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孫子と三賢人のビジネス その13
2019-10-09 13:19産業新潮 http://sangyoshincho.world.coocan.jp/10月号連載記事■その13 統制と組織●命令と自由とブロックチェーン どのような人物でも他人から「命令」されることは決して楽しくないはずですし、逆に自分の考えで「自由」にふるまうことは心地よいはずです。ですから、インターネットの創世期のようにほとんどすべてのことが許される世界は人々をひきつけます。 しかし、現在のインターネットは完全に自由とは言えません。 チャイナ・北朝鮮・ロシアなのどの共産主義独裁国家における情報統制は別にしても、米国や日本などの先進国においても、犯罪(あるいは犯罪予備軍)、テロ行為などにかかわる情報は厳しく取り締まられるようになっています。 ビット・コインなどの仮想通貨のおかげで脚光を浴びるようになったブロックチェーンですが、仮想通貨の未来は暗いのに対して、その仮想通貨を支えるブロックチ -
孫子と三賢人のビジネス その3
2018-11-30 16:25
産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/ 12月号連載記事 ■その3 戦わずして勝つべし ◆何もしないおじさん 私の友人で、メディア業界で長年働いた後、現在は自身の事業を行いながら大学の講義で教えている人物がいます。彼は毎年の授業で必ず学生たちにこのように言うそうです。 「君たち、社会人になったら会社というところには、何もしないおじさんがたくさんいるんだよ!」。 すると、学生たちは 「へぇ・・本当ですか?働かないおじさんがたくさんいたら、会社が成り立たないと思うのですが・・・」 と怪訝そうな顔をします。 ところが、彼らが卒業して2~3年後に彼のところへ遊びに来ると 「先生のおっしゃったことは本当でした」 と口をそろえて言うそうです。 このような会話はあちこちで交わされていると思いますが、この「学生」や「先生」の考え方は根本的に間違っていま -
保身
2018-07-17 21:01
まず西日本の豪雨被害。たかが雨と侮れない、集中するときには本当にすさまじい脅威となります。被害に逢われた皆様の早急な回復をお祈り申し上げます。 これからの日本では今までのような非効率で、つぎはぎ的な対処法(公共工事の奪い合いなど)では無く、安全性を高めた、より計画的な住宅・都市整備が必要と感じます。 が・・・、おらが村(地元後援会)への予算誘導や自治体内での(既得権による)予算配分の硬直化が、自治体行政の自由度を奪うことで効率化が阻害されています。 民間でも経営トップが新事業や効率性を追求できず、リスクも取れず、工夫も無いままに旧態依然の組織態勢を維持してしまうようでは企業の成長はありません。 何故変化できないのか? 万が一にも経営に悪影響が出るようなことをして責任を追及されたら困る。 加えて企業内でも既得権の障害があります。つまり保身のため。 無難な程度の設備投資や株 -
ドラッカー18の教え 第14回
2018-04-26 08:39
産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/ 5月号連載記事■大きければいいというわけではない ●大きいことはいいことだ? 私と同世代かそれ以上の方なら、山本直純氏が出演したエール・チョコレート(森永製菓)の「大きいことはいいことだ!」というコマーシャルをご記憶のことでしょう。当時はまだ高度経済成長時代で、規模さえ拡大すれば、業績(利益)は後からついてくると思われており(実際かなりの部分においてそうだったのですが・・・)、「大きさ」を追求する世相をうまくとらえて、このCMは爆発的にヒットし、おかげでエールチョコレートもかなり売れました。 今では、やたら規模だけ大きくても仕方がないということは、大手金融機関・企業の破たんによって、世の中に知られるようになりましたが、それでも企業経営者の報酬は、会社の業績やクオリティよりも、規模によって大きく影響されま -
ドラッカー18の教え 第12回
2018-03-01 01:27
産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/ 3月号連載記事■組織は凡人を非凡にすることができる ●一+一=三になる 数学の公式で「一+一=二」は誰でも知っています。そしてこの公式は普遍的であり、変わることがありません。また、現実の世界でも、佐藤浩市が某社のコマーシャルで語っていたように「力を合わせれば一+一=三になるというのは幻想であり、一+一はあくまで二にしかならない」と考える人々も多いようです。しかし、それは間違いです。 そもそも、一+一が二以上にならないのであれば、それぞれ一のままでいた方がましです。例えば、自営業者・フリーランスは一です。その一が集まって組織を作ってもメリットが無いのであれば、一億総フリーランスになった方が、国民にとって良いということになります。なぜなら組織に属すれば、当然のことながら組織のルールに拘束され、個人の自由が多 -
少人数組織を運営するための哲学 その2
2016-09-10 00:37わたしが属するヘッジファンドの業界は生き馬の目を抜く業界だ。 毎日、成績で評価される。そのストレスから、心身ともに疲弊する日々だ。 事実、毎年のように、ヘッジファンドは消滅する。 以前の会社では、最後まで残った運用チームは3つだけだった。 10以上の運用チームが7年間の間に解雇となった。 そう、ヘッジファンドは、成績が悪いと解約されてしまうのだ。 だから、わたしたちのチーム6人が、10年以上、ヘッジファンドマネジャーを続けられたことは奇跡に近い。 この業界に関わらず、 世間一般に、チーム運営は簡単ではない。 なぜなら、人間関係が難しいからだ。 人間関係は、些細なことですぐに壊れてしまう。 わたしもチームの運営は試行錯誤の連続であったし、 とくに、メンバー間の関係に苦慮してきた。 この10年の組織運営において、「組織は、こうしたら上手くいくぞ!!!」 という経験則を得た。 その経験から、基 -
少人数組織を運営するための哲学 その1
2016-09-05 15:50わたしが属するヘッジファンドの業界は生き馬の目を抜く業界だ。 毎日、成績で評価される。そのストレスから、心身ともに疲弊する日々だ。 事実、毎年のように、ヘッジファンドは消滅する。 以前の会社では、最後まで残った運用チームは3つだけだった。 10以上の運用チームが7年間の間に解雇となった。 そう、ヘッジファンドは、成績が悪いと解約されてしまうのだ。 だから、わたしたちのチーム6人が、10年以上、ヘッジファンドマネジャーを続けられたことは奇跡に近い。 この業界に関わらず、 世間一般に、チーム運営は簡単ではない。 なぜなら、人間関係が難しいからだ。 人間関係は、些細なことですぐに壊れてしまう。 わたしもチームの運営は試行錯誤の連続であったし、 とくに、メンバー間の関係に苦慮してきた。 この10年の組織運営において、「組織は、こうしたら上手くいくぞ!!!」 という経験則を得た。 その経験から、基
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