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記事 28件
  • トランプ大統領とマーケット

    2017-02-01 02:24  

     注目されたトランプ氏の大統領就任式は無事通過した。  就任演説も目新しいものは無くアメリカファーストを連呼して、対外的には保護主義的なイメージが強いものとなった。  しかし選挙戦からのトーンを踏襲したもので、ある意味では想定内の内容となった。具体的な財政政策などに触れることも無かったことはマーケット的には失望を誘うものになったのかもしれない。  今後のスケジュールとしては2月6日までに発表される予算教書が重要となり、ここで財政政策などを示した具体策が出てくるのかに注目される。  また3月になると米債務の上限問題が復活する可能性があり、3月中に米上下両院予算委員会で決議案が作成され、4月中旬までにその決議案が本会議で決議されるのかどうかが注目される。  4月には米財務省為替報告書が議会に提出されるが、ここで中国が為替操作国として認定されるのかどうか、他の国々はどう扱われるかが注目される
  • 為替コメント:ドル円の行方

    2017-01-11 00:44  

     今年もよろしくお願いします。  年始早々ドル円は115円割れ寸前まで下落している。  昨年はチャイナショックが市場を襲ったが、今年も中国の影響を受けている。  中国からの資金流出による人民元安に歯止めをかけるために、中国人民銀行がドル売り元買い介入をしてドルが下落によるドル売り。  元売りをしている投資家のヘッジのためのドル円の売りなどもドル円下落の一因になっている。  そのほか米国長期金利の下落、11日のトランプ氏の会見前にポジション調整などが今回のドル円の下落の原因。  115円がサポートできるかどうかの正念場。  維持できれば115~118、できなければ112~115という感じだろう。 (YEN蔵) (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は
  • 為替コメント:ドル円の行方

    2016-12-06 00:34  

     ドル円は節目の115円の手前で反転した。  トランプ大統領が決まるまでのレンジは99~107円のレンジ、そのレンジを上抜けしてレンジ分の8円ということで115円は倍返しのレベルになっている。  また今年の2月に下抜けするまで115~116円は2014年11月から1年以上サポートしていたレベルなので、現状では重要なレジスタンスになっている。  昨晩は米10年債利回りが2.5%付近と高値を更新したが、ドルはむしろ下落してしまった。  米長期金利上昇=ドル高の連動が崩れてきたのだろうか。  本日の米雇用統計、週末のイタリア国民投票の結果待ちとなっている。 (YEN蔵) (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
  • 為替コメント:リバース・ノック・アウト

    2016-11-21 16:46  

     ドル円110.50にRKO(リバース・ノック・アウト)というのがあって、KOされてしまって下で買っていたドルコール(ドルを買う権利)の、オプションが消滅してしまった輸入勢のドル買いなんていうのもこの相場では出ているようだ。  例えば、102円のときに105円でドルコール(ドルを買う権利買っていた)、そこでヘッジしているつもりが、110.50でその権利が消滅してしまう。しょうがなく、泣く泣く、このレベルを買っているという構図。  買いの主力は海外勢だが、このような実需のドル買いもドル円相場を支えている。 (Bコミ) (情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
  • トランプリスク

    2016-11-07 22:55  
     先週の金曜日にFBIがヒラリー氏のメール問題に関して再捜査を開始と報道されたが、月曜日は比較的落ち着いていたマーケットが1日から動き出した。  一部の世論調査でトランプ氏がヒラリー氏を1ポイント上回ったことが直接の材料になった。いくつかの世論調査で3~4ポイントヒラリー氏がリードしているものもある。また事前投票ではヒラリー氏が優位のようで、ヒラリー氏のリードがまだ維持されているという見方もある。  しかし市場はトランプ氏の大統領の可能性というテールリスクに反応してリスクオフ的な動きとなった。  1日はダウは150ドル安となり、VIX指数(SP500のボラティリティ=オプションの値段と考えてください。上昇するほどオプション価格が上昇する、マーケットが変動を予想するということです)19.04%に上昇した。  1日に発表された米10月のISM製造業景況指数は51.9となり前月の51.5、予想
  • ドル円相場動向

    2016-10-17 13:59  
     11日はダウが200ドル下落するなど久々の大きな下落となった。  といっても下落率は僅か1.1%なのだが。アルコアの決算が予想に届かずアルコア株の下落が引き金ということになっているが、米長期金利がひたひたと上昇してきているのが不気味だ。  10年債利回りは1.8%と先週の1.736%から上昇し、最近の高値を更新した。  金利の上昇は株価にはマイナスだが、この金利の上昇に株価がどこまでもつかというのが今後の注目材料になるのではないだろうか。  11日は株は下落したが、12日は小幅上昇で小動きとなり、米国長期金利の上昇=株価下落というパターンにはなっていない。  今週は3年債240億ドル、10年債200億ドル、30年債120億ドルの入札があるために需給的に債券が売られやすい(長期金利が上昇しやすい)地合いではあるのだが、この金利の上昇はFedの利上げを見込んでのものなのかいまひとつはっきり
  • ヘッジ付き外債

    2016-10-12 00:51  
     生保は長らく外債投資をヘッジ付き外債という手法で行ってきた。  これは例えばドルを購入してドルの債券を買うのでなく、3ヶ月ぐらいのスワップでドルを調達(借り入れて)債券を投資する手法を言う。これだと調達コストがかかるのだが米国10年債利回りが1.7%であれば、調達コストを差し引いても、日本国債の利回りを上回ればよしとしてきた。  それがドルの調達コストが上昇し、最近は1.8%ほどあるようで、10年債の利回りを超えてしまう。そうなると為替差損回避のためのヘッジ付き外債は意味が無くなるので、生保はドルを現物市場で購入してそれで米国債に投資しているのではないかとの話が市場に出回っている。  100円付近を買っていたのは、このような長期投資化のドル買いといわれており、100円をサポートしたドル円は、米長期金利の上昇、それにもかかわらず株価が高止まりしていることを受けて一時104円台前半に上昇し
  • 日銀&FOMC

    2016-09-26 17:20  
     ビッグイベントのダブルヘッダーが終了した。  日銀は追加緩和とはいえないが、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を導入した。  今回マイナス金利を維持したまま10年もの国債の利回りをゼロ%に維持するように国債を買い入れイールドカーブをコントロールする。  オーバーシュート型コミットメントとして2%のインフレ目標が達成されるまで金融緩和にコミットメントすることが決定された。これは短期金利を低いままにして長期金利をある程度高く維持し、銀行や生命保険会社の収益に配慮する政策ともいえる。  またETFの買い入れでは2.7兆円をTOPIX連動ETFを対象とすることとした。  決定を受けて日経平均は1.91%上昇、TOPIXも2.71%の上昇となり特に銀行株指数は7%近い上昇となった。  ドル円も一時102.70付近まで上昇したが、これは株高に連動したもので、今回の日銀の決定事態は円安に寄与するもの
  • 米雇用統計と労働生産性

    2016-08-15 20:32  
     7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が25.5万人と予想の18万人を上回る強い数字となった。6月分は29.2万人、5月分は2.4万人に上方修正され2ヶ月で1.8万人の増加となった。  失業率は4.9%と予想の4.8%を上回ったが、労働参加率は62.8%と前月から0.1%上昇した。パートタイマーを含むU6失業率は9.7%と前月の9.6%から上昇した。  時間当たり平均賃金は25.69$となり前月比0.3%、前年比2.6%上昇した。  今回の米雇用統計は総じて強い結果となった。  数字を受けて12月の利上げの織込み度はFEDWATCHによると34%から46%に上昇した。2年債利回りは前日の0.647%から0.7261%に、10年債利回りは1.502%から1.5902%に上昇した。  利上げの可能性がやや高まったが、ダウは191ドル上昇した。  今回の雇用統計は良い数字となり2ヶ月連続で改
  • 英国の金融緩和

    2016-08-08 13:34  
     BOEは予想通り政策金利を0.25%引き下げて0.25%とした。2009年以来7年ぶりで過去最低となった。  国債買い入れを3750億ポンドから4350億ポンドに拡大。8日から6ヶ月にわたり買い入れを行う。3~7年、7~15年、15年以上を均等に購入、8~10月の間は各年限に11.7億ポンドの予定。  国債に加え投資適格の社債を100億ポンド買い入れる。18ヶ月かけて英国経済に多大な貢献をしている企業の債券を買い入れる。最大1000億ポンドの銀行向け資金供給スキームを導入する。  予想を上回る金融緩和を受けてポンドドルは1.31付近、ポンド円は132.55付近まで下落しポンドは全面安となった。  ただポンドもショートポジションがたまっており、このショートが解消するまではしばらく1.3~1.35、128~138円のレンジで推移するものと思われる。 (YEN蔵) (情報提供を目的にしており