-
金融庁の本気度
2023-04-25 11:43
先週は、「中小企業庁、金融業に信用保証解禁 外資誘致や新興育成」というニュースが流れました。 https://bit.ly/koya20230419 今のところ、日本金融新聞という専門誌でしか紹介されていませんが、これは弊社も含めた業界にとってはとても大きなニュースでした。 なぜなら、これまで金融商品取引法上の金融取引業者は、事業を行ううえでの資金の調達面で非常に苦労するところが多かったのです。 弊社でも、事業拡大のための前向きな投資資金需要に対しても「投資助言業者」(金融取引業者)であることを理由に・信用保証協会の保証対象外業種なので民間銀行での融資が難しい・日本政策金融公庫での融資対象外業種なので、創業時や政策金融が利用できない・商工会議所でのマル経融資も対象外業種で利用できないなど、ほとんどの民間金融機関で融資を断られてきた経験があります。 唯一、政策系金融機関の一つである商工中 -
顧客の立場に立ったアドバイザー
2023-04-11 11:16
昨年2022年12月9日に金融庁の市場制度ワーキンググループで「顧客本位タスクフォース」の中間報告が行われました。https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20221209.html この報告書の中で「顧客の立場に立ったアドバイザー」という項目があります。『方策の一つとして、一定の中立性を有するアドバイザーの見える化に取り組むことが考えられる。具体的には、諸外国では、アドバイザーが提供できる商品・サービスの範囲や、顧客からのみ報酬を得ているかどうか等に着目している点を踏まえ、我が国においても、(i)アドバイザーが金融商品の販売を行う金融事業を兼業しておらず、家計の全体最適とポートフォリオの最適化の観点から、幅広い金融商品を対象としたアドバイスが可能かどうか、(ii)金融商品の組成・販売会社からの手数料等を受け取らず、報酬は顧客からのみ得 -
金融庁の報告書 老後に2000万円必要?
2019-06-20 16:59■老後に2000万円必要? 「年金だけでは生活に不自由します、2000万円の蓄えが必要です」と金融庁の報告書が話題になっています。 2000万円の蓄えがあれば月々の不足分5万円を30年で使い果たす前提だそうで。 死ぬまでにジワリジワリと預金を切り崩していく。 かなりしょぼい老後をイメージさせる報告書となってしまいました。 株式投資をしている人からみれば、なにもそんなに毎月、預金を切り崩さなくてもよいことは一目瞭然。 単に2000万円で6%の利回りリートを買えば年間120万円で月々10万円になるので元本売る必要がないでしょう。 いまでさえ年率5%の配当利回りゴロゴロしている中で、配当再投資すれば確実に株数は増えていきます。 株数は複利で増えるので三十年間で六倍に株数が増えると見なせます。 利益を全部配当に回さないので、ROE(1-配当性向)で配当成長率がプラスなら、その分は、キャピタルゲイン -
億も要らない2000万円の金融資産づくり
2019-06-19 13:42年金問題はついに老後の生活資金が2000万円必要との話になってきました。年金制度に不安を覚える皆さんに自ら積極的に年金づくりを行ってもらいたいと考え、過去様々にコンテンツを提供してきた本メルマガの一員としてもこの話を聞いて気が引き締まる思いです。 そもそも株式啓蒙メルマガ「億の近道」のコンセプトは自助努力で億の金融資産を創ることにありました。1億円の資産づくりではなくその5分の1の資産づくりなら容易いのではと、この金額を聞いてむしろ楽観的に考える次第です。 そもそも100万円程度のお金を持つまでの最低限の貯蓄努力はしないとなりません。その100万円を毎年2倍にすれば7年間で1億円になるというのが夢のような億の近道のコンセプトではありますが、その実現には紆余曲折があることは事実です。 相応のリスクテイクをし続ける必要があるのですから目標達成には忍耐が求められます。 一方、コツコツと貯めた1 -
金融庁発、100年時代の資産形成・管理について
2019-06-07 22:20先週の5月23日(木)に、健康診断で病院にいたところ、朝日新聞の一面に「人生100年、蓄えは万全?「資産寿命」、国が世代別に指針 細る年金、自助促す」と書かれているのを見かけてびっくりしました。 日経新聞ならともかく、朝日新聞でもこういう資産運用がテーマである記事が一面になるようになったのだ…と感慨深くもありました。 この一面の記事は、前日5月22日に金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)の発表を受けての記事でした。 ということで、小屋も原文を読んでみました。金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案) https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190522/01.pdf 簡単に報告書のポイントをまとめると、・高齢化の進展、長 -
夏に向けて
2019-05-27 23:44全国的にも夏日になる日が増えてきました。そろそろ毎日半袖で過ごせる季節になりますし、そうなれば洗濯も楽です。梅雨の時期を除いて(^^) とても良い季節なのですが、規制市場である金融市場及び金融業界は曇ったまま、または雨模様が続いています。 日銀の異次元緩和によって、もう6年以上に渡り景気刺激策が続いていますが、そろそろ手札も無くなってきています。金融系ゾンビ企業も苦しくなりつつあります。特に銀行にとっては幾ら低いと言っても低過ぎる金利が本業を直撃しています。 不動産を担保に取り、個人の連帯保証も取って、しかも信用保険にも入れた上で金利を取ると言う簡単確実な殿様商売は限界に来ています。保険業界も市場は完全に飽和状態ですし、証券系ゾンビ企業も苦しくなってきました。商品先物業界に至ってはビジネスモデルそのものが既に崩壊しています。 商品先物業界は経産省や農水省の利権確保のために犠牲になった業界 -
規制とは何か?
2018-02-07 20:57
ご存じの通り、今は何でも高齢者からのボッタクリビジネスが一番儲かる時代です。 私の両親のもと(実家)にも様々なボッタクリ業者が訪問してきます。 一見真面そうな有名大手企業グループもボッタクリを目指しています。 先日は東○ガスバルと言う昨年10月に発足した最大手ガス会社傘下の販売専門会社の職員が「ガス給湯器の点検で参りましたぁ~」として点検?をして帰ったそうです。 その際に、「もう古いから何時壊れても可笑しくない。」「ついては安くするから交換しないか?」と見積もりを置いていきました。 その中身は、本体30数万円プラス工事費一式込みで47万円のところ35万円に値引きをします、と言うものでした。母親は夕飯作りの最中でもあったため(運良く)直ぐには契約をせず、次の週末にその見積書を私に見せてくれました。 高いなぁ、と感じたので早速ネットで調べてみると同型の給湯器が7万円程で売られ -
金融業界を変えるのは誰だ?
2017-07-15 02:12
こんにちは。梶原真由美です。 今回は私たち個人投資家にも影響があるであろう、最近の金融業界の動向についてお話したいと思います。 先日、ある大手アセットマネジメント会社が開催したIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)との情報交換会へIFAとして出席してきました。 米国では低コストの投資信託やETFを独立系アドバイザー経由で顧客に販売するサービスが広く定着しているが、なぜ伝統的な証券営業からそのような流れになったのか。 その事実が日本へ示唆するものは何か? といった事を共有し、意見交換する内容でした。 私としては「あの」大手金融機関が、金融機関に所属しないいわば真逆といえる立場にいるIFAとの意見交換会を開催する事に驚きましたが、実は最近、このような金融機関の動きが活発になってきているのを強く感じています。 その理由のひとつは行政の動きにありました。■金融庁からの強い -
標準的な資産運用の在り方~金融レポート報告~
2016-12-16 13:19
前回のメルマガに続きまして、金融庁の金融レポートを読んだ感想です。 前回:http://www.okuchika.net/?eid=6723 金融レポート:http://www.fsa.go.jp/news/28/20160915-4/01.pdf 前回のメルマガでは、金融庁が既存金融機関の運用商品の販売スタンスについて、 「金融機関においては、短期的な利益を優先させるあまり、顧客の安定的な資 産形成に資する業務運営が行われているとは必ずしも言えない状況にある。」 と断定していたことをお伝えしました。 それでは、どうしたらよいのかということも、レポートの中でヒントとして描かれています。 個人投資家の望ましい投資スタンスとは、 1)幅広い運用対象の分散 例として、国内株式、国内債券への2資産への分散と、それに先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券を加えた6資産への分 -
日本版スチュワードシップ・コードについて
2014-09-25 11:25先日、勉強会に参加したところ日本版スチュワードシップについての解説をお聞きすることができました。 私自身も安倍政権の「成長戦略」の一つである、この施策についてあまり深く調べたこともありませんでしたので、理解するのに良い機会でした。 これは、英国にあるスチュワードシップ・コードをそのまま模倣して持ち込んだものですが、その成立の過程には大きな差があります。 本場の英国では、1991年から20年間程度にわたって機関投資家が各株式を保有する企業に対してどのように対話して、ガバナンスに関与していくかということが繰り返し議論されています。 そうした議論を積み重ねたうえで、特にリーマンショック後の株主責任を問われることになった際に、より一層のコーポレートガバナンスの議論と株主責任(特に機関投資家)の議論が起こり、こうしたスチュワードシップコードに収斂されてきたものです。 一方で日本の場合には、
1 / 2