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記事 10件
  • 梅雨空の下での資産増強作戦

    2019-07-03 01:38  
     今日から7月相場入り。雨模様の中、大阪で開催されたG20では安倍首相の存在感が光った。 もちろん米中貿易摩擦の行方を占う両首脳同士の話合いも注目の的ではあったが、事前に想定された通り、玉虫色の結論に留まった。それにしてもまさに世界経済が雨模様となる中での今回の梅雨空の下でのG20の開催は皮肉な舞台設定だったと言える。 米中首脳の間に日本の安倍首相がいて両者を取り持つ関係が印象に残った。まさに参院選挙前の印象に残る一大セレモニーだったのではないか。 10月からの消費税増税が敢行され消費に支えられた日本経済にやや先行きの不安感が漂う中で比較的、株式市場は冷静だ。G20までは波乱はないというのがコンセンサスだったとすれば世界の首脳が集まるだけでセレモニーの要素が強いG20の終了は相場波乱の幕開けとなっても不思議ではない。 とは言え、米中首脳会談では8月に予想された追加関税の実施は見送られた。 
  • 企業のIR、政府のIR

    2019-06-05 13:39  
     日本国の新たな時代となる令和時代に入って早くも1か月が過ぎた。 先週は令和時代に入って初の国賓として夫人とともに来日したトランプ大統領のことが話題で盛り上がったが、これによって日米間の関係はますます強固なものとなったのではないだろうか。 次に待つのが、日米通商交渉で、これは8月には何らかの合意が得られるとのメッセージが大統領から発信された。 その矢先の先週はメキシコとの段階的関税引き上げで日米ともに市場は大揺れとなった。日経平均は先の安値を下回り、上げの半値押し水準を更に下回る結果となった。 今週も週末のNYダウの大幅下落を受けて一段の下値模索が続く可能性がありそうだが、筆者はさほど悲観視はしていない。あくまで個人的な見解だが、トンネルの先にはほのかな明るさが見えるからだ。 トランプ発言で株式相場は大揺れだが、トランプ大統領の頭には有権者に訴求する政策を実行するということだけが念頭にあり
  • 市場潮流

    2019-03-26 01:35  
     今週(3月18~22日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で176円49銭上昇し(率にして0.8%の上昇)、2万1627円34銭で取引を終えました。2週連続の上昇です。  週初の18日(月)は前週末の米株高などを好感して、日経平均株価は前週末比133円高と好調な滑り出しとなりました。  ただ、19日(火)は利益確定売りに押されて小反落(前日比17円安)。  20日(水)は期末を控えた個人投資家の配当や株主優待狙いの買いが入り、42円高。  休みをはさんで22日(金)は21日(木)の米株高を支援材料に小幅続伸(18円高)して取引を終えました。  米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC。20~21日)で、19年の利上げ見送りと資産縮小の19年9月末での終了を明らかにしました。  また、日本政府は20日の月例経済報告で、景気判断を3年ぶりに下方修正しました。18年1月以
  • 今年を振り返って

    2014-12-31 06:36  
    静かに過ぎ行く2014年の株式相場。新たな出発となる2015年新春相場に思いを馳せながら、億の近道をご愛読頂いている皆様に月曜版年内最後のコンテンツをお送り申し上げます。  振り返れば日本株はアベノミクスを背景にしたデフレ経済脱却への期待から基調としては変わりない相場展開が見られましたが、昨年の今頃あった2014年への期待はいきなり裏切られ、年前半は調整色の強い展開を示しました。  期待の創薬ベンチャーが理研のSTAP細胞に絡むドタバタ劇でネガティブな印象がもたれ物色対象から外れ、トーンダウン。代わりに浮上した介護ロボット 関連銘柄やM2M関連は仕手株同様に好需給を狙った買いで一部を除くと単発に終わった感があります。年前半は調整局面を続けていた大成建、大林組などのゼ ネコン株も後半には上昇傾向を辿り、今年を象徴するセクターの一角として存在感を示しました。  全体相場が昨年末に16291円で
  • 消費税先送りより前に政府がやるべきこと

    2014-11-20 21:53  
    この原稿を書いている本日11月17日(月)、14年7-9月のGDP速報が発表されました。  発表内容は、多くのエコノミストの予想では小幅プラスの予想でしたが、残念ながら、実質で▲0.4%(年率▲1.6%)、名目で▲0.8%(年率▲3.0%)と小幅マイナス成長になりました。  安倍政権では、先週来から急速に消費税増税先送り、年内解散という流れが進んでいますが、おそらくはこのGDP発表がかなり悪いことが前提にあったのだと思います。  2年前に安倍内閣が始まるきっかけとなった解散選挙では、前野田首相が「税と社会保障の一体改革」と「国会議員定数削減」の2つに取り組むことを約束して、政権を奪取したことを国民は忘れてはいけません。  経済政策が重要なのはもちろんですが、それ以外の改革として一番優先しなければならない改革は、「社会保障制度」改革です。  その内容については昨年9月の当メルマガでも触れてい
  • 市場潮流

    2014-07-07 14:51  
    今週(6月30日~7月4日)の東京株式市場は、日経平均株価で342円、率にして2.3%上昇しました。  7月3日(木)に発表された米国の6月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比28万8000人増となり、市場予想(21万人)を約37%超過。これ を受けて、NYダウが1万7000ドルを初めて上回り、過去最高値を更新。東京市場も4日、約5カ月半ぶりに1万5400円台に上昇しました。短期的な過 熱感はありますが、強い地合いが続いています。  小売業中心に、2月決算企業の第1四半期(14年3~5月期)の決算発表が本格化していますが、順調な決算内容が目立ちます。上場小売業各社の月次売上 動向をみると、全体的に4月以降の反動減が想定より軽微にとどまっており、3~5月の累計ではプラスとなった企業が多く、このことが堅調な企業業績につな がっています。  前回消費税が引き上げられた97年と今回の違いを整理
  • 市場潮流

    2014-06-30 13:51  
    今週(6月23日~27日)の東京株式市場は、日経平均株価で254円、率にして1.7%の下落となりました。  米株式市場が軟調に推移したことや、為替がやや円高方向に動いたことなどが要因ですが、基本的には5月以降の上昇による短期的な過熱感の広がりが大きいといえます。ある意味、当然の調整といえそうです。  5月以降の株式相場の復調の要因としては、それまでの相場の抑制要因が薄れたことが挙げられます。  それは、 1)日銀の追加緩和への過度の期待 2)消費税増税の影響への懸念 3)企業側の14年度業績見通しが保守的なものとなること などです。  消費増税に伴う駆け込み需要の反動は当然ありますが、国内景気は底堅く推移しており、デフレ脱却へ向け、消費者物価も強含んでいます。「日銀の追加緩和 がなくとも景気は着実に上向きつつある」、「消費税増税の影響も想定に比べれば軽微にとどまりそうだ」といった安心感が広
  • 市場潮流

    2014-04-21 11:36  
    今週(4月14日~18日)の東京株式相場は、日経平均株価が週間で556円(率にして3.9%)上昇し、2週間ぶりに1万4500円を回復して終えまし た。前の週に1万4000円を割り込んだことで割安感が強まったことに加え、今週は米株式相場が堅調に推移したほか、外国為替相場で円安が進行したこと で、輸出関連株が買われました。  麻生財務相が16日の衆院財務金融委員会で、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用見直しの動きが6月にも出てくる」と発言したことも好感されました。  ただ、本日(18日)は東証1部の売買代金が1兆1502億円と17日から6477億円減少し、12年12月12日以来ほぼ1年4カ月ぶりの低水準にとどまりました。聖金曜日の祝日で欧米などの市場が休場となったことも影響しましたが、エネルギー不足は否めません。  来週以降は、主要企業の決算発表が本格化してくることに加え、米オ
  • 消費税狂想曲

    2014-04-11 13:15  
    平日夕方に家内と近くのコストコ(米系安売り店、卸売店?)に行ってきました。  先月(3月)に入ったあたりから家内が、 「平日なのに凄い混み方だった」 「以前はもっと空いていたのに、週末と変わらないか、それ以上かも」 などと言っていましたが、私が行った日(4月初旬)は恐ろしい程ガラ~ンとしていて、家内も相当驚いている様子でした。  先月は家内に対し、 「無理して混んでいる店に行くことは無いよ。要はいつもより3%ほど買う量を減らすか、食べる量を減らせば良いのだから」 「消費増税に合わせてカロリー摂取を3%減らせれば一石二鳥だよ、笑」と。  いくら肉や缶詰が安いからとは言え販売単位当たりの量が多いのがこの店の特徴ですから、材料費が安いから、または傷んでは良くないからと料理を多めに作ったりするようなことになれば食べ残しが増える可能性が高くなりますし、そして何より太ります(笑)。  住宅や自家用車、
  • 為替市場動向~ドル円相場と消費増税~

    2013-08-15 15:16  
    残暑お見舞い申し上げます。  日本ではお盆シーズン、海外では夏休暇による市場参加者の減少で、マーケットは流動性が薄く、仕掛けが入りやすく値が飛ぶ時期です。  8月のドル円相場は、97円88銭に始まり、米国の7月雇用統計への改善期待でつけた99円95銭を高値に日経平均と共にじりじりと下げ、95円81銭安値をつけました。直近は98円台に戻していますが、今月は3ケタの値はつかず、上値の重い相場展開です。  上値が重い背景には、ドルの要因と円の要因があると思います。  米ドルは、7月初旬に量的緩和QE3の早期縮小を材料にほぼ全ての主要通貨に対して上昇。7月9日には、主要通貨のバスケットに対するドル指数は 84.75という当面の高値をつけました。その後は、米国債市場における長期金利の急激な上昇や株価の反落を懸念したのか、米金融政策当局者たちからマー ケットの過度の反応を和らげるような発言も多く聞かれ