサス的人口論」の世界が1800年頃の産業革命によって大きく変貌したのです。しかし、著者が指摘するのは現代の経済学のほぼすべてが「マルサス的人口論」に立脚してお -
書評:10万年の世界経済史<上>
2018-08-16 02:32書評:10万年の世界経済史<上> グレゴリー・クラーク著 日経BP社 https://amzn.to/2nyIcyi まだ全体の半分である<上>を読んだだけで判断するのは早すぎると思いますが、まとまりの無い内容です。確かに個別のエピソードや資料などには興味深いものが多いのですが、<10万年の世界経済史>という壮大なタイトルの割に、中身は「枝葉末梢」のちまちました記述が続きます。 世界の経済・社会が1800年頃から(正確な始まりの時期については諸説がある)の産業革命によって激変し、それ以降急速に成長を始めたことについてはよく取り上げられます。 それが「その時代に」「英国で」始まったのが必然であったのかどうかについても論争があります。私自身は、<「歴史のべき乗法則」(詳しくは「歴史の方程式 科学は大事件を予知できるか」マーク・ブキャナン 著、早川書房を参照)の原則に従って、社会や経
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