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記事 29件
  • 低PBR銘柄百選

    2023-12-23 13:24  

     日本の株式市場には保有している純資産よりも時価総額が小さな銘柄がたくさんあります。今年はそうした低PBRを放置している企業に東証から改善要請が出て、そうした銘柄が見直される展開がありました。 今年のこの動きは果たして一過性なんでしょうか? 一頃人気化した低PBR銘柄の株価はこのところはやや大人しくなってきたとの印象がありますが、筆者は来年もまたこの流れが続いていくと予想しています。 企業側から具体的なPBR1倍超えに向けた改善計画が示されることで、投資家がそれに反応してリスクテイクする流れが、年明けから予想されます。 そうなるとまた個人投資家の皆さんの物色は低PBR銘柄に向かうということになりそうです。そうなると中途半端な銘柄の運用成果は上げ難いということにもなりそうですが果たしてどうなりますか。 今回から本コラムでは今年一時活躍しながら後半にまた調整している低PBR銘柄を数銘柄ずつ取
  • 今年の活躍株

    2023-12-23 13:20  

     年末が近づき、俄に慌しくなって参りました。 毎年やってくる年の瀬。1年の締めくくりを迎える時期を皆様どのように過ごされているでしょうか。 相変わらず二極化が顕著な株式市場で陽と陰の織り成す株価変動に翻弄されている投資家各位にエールを送りたいと思います。 ネット上には勝手な企業コメントが様々に踊ったりしておりますが、株価は淡い期待の材料よりも明確な業績の変動に従って変動するという現実を今年も随所に目の当たりにされたものと思います。 インデックス運用が盛んな日本でアクティブ運用はマイナーな状態ながら、いずれまたやってくる中小型個別成長株の活躍を念頭に銘柄研究に勤しんでおられる皆さんもお見えかと思います。 残念ながら今年は多くのグロース銘柄には見切り売りが見られて、下げトレンドの悲哀を味わった方々も多いかも知れませんが、一方では業績好調な銘柄には人気集中となり、先見の明でそうした銘柄にリスク
  • モノづくり企業の新たな挑戦

    2023-10-30 22:33  

     本誌でも時々取り上げて参りました福岡に本社を置く金属加工を中心にしたモノづくり企業として創業以来積極的な事業展開を行ってきた日創プロニティ(3440)が先週、アナリスト協会主催の決算説明会に登場。 8月本決算についての説明を石田社長とIR担当役員の諸岡取締役で行いました。 石田社長は創業者からバトンタッチした2代目。諸岡取締役は銀行出身で社長の片腕的存在です。 これでアナリスト協会での説明会は2回目ですが、前回よりも今回の方が参加者が多かったとの印象です。 同社は加工の総合商社を標ぼうしており、自社の大きな工場を福岡と福島に置き、金属加工をメインに行っているほか、数年前にM&Aで最初にグループ入りした群馬県所在の吾妻ゴムではゴム加工も行っています。 かつてはソーラーの架台特需で3期間で50億円もの利益を計上。この蓄積資金をM&Aや設備投資に充当しながら業容を拡大してきました。 現在グル
  • 決算発表を10月13日に控える日創プロニティ(3440)の研究

    2023-10-02 23:34  

     スタジオジブリをグループに入れたとの報道で日本テレビHD(9404)が一気に株価が1675円台まで急騰を演じました。 日本の中には後継者難で悩む企業が多く、それをキャッシュリッチな企業が買い取って自らも成長を図ろうとする事例が見られます。 食品ではヨシムラFHD(2884)がその典型ですが、以下取り上げる日創プロニティ(3440)もその典型企業だと言えます。 小規模ながらM&A型の投資で事業規模拡大を図り成長を目指す日創プロニティが8月配当落ちしてから株価は900円割れを演じた後、下値模索が続いています。 10月13日(金)に8月本決算を発表予定でその翌週の18日に日本証券アナリスト協会にて決算説明会を開催予定。ここではPBR1倍割れの現状に対して熱いメッセージを発信するものと期待されます。 同社株は年初から上昇トレンドを辿り直近高値は7月31日の1011円、8月18日の1003円。こ
  • 工場見学会報告

    2023-06-01 20:36  

     コロナ禍で萎縮していた様々な活動がようやくコロナ前の状態に戻ってきた。 オンライン化が進展してきた企業のIRも徐々にリアルなアナログな活動も見られるようになってきた。 そんな折、17日に筆者はある上場企業の工場見学会に参加した。 それは日創プロニティ(3440)という福岡に本社を置く加工の総合企業を標榜する企業の福島工場。所在地は福島県石川郡石川町で敷地面積が4万1418平米という規模の工場。ここでは様々な金属加工を行う同社の東日本をカバーする一大拠点で、操業開始は2014年3月。東日本大震災後のソーラー発電固定買取り価格(FIT)制度の下で需要が急増した太陽電池アレイ支持架台の製造拠点ともなり同社の業績拡大に貢献してきた。 同社はFIT需要の一巡の一方で今後の需要拡大が見込める金属サンドイッチパネルの生産拡大を図るために15億円を投じた第一工場に続いて18億円を投じて第二工場を昨年2
  • 頑張れ!!日創プロニティ

    2023-03-02 15:39  

     九州・福岡に本社を置く地方のモノづくり企業、日創プロニティ(3440)は加工の総合商社を標榜し、日本国内に存在する実績豊富で有力なモノづくり中小企業を積極的なM&Aでグループ化し成長を図ろうとしている筆者の注目企業の一つである。 半導体や電子部品などのような凄い技術力を持っているハイテク企業とは同列には扱えないものの、様々な素材、とりわけ鉄やアルミなどの金属素材を加工していくノウハウを保有し、自らを加工の総合商社という位置づけで事業展開をしている。 2013年から始まったFIT(固定価格買取制度)の下でまだ小さな事業規模であった同社の業績はソーラーパネルの設置用金属架台への需要が拡大しわずか3期間で累積利益50億円以上となったことは今となっては同社を語る過去の伝説的な話である。 ちなみにその3期間というのは [2013年8月期]  売上高63億9000万円  営業利益27億64百万円 
  • M&Aを考える

    2023-02-24 16:07  

     上場企業には上場している以上は投資家から何らかの成長へのミッションが与えられています。その成長期待に応える方法としては、自社内の経営資源を有効に活用して売上、利益に結び付ける方法が基本でした。 しかしながら既存事業がこれ以上伸びないのであれば新規事業に活路を見出す必要がありますし、そのためには市場調査、人材の確保、研究開発や新たなに設備投資など大変な手間と労力、資金が必要となる訳です。 これを既存の事業が元気なうちに新たな事業に取り組むことで企業は新たな評価を得ることになります。 企業の投資には人材投資、設備投資、研究開発、システム投資などがあります。損益計算書上にこれらの投資は何らかの格好で反映されることになりますが、投資家の皆さんはこの企業が行う投資に関心を寄せておく必要があります。 残念ながら先行投資と通常の投資が色分けされる訳ではありませんので損益計算書にはそうした表記がないの
  • 長期低迷株の復活への期待

    2022-11-24 17:35  

     トレンドフォロー型の運用と長期調整を続けてきたボトムを探る銘柄の投資をコアにした運用では前者がポジティブに株価を見ておく必要がある一方で後者には徹底した企業内容の吟味とチェックが必要です。 更にはそうした銘柄を買い始めた場合はこれでもかとばかりに売り物が出てきたりしますので忍耐が求められます。 多くのBUY&HOLD型の投資家の皆さんは二極化相場の下でご苦労があるかも知れません。1年程度のタームならばとにかく、3年、5年という長期保有株であると上向かないで下向き状態が続くと諦めて売るという行動に出てしまいます。 その方がすっきりするという意見も多く、それはそれで良い方策になるかと思います。いつまでもだらだらと下げ続ける銘柄に別れを告げて早く時流に乗りそうな銘柄を組入れておきたいというのが投資家心理。 発行体がそうした株価の下落に対してしっかり対応してくれるのであれば良いのですが、なかな
  • 特別企業レポート 加工の総合商社 日創プロニティ(3440・S)

    2022-11-04 15:11  

     私の本メルマガでのミッションはどういう訳か、これまでコラムにて主張する点がメインでしたが、今号以降、時々企業レポートとしてお送りしたいと思いますのでよろしくお願いします。 企業評価はその立場によって違ってきますが、私としては企業アナリストの位置づけで投資家の皆さんに参考になるよう中立的に分析したものを本コラムではお届けしたいと思っております。ですから本レポートでは投資の決断には至らないかとは思いますが、更に皆さんの研究に至ればと考えております。 まずはこんな会社もあるのかという程度で御覧になって下さい。 今回は福岡に本社を置く日創プロニティ(3440)です。 同社とは過去4年程度の期間にてフォローして参りました。 この間の株価は上げ下げが結構はっきりしており、波乱万丈の値動きを続けて参りました。ただ、企業としての活動状況はなかなか活発なものがあり、現在もフォローしながら皆さんに認知して
  • 3年寝太郎株よ目を覚ませ

    2022-07-27 12:17  

     皆さんは昔話の3年寝太郎の話を耳にされたことはありませんか。 ざっくり言うと3年寝ていた太郎が目を覚ますと大活躍をするという話ですが、株式市場にもそんな株は多いようです。 多くの投資家はなかなか目を覚まさない3年寝太郎株に業を煮やして売ってしまい、その後目を覚まして大活躍をする驚くような株価暴騰で悔しい思いをされたりします。株価が下げ続けるとどうしても嫌気がさしてそうした行動に出てしまいがちです。 一旦目が覚めるとこれまでの沈黙がうそのような株価変動になり手がつけられないといったことが起きます。果報は寝て待てとも言いますが、株式投資で成果を得たい投資家には、忍耐が求められるということでもあります。 日本の株式市場には「3年寝太郎株」が様々に存在していますが3年というのは極端な事例ですが、1年や2年はざらにあり、株価の下落トレンドをじっと眺めている必要があるというのが現実です。 本日はそ