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記事 19件
  • 珍現象発見

    2023-10-10 13:51  

     生成AIによって世の中が変わろうとする中で今やオールドエコノミーとなってしまった印刷ビジネス会社、名古屋を拠点に活動する笹徳印刷(3958)が9月22日にスタンダード市場にIPOし、上場後7日目にしてPBR0.4倍割れの典型的な低PBR銘柄となってしまいました。 PBR0.4倍割れというのは内部蓄積してきた自己資本に対して時価総額が6割も下回っている状況です。 6月決算で前期は売上高130.4億円、営業利益3.63億円、経常利益5.85億円(受取配当金と受取賃貸料が1億円、1億円近い保険解約金返戻金と合わせ2億円を営業外収益に計上)という業績ですが、決して収益性が高いとは言えませんが、黒字は計上しているといった企業です。 王子製紙などのパッケージ印刷を収益源としており、業績は比較的安定していますが、決して成長性が高いとは言えず、IPOの目的は不明ですが、恐らくは長期保有の株主の要請に応
  • 低PBR銘柄研究 KIMOTO(7908)

    2023-10-02 23:00  

     時価191円 時価総額88.2億円 PBR0.5倍(PER87倍) 保有現預金130億円、投資有価証券9.6億円 合計139.6億円(株価換算300円) 無借金経営、東レが大株主、株主総会動画あり。 スマホやデジタル家電のタッチパネル用ハードコートフィルムの最大手。 DXなど建設業界向けのデジタルツイン事業にも展開。 1994年に公開価格1860円(公募100万株)でIPOした優良企業ですが、前期は中国でのスマホ生産が停滞し営業赤字(6.3億円)に転落。今期は回復を見込むが1Qはなおも赤字で2Qまでは赤字を見込む。下期より黒字化を想定していますが、中国関連でなおも不透明感が残り株価は低迷中だがじり高歩調に転じつつあります。 今期は売上高113億円、営業利益1億円を見込む。 キャッシュリッチな企業で配当金は6円配当を予定。 過去の株価変動のパターンからは時価水準は安値圏にあり、業績はなお
  • 相場の潮流

    2023-08-28 16:27  

     株式相場は大発会から大きく上昇し、日経平均は6月の高値まで30%以上も上昇を見せましたので多くの投資家はその恩恵を受けておられるものと拝察しております。 しかしながら、その恩恵はお持ちの個別銘柄によっては一様ではなく、外国人投資家や機関投資家が主導している指数連動型の銘柄をお持ちの投資家でないと受けられていないのではないかと見られます。 それでも株主数が多いNTTやトヨタ三菱UFJの株などをお持ちの投資家にとっては過去半年でかなりの資産形成の一助になったものと思われます。 一方ではマザーズ指数の停滞に見られる株価の低迷が資産の目減りに繋がっている可能性もあり、成長を期待して投資されたテーマ株、グロース銘柄を保有されている投資家にとっては現在の潮流は恩恵を受けられていないと言えます。 メディアではほとんど日経平均がどうだという伝え方をしておりますのでこのところの相場上昇をポジティブに伝え
  • 低PBRの打破には企業の奮起が必要

    2023-08-10 13:16  

     このところ低PBR銘柄なら何でも良いという潮流がありましたが、そうした潮流が先週はやや一服したように思える相場展開が見られました。 主力株の一角も含めピーク感が出る中で、何でもかんでも低PBRだから物色されるという潮流に反省気運が出たということですが、東証の低PBR是正要請に企業側の対応が本当になされているのかが問われているものと推察されます。 投資家は投資対象となりそうなテーマとして今回はまず機械的に低PBR銘柄をピックアップして一定のポートフォリオを構築して取り組まれたものと推察されますが、余り企業の中身が良くない銘柄など一定水準まで株価が上昇した段階で売ろうと考えるでしょう。 なぜこの会社はこんなに低PBRで評価されているのかが問われている中で企業からの是正の具体的施策が打ち出されない銘柄には疑問が出てきて当然です。経営者は単に単年度の業績を上げれば良いというだけでなく、中長期な
  • 四半期決算好調でも通期見通しを変えていない銘柄への投資

    2023-08-10 13:14  

     四半期決算発表のラッシュです。 ポジティブにもネガティブにもサプライズがあると株価は発表されてからかなり変動を見せているようです。 ここで考えないとならないのはまずは進捗率の問題です。 第一四半期の業績が中間期や通期の見通しに対しどの程度進捗したのかを見るのですが勿論、進捗率が高いと通期業績の達成確率が高まり、上方修正される期待も高まりますのでポジティブです。その進捗率を見て株価は変動します。想定通りならば株価は中立的になります。問題は企業ごとに四半期業績の推移のパターンが違うことです。 いくら1Qの進捗率が高くてもビジネスがその後に縮小することもあり得ます。実際には単純に進捗率だけで判断してはいけないかと思われます。 短信に書かれている企業のメッセージをしっかり読み取り、中間期や通期に向けたイメージをしっかり掴む必要があります。 また進捗率も売上や営業利益、経常利益に分けて評価が必要
  • 株価低迷銘柄研究

    2023-08-02 16:19  

     指数自体と個別高配当利回り、低PBR銘柄群の株高で運用成果を高めた皆さんは利益確定されて、次の展開に備え様子見の状態かも知れません。 全体相場は多少調整含みの展開ながら、相変わらず先高感は残っていますので、押し目があるとすかさず買われます。先週末の日銀の政策変更ニュースは市場を駆け巡り、日経平均は乱高下を見せましたが、すかさず元に戻る展開を見せました。 今週は週初の1日だけが7月で、火曜日からは8月となります。 ここからはまた四半期決算発表のラッシュ。為替が円安となる中、値上げラッシュの一方で原材料価格は既にピークアウト。コロナ後の需要回復なども踏まえ、足下の業績は堅調。明るい中で相変わらずの先行き不透明感を企業はメッセージとして伝えてくるかと思われます。 こうした中にあって投資家の皆さんは少しでも運用成果を高めようとされているものと思われます。基本的な株式相場の潮流は変わらないとして
  • 遅かれ早かれ

    2023-07-26 15:52  

     決して全面高には至ってはいないのですが、過去半年間を振り返ると株高トレンドが続いてきたと感じられる昨今です。 3800余りの上場企業をおよそ4つに分けると、1)指数に連動して動く日本を代表するような銘柄2)長きにわたり誰からも見向きもされない中で、内部蓄積を図ってきた低PBR銘柄3)M&Aなど積極的な事業拡大で評価を高めている銘柄4)成長株として評価されてはいるがIPOしてからさほど業績拡大に至っていないグローバル市場の高PER&PBR、無配ないし低配当利回り銘柄 となる。 年初来の株式相場の潮流は4)のグループを放置して1)から3)の銘柄群に集中して資金が向かってきた。低PBR銘柄は一定の水準までは売られることはなく上昇傾向は継続することになる。 この流れは多くの個人投資家の資産増にも寄与してきたのかと思われるが、4)のグループ銘柄にのみ投資されていた方にとってはなおも不満の日々が続
  • 道半ばの低PBR是正

    2023-07-26 15:48  

     東証による上場企業への低PBR是正要請を機に株式市場の潮流はポジティブに変化しました。同時並行的に来年からの拡大NISAが話題となり、多くの投資家が株高の潮流を感じたものと思われます。 3つの投資尺度のうち昨年後半は配当利回りに関心が高まりました。 市場に存在する高配当利回り銘柄への物色気運が高まり、結果としてインカムゲインに加えキャピタルゲインも生んだということで様々な高配当利回り銘柄で高い運用成果を収めたものと推定されます。 これに続くのがPBRという尺度です。 配当利回りは配当が一定だと株価が上がると自ずと低下しますが、同様にPBRも株価上昇に連れて上がっていくことは自明ですが、市場内にある数多くの低PBR銘柄の循環物色、出遅れ銘柄物色が起きたことがこのところの株価上昇に繋がっているものと推察されるほか、企業の具体的な低PBR是正に向けたアクションが株高をもたらしてきたと言える訳
  • 目覚めよ!!低PBR企業

    2023-07-14 14:54  

     株価を評価するモノサシの代表はPER、PBR、配当利回りの3つ。 このところはPBR1倍以下の銘柄が東証からの是正要請もあり市場人気を集めているようです。 株価×発行済株式数で表される時価総額が企業の純資産を下回った状態が長期にわたり続いてきた点は、それを放置してきた企業側にも問題がありますが、物を言わないできた株主側にも問題はあります。 今回は株主に代わり東証が企業に物を言ってくれた訳でこれは過去になかった画期的な出来事と言えるでしょう。 証券アナリストの団体からも様々なPBR是正に向けた研究や提言などがなされるようになり、個人投資家だけでなく、機関投資家、外国人投資家などすべての投資家の低PBR是正への期待が高まっているものと思われます。 とは言え、是正要請に応えられる企業もあればなかなか対応できない企業もあり、株式市場はなおも紆余曲折、模索を続けざるを得ない状況にあります。 既に
  • PBR0.6倍割れ企業経営者へのアンケート調査

    2019-07-23 18:20  
     米中貿易摩擦に続く、日韓の軋轢が日本株の上値を重くしています。ここは耐える局面ですが、投資家としては不安感がある中ではなかなか積極的に腰を据えた投資ができないものと思われます。 市場内ではいくつかの足の軽い銘柄が物色気運を高めてはいますが、局所的な現象です。それでも全面安にはいかずに個別銘柄を物色しようというエネルギーが残っているだけでも救いです。 ネガティブな意見に耳を傾けてばかりでは前には進めませんね。何かの拠り所を見出すためにも情報収集は不可欠です。 いつまで右肩下がりの傾向が続くのか?投資家は止めどなく続く株価下落のトレンドをただ眺めていくだけでは能がありません。投資がリスクオフした結果の株価下落を大きく反転させてくれる材料を見出すことにここでは専念したいと考えます。 長期値下がり傾向が見られPBRが0.6倍切っている建設セクターの2つの企業経営者に億の近道より以下のようなアンケ