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記事 11件
  • 【対談】鎮目雅人さんに聞く「そもそもお金とは何か?」-後編

    2021-07-29 16:17  

     前回と今回の2回にわたり早稲田大学の鎮目教授と小屋との対談をお届けいたします。■個人の信用がお金を持っている以上の価値に?小屋:お金と信用の話をしていて、現代は違う形の信用が価値を持つようになってきたのかなと思いました。 ネットやスマホの普及によって、例えば、小屋個人の信用や人的なネットワークがものすごく可視化されやすくなってきましたよね。 個人の信用が定量化されることで、お金を持っているという価値以上のものが生まれているのではないかと。鎮目:それは興味深い視点ですね。小屋:身近な例でいうと、最近、クラウドファンディングをやる友人、知り合いの経営者がたくさんいまして、僕もお金を出すのですが、商品や企画に惹かれる以上に、その人個人を信用して参加している気がします。 つまり、個人がちゃんと信用作りをしていると、それがお金にも換えやすい時代になったと思うんです。鎮目:その支援をするときの通貨
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その15

    2021-07-28 20:03  

    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/8月号連載記事■その15 「信用」が富の源泉である●交換は人類を豊かにした 「人類とサルの違いは何か?」という疑問を子供の頃から持っていたが、いまだにその回答を明確に得ることができないでいる。 巷では、「サルが人間に進化した」ということがよく言われるがこれはまったくの間違いである。正確には、「人類とサルの祖先が同じで、途中で進化の道筋が分かれた」のだ。 脊椎動物である両生類から哺乳類が分岐したと考えられる2億年ほど前に比べれば、ヒトや類人猿が「旧世界ザル(オナガザル上科)」から分岐したのは3000万~2500万年前とされているから、最近のことである。 しかし、このような生物学的な考察よりも、人類を人類たらしめているのはその「文化」「文明」である。 今のところ、人類最古の遺跡はトルコ(アナトリア南東部)のギョ
  • 紙幣制度の崩壊

    2021-04-23 22:09  

     1万円札、5000円札、1000円札といった紙幣は私たちの生活になくてはならない存在です。 皆さんご存知の通り、2024年に予定されている新紙幣には日本の社会経済の礎をつくってきた3人の新たな顔が登場することになります。 1万円札には「資本主義の父」とされる渋沢栄一、5000円札には津田塾大学創設者の津田梅子、1000円札は「日本の細菌学の父」北里柴三郎が予定されています。20年ぶりの新紙幣登場まであと3年に迫ってきました。 そこで今日はお金にまつわるホットな話。 現金を使わないキャッシュレス社会に向かいつつあるとは言え、私たちの多くはこれまで紙幣との付き合いに慣れてきました。紙に印刷された紙幣やアルミや銅などでつくられた小銭で支払うのがまだまだ当り前の社会体制であろうかと思います。 少なくとも現金(信用の証明)がないと普段のちょっとした買い物もできませんし、サービスも受けられませんね
  • 次のBRICSまでは?

    2020-06-08 21:57  
     何度も書いていますが、軍事独裁国家と言うのは本当に恐ろしいものです。 大人しく暮らしていれば問題無いのでしょうが、何らかの環境変化によって、いつ何時不可解な理由で突然拘束され命を落とすか分からないのですから。 香港市民が今その瀬戸際まで追い詰められています。 政権(権力)維持のためなら自国民でも虫ケラのように殺してしまう。およそ国家と呼べるものではなく、自身の権力が及ぶ地上の縄張りを維持するために、巨大暴力組織が特定地域を支配して国家を名乗っているだけです。 さて、コロナ禍による世界的な景気の悪化、原油の下落、財政リスクの増大等々、新興諸国には受難の日々が続きます。 数か月前までのメルマガに「利回りの高い新興国関連の投資先を探している」と書いていましたが、新型コロナ騒ぎが始まったことで新興国通貨は一段と売られました。数年前から比較すれば相当の通貨安ですが、なかなか霧が晴れず、もう1年以上
  • 投資あれこれ

    2018-12-15 00:13  

     相変わらずトランプ政権の無茶振りが伝わってきます。とは言え、その無茶なトランプ大統領のお蔭で、今まで倫理観も遵法意識も欠落していた、やりたい放題の中国狂産党の悪事が徐々に是正されることに溜飲を下げているところでもあります。  私と同じような気分の方も多くいらっしゃるのではないかと(笑)  確かに、そろそろ中国政権の悪事を叩いておかないと手が付けられなくなる恐れがあります。公海上に勝手に国境線を引き小国を脅し、買収し、隙さえあれば他人の物や技術を盗み取り私腹を肥やすと言う、やっていることは詐欺集団や強盗と一緒ですから。  国際司法裁判所の決定を「紙クズ」と言い捨てる一方で、「国際法に則って・・・」と主張するのですから、その横暴ぶりに呆れます。約束を守れず、法律も無視する国が増えているのですから金融市場も不安定になります。  トランプ大統領がもう少し賢く、且つ目立ちたがり屋で無ければ西側
  • 新興国為替

    2018-08-18 17:50  

     日本の株式市場は不穏なニュースが出る度に、指数がひたすら乱高下するだけの味気ない市場になりました。個別銘柄でも材料が出る度に機械的に買われたり売られたり・・・、感情の無い無機質な市場です。  その他では、信用買い残が増えた銘柄に海外ファンドが大量の空売りで株価を叩き落したり、小型株が連続してストップ高を演じたりと、相場操縦のような売買が目立つくらいで、生身の市場参加者が居なくなってしまったかのようです。  ここ数日は日経平均で500円も乱高下していますが、売買代金は2兆円前後と少ないですから、市場参加者が少ない中でファンドが指数売買で市場を大きく動かしているだけの状態です。  昨日は変なニュースもあると聞きました。  以前にこのメルマガにも書いたカーボン銘柄のニュースです。  昨日、今日と大きく売られています。  ニュースによると「中国地場企業による黒鉛電極の生産が回復しつつあり、需
  • 為替市場動向~株高の傍ら、為替市場は小動き~

    2017-10-20 02:49  

     米国株(NYダウ一時23000台)もドイツ株(DAX指数一時13000台)も史上最高値を更新する中、日経平均株価は17日で11連騰(但し、史上最高はあのバブル終焉直前の最高値には遠く...)と新興国も含めて世界的な株高が進む中で、為替市場は株価との相関が低下して、狭いレンジ内での動きになっています。  このところの為替市場動向の背景には、日本の衆院選挙結果待ち、米国のFRB議長人事決定待ち、来週開かれる10月のECB理事会における量的緩和縮小計画案待ち、また、今週から始まった中国の共産党大会への注目もあるでしょう。  中でも、米国の金融政策を決めるFRB議長人事は決定が近い(トランプ大統領がアジア歴訪に出かける11月3日以前に発表されるとの報道)ということで来年の遠い話から、もうすぐの近い話になってきました。  候補者は5人に絞られ、トランプ大統領曰く「正直言って、全員が好きだ。全員
  • 足元を再考する

    2015-01-27 22:43  
    始めに、それにしてもと、民放の体たらくには腹が立ちます。  海外ではISISの過激化など大変な状況になっているのに、先日は民放各社のトップニュースが「19歳の万引き(もどき?)」一色でした。百数十円の飲み物やお菓子の万引きのニュースで、ツイッターの投稿画像を何度も映しだし意味の無い解説を繰り返していました。  こんなマヌケなニュースの合間にも世界中で毎日何百と言う人がテロ犠牲に遭い、原油価格も乱高下するなどで日本の景気にも大きな影響を及ぼしています。 それこそ世界の景気動向や為替動向を分析し、日本人がこれからどうすべきか、これからの世界にどう向き合うかなどを考える機会をもたらさねばいけない時 に、手間のかからない投稿動画と無意味なコメントで公共の電波を無駄にしています。  総務省の優良天下り業界が野放し状態になっている典型例です。大した競争も無い世界で濡れ手に粟の仕事をし、某ディレクターが
  • 為替市場動向~地政学リスクありながらの夏休み相場に?~

    2014-07-24 13:36  
    暦の上では今日は大暑ですが、市場の方は概ねクールな展開です。ウクライナ情勢、中東情勢が伝えられると反応するものの方向性に著しい変化は見られませ ん。いつものことながら、米国の主要イベント(7月月末のFOMC)や主要経済統計(8月月初発表の7月雇用統計や第二四半期GDP)待ちか?という声も 聞かれます。地政学リスクを懸念しつつも、夏休み要因も重なり、引き続きレンジ相場が続きそうです。  6月末からの主要通貨の上昇トップは、利上げをした南アフリカ・ランド(+0.6%)、下落トップは利下げしたスウエーデン・クローネ(-2.4%)です。そのほかに上昇した通貨はシンガポール・ドル、メキシコ・ペソにブラジル・レアルでしたが、微小な上昇率でした。  米ドルの価値を、対貿易取引国通貨のバスケットで構成される指標、ドル・インデックスは5月につけた安値(79.093)から直近では80.779と上 昇してきてい
  • 為替市場動向~今日始める?年越し?QE3縮小~

    2013-12-20 16:34  
    今月の最注目イベント、米国の金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)が開かれています。結果発表は、日本時間19日午前4時。続いて4時半 にバーナンキFRB委員長が記者会見する予定。最も注目されているのは、ご存知の通り、量的緩和第3弾QE3の縮小(Tapering)が始まるかどうか です。  市場予想はまちまちですが、毎月850億ドルの資産購入が、今月からの50~100億ドル相当縮小されるとの見方がある一方で、来年の1月または3月に 縮小が開始されるとする年越しの見方もあり、今のところ後者がやや多数派です。クリスマス休暇前に加えて、この注目イベントを前に市場が薄くなっている 中、相場は神経質な動きとなっています。  今年11月には、米FRB新議長イエレン氏の議会証言が緩和の長期継続と受け止められて、今年中の縮小はないと見る向きが大勢でしたが、10月や11月 の雇用統計が予想以上に良か