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記事 42件
  • 為替市場動向~米金利上昇でもドル安~

    2018-02-02 00:36  

     2018年入りした市場は、投資家のリスク選好が高まりと共に始まり、株高、ドル安、債券安(利回り上昇)が進みました。  ここ数日は月末要因という一時的な要因なのか?トレンド転換なのか?見極める必要があるとは思いますが、債券利回りの上昇を主な理由にして株式市場が大きな反落を見せました。  余談ではありますが、今日1月31日は特別の満月(スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン)、皆既月食であることと関係あるのかないのかは不明ですが、株式の新年ラリーを中心にしたリスク選好相場に修正が入っても不思議ではない頃なのかもしれません。  まずは、米国債利回り上昇から見ていきたいと思います。  2016年トランプ氏が米大統領に当選後に、財政への影響を見て米債10年物利回りは2.6%台をつけましたが、その後は大型のインフラ投資等の政策の実現性への期待が低下して一時は2.1%割れまで利回りが低下する場面もあり
  • 為替コメント:ドル円の行方

    2017-01-11 00:44  

     今年もよろしくお願いします。  年始早々ドル円は115円割れ寸前まで下落している。  昨年はチャイナショックが市場を襲ったが、今年も中国の影響を受けている。  中国からの資金流出による人民元安に歯止めをかけるために、中国人民銀行がドル売り元買い介入をしてドルが下落によるドル売り。  元売りをしている投資家のヘッジのためのドル円の売りなどもドル円下落の一因になっている。  そのほか米国長期金利の下落、11日のトランプ氏の会見前にポジション調整などが今回のドル円の下落の原因。  115円がサポートできるかどうかの正念場。  維持できれば115~118、できなければ112~115という感じだろう。 (YEN蔵) (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は
  • 日銀&FOMC

    2016-09-26 17:20  
     ビッグイベントのダブルヘッダーが終了した。  日銀は追加緩和とはいえないが、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入した。  今回マイナス金利を維持したまま10年もの国債の利回りをゼロ%に維持するように国債を買い入れイールドカーブをコントロールする。  オーバーシュート型コミットメントとして2%のインフレ目標が達成されるまで金融緩和にコミットメントすることが決定された。これは短期金利を低いままにして長期金利をある程度高く維持し、銀行や生命保険会社の収益に配慮する政策ともいえる。  またETFの買い入れでは2.7兆円をTOPIX連動ETFを対象とすることとした。  決定を受けて日経平均は1.91%上昇、TOPIXも2.71%の上昇となり特に銀行株指数は7%近い上昇となった。  ドル円も一時102.70付近まで上昇したが、これは株高に連動したもので、今回の日銀の決定事態は円安に寄与するもの
  • 米雇用統計と労働生産性

    2016-08-15 20:32  
     7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25.5万人と予想の18万人を上回る強い数字となった。6月分は29.2万人、5月分は2.4万人に上方修正され2ヶ月で1.8万人の増加となった。  失業率は4.9%と予想の4.8%を上回ったが、労働参加率は62.8%と前月から0.1%上昇した。パートタイマーを含むU6失業率は9.7%と前月の9.6%から上昇した。  時間当たり平均賃金は25.69$となり前月比0.3%、前年比2.6%上昇した。  今回の米雇用統計は総じて強い結果となった。  数字を受けて12月の利上げの織込み度はFEDWATCHによると34%から46%に上昇した。2年債利回りは前日の0.647%から0.7261%に、10年債利回りは1.502%から1.5902%に上昇した。  利上げの可能性がやや高まったが、ダウは191ドル上昇した。  今回の雇用統計は良い数字となり2ヶ月連続で改
  • 英国の金融緩和

    2016-08-08 13:34  
     BOEは予想通り政策金利を0.25%引き下げて0.25%とした。2009年以来7年ぶりで過去最低となった。  国債買い入れを3750億ポンドから4350億ポンドに拡大。8日から6ヶ月にわたり買い入れを行う。3~7年、7~15年、15年以上を均等に購入、8~10月の間は各年限に11.7億ポンドの予定。  国債に加え投資適格の社債を100億ポンド買い入れる。18ヶ月かけて英国経済に多大な貢献をしている企業の債券を買い入れる。最大1000億ポンドの銀行向け資金供給スキームを導入する。  予想を上回る金融緩和を受けてポンドドルは1.31付近、ポンド円は132.55付近まで下落しポンドは全面安となった。  ただポンドもショートポジションがたまっており、このショートが解消するまではしばらく1.3~1.35、128~138円のレンジで推移するものと思われる。 (YEN蔵) (情報提供を目的にしており
  • 為替市場動向~政策へのアツい期待の先は?~

    2016-07-28 14:45  
     Brexitは当初のショック症状がおさまり、今後の動向と影響を見ていくというプロセスに入りました。その後の市場の関心事は、日本の参院選後の景気対策大規模化への期待に移り、株安や円高の修正へと繋がりました。  参院選で自民党が公約に掲げた「アベノミクスの加速」は、自民党大勝により、大規模な景気対策、日銀追加緩和政策を具現化していくという連想を呼び、市場での憶測は徐々に景気対策規模もエスカレートしていった感があります。  折しも、来日していたバーナンキ前米FRB議長と日銀総裁、安倍首相が会談していたことが、日銀による新たなヘリコプターマネー政策を連想に繋がりました。  ヘリコプターマネー説については、先週末に黒田日銀総裁が英国放送局とのインタビューで否定して、上昇していた相場の巻き戻しにもなりました。また、先 週末からの巻き戻しは、7月27日米FOMCや7月29日の日銀政策決定会合を前にし
  • 国民投票の影響

    2016-07-04 20:54  
    29日の英国の国民投票を受けてポンドは急落した。しかしその後にこの材料を織込み市場は落ち着き気を回復しポンドもやや反発している。  昨晩はカー二―BOE総裁が英国のEU離脱を受けて、「経済見通しは悪化しており、おそらく夏にかけて金融緩和策が必要になる可能性が高い」と発言し た。金融政策委員会は7月14日の会合後に状況の暫定評価を発表、最新の経済見通しを公表する8月4日に包括的な評価を明らかにするとした。  カー二―総裁の発言を受けてポンドドルは1.34台前半から1.32付近まで下落、ポンド円も137.70付近から135.82付近に急落した。  また離脱派をリードしてきたボリス・ジョンソン元ロンドン市長は時期保守党党首選への出馬を取りやめ、同じく離脱派のゴープ司法相が立候補。EUとの関 係修復にジョンソン氏の指導力に疑問符がついたなどの意見もあるが、保守党のしかも離脱派の中でもひとまとまりに
  • 為替市場動向~Brexitショック、とりあえずは収束?~

    2016-06-30 17:44  
    6月23日に行われた英国のEU離脱か残留を問う国民投票の結果は「まさか」のEU離脱派の勝利でした。  翌日24日金曜日アジア時間に開票が進み、徐々に離脱派が優勢になるにつれ一気にリスクオフの動きで相場がパニック的な動きに。  投票日直前から開票開始頃までは残留予想が優勢になり、リスクオフの緩和の動きが起こっていたので、離脱優位の報に、為替市場ではポンド・ドルが始値 1.50台前半から1.32前半まで売られ、ドル円は106円台から瞬間99円台前半をつけるというパニック的な動きとなりました。  日経225平均株価も、16300円台から一時14864円台へとズドンと落ちました。  その後、英国のEU離脱については、マスコミでも大々的に報じられて、欧州専門家の方々や経済評論家の方々が諸々コメントされていますので、たくさん目 に耳にされていることと思いますが、不安心理はいったん休ませて、この結果に対
  • 為替市場動向~Brexitリスクだけではない?世界的な空模様~

    2016-06-16 20:09  
    重要なイベントが続く6月。欧米の年半期決算直前でもあります。  そんな中、世界の債券市場では長期金利が下げ、金融市場ではリスク回避の動きが主流になっています。ドイツの10年国債もマイナス利回りになり、日本国債もマイナス幅を広げていて、マイナス金利は見慣れてきたものの異常さを感じます。  長期金利下げの背景には、5月に再燃した米国の利上げ期待が予想を大きく下回る5月の雇用者数への失望から萎んだこと、さらに先週になって英国のEU離 脱の是非を問う世論調査で離脱派が優勢になったことから、離脱した場合の予想できないリスクに敏感になったことがあげられます。  国の政策が従来のように効を奏していない現実への不安や、世界的に広がる閉そく感もあるように思います。  今月の重要イベントの一つである日米英の金融政策決定会合が今週開かれています。  本日行われる英国中銀のMPCは来週の国民投票を前に政治色との関
  • 為替市場動向~日本の正念場?仙台、伊勢志摩。6月正念場の英国~

    2016-05-19 15:55  
    米国の利上げ予想が再び浮上してきました。  直近で発表された住宅関連指数、小売売上、物価関連の指数等、経済指標好調だったことに加えて、一部連銀総裁(2名)から6月の利上げも排除しないという話が伝わったことによるものでした。  利上げ期待を織り込んでくる2年物米債利回りは8bpだけ微妙に上昇反応しただけでしたが、株式市場は嫌気しました。  直近の、エコノミストによる米利上げ予想では、6月の金利据え置きが9割近くで、利上げ予想が据え置き予想を超すのは12月以降です。ただ、今後の経済指標次第で早まってくる可能性はあります。  現在の10年物米国債利回り1.78%はインフレ率を考えても低位安定状態。原油価格の反発による期待インフレ率上昇や小売売上などの景気関連指標の堅調さが見られれば利上げ時期は早まる可能性もあってもおかしくないと思います。  4月の日銀の追加緩和見送り、米国の為替報告書に為替操作