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日銀がETFを売却するタイミング
2023-06-22 14:12
有力外国人投資家のポジティブな発言もあって日本株は上昇傾向を一気に強め、日経平均は既に1989年末のバブル相場のピークである3万8957円まで16%足らずの水準にまで接近してきました。3万円に乗せてから1カ月もたたないうちに3万3000円台乗せの上昇で多くの投資家には戸惑いもあるのかも知れません。 株高には様々な要因が背景になっています。 エコノミストからは円安による先行きの企業業績の拡大がまずは指摘されるポイントですが、これだけでは不十分でこれまで日本株が割安に放置されてきたことへの是正の動きと思われます。 先週末段階で時価総額は3市場合計で847兆円を超えてきましたので国民全体の資産も増加したと言えます。コロナショック時に日本株をETF(インデックス型投資信託)で大量に購入し日本最大の大株主となっている日銀にとっては含み益が増加しているでしょうし、資金運用額190兆円の年金(GPI -
YCC(YMCではありません)は持続可能か?
2023-01-26 12:40
昨今、日銀に対する風当たりが厳しい。 経済評論家やエコノミストは金融政策の一面しか見ていないので、わたしはどちらかというと日銀に同情的。 そもそも、マイナス金利になっている背景や構造論はあまり語られていない。1)日本は貸し出し需要が乏しいという大前提が議論されることがまずない。 家計はじゃぶじゃぶな預金だらけの状況。1000兆円の預金。 これに対して負債は主に持ち家のローンであり、不動産価値と相殺できる。 家計は資金の出し手でしかない。 企業も内部留保が高水準でありキャッシュリッチ。自己資本比率も高い。 こちらも資金の出し手になっている。 家計と企業しか需要がないのだから、この2つの需要先が供給過剰なのでマイナス金利となるのが自然。 10年債のYCC(イールドカーブコントロール)をやめても、さほど10年債の利回りは上がらない。利回りはインフレに実質金利を足したもので、実質金利は日本の場 -
市場の変化を探す
2023-01-25 00:21
最近は景気が悪化するとのコメントが増えるとともに、株価が上がったときには円安メリット、下がったときには円高デメリットとの単純なコメントが増えていますが、ここ最近の市場コメントは何となくぼやけています。 本当にそれほどの景気悪化になるのか? 円高とはいっても1年前からはまだ10数%の円安ですし、資源高が続くうちは安易に円高に戻るとも思えません。利上げ無しでも円安に進むことも無く・・・。 今後も金利の引き上げへのプレッシャーが高まるとは言え、せいぜい1%が限度です。例え新年度の企業収益が今期と同程度に留まっても日経平均株価が26,000円で予想PERは12倍強ですが、その割には弱気派が増え、年前半は欧米の景気悪化の影響で株価は下げ易いとのコメントが多いようです。でもこれらは既にある程度見えている事象ですよね。 もっとも、世界の市場の混乱に拍車をかけているのが欧米の投機マネーです。 資源に限 -
テーパリングをどう進めるのか
2021-09-09 00:59
自民党の総裁選では各総裁候補者から政策提言が打ち出されており、国民各位や自民党員からの評価がなされることになる。 総裁選後の衆院選挙での自民党優位の観測から株式市場はこれをひとまず好感した格好だが、実際には225採用の海運3銘柄に一極集中の様相。 さすがにPER3倍だとひとまずは株価はこれらに集中せざるを得ない。 割安感ではPER3倍に敵うセクターは見当たらないのでいくところまでいくしかない。この後は海運市況次第ということになるが、一極集中相場では面白くない。もう少しひねりを入れてほしいと願う投資家も多いに違いないが、これも相場だから仕方がない。 政局に話を戻すと今後は実際に誰が総裁選で勝利するのか、新総裁の政策内容を吟味しながら個別の関連銘柄を物色する展開で盛り上がりそうだ。 細かい政策の中身はネット上やメディアであふれかえってきた。吟味もなかなか大変だ。 筆者としても株式市場の問題 -
なかなかできない底値買い
2021-07-27 15:19
株式投資は摩訶不思議な世界である。 株価が上昇している時は買いたくなるのに下げていると買いたいどころか売りたくなる。 そうした投資家心理が最近の株式市場には如実に出ており、全体相場の調整場面継続とともに個別銘柄も調整局面が続いている。日経平均やTOPIXに代表される全体相場が昨年3月のコロナショック時の6,7割上の水準なのに対して個別銘柄には業績は比較的堅調なのに既にコロナショック時の株価に接近中の銘柄もあるほか、上場した後の大幅調整場面を続けている直近IPO銘柄も見出せる。 中には年初に高値をつけた後、良いところなしに調整を続けている銘柄もあり、資金に余裕のある投資家にとっては投資チャンスが生まれている。 とは言え、こうした局面ではなかなか積極的な投資ができにくい。 まず、三角保合いを続けている全体相場の行方が不透明で、テクニカル上において下放れもありうるという見方から個別株において -
日経平均からTOPIXで相場を語る時代に
2021-03-26 00:48
日経平均が弱い一方でTOPIXが強いという現象が起きています。 戦後の株価指数は日本経済新聞社で選び出された代表的な225銘柄で計算される日経平均で語られてきましたが、この指数、ファーストリテイリングなど一部の銘柄に偏ってしまったので過去ややいびつな変動を見せてきました。 年間6兆円以上にも及ぶ日銀のETF買いも日経平均連動型ETFへの投資を重ねてきたということで資金が限定された銘柄に投じられ、結果としてイレギュラーな変動を見せるに至った日経平均から日銀がTOPIX型のETFにシフトするという話で市場はその対応に追われたようですが、もうそろそろ落ち着いてくるかと思われます。 何しろ日経平均上がれども皆さんがお持ちの銘柄にはインパクトがなかった訳で日本郵政や日本たばこ産業など財務大臣が筆頭株主になっている銘柄や都銀株、地銀株などずっと右肩下がりの展開が続いてきましたので民間金融機関の親玉 -
慣れが怖い
2021-03-16 01:28
電波行政を牛耳る総務省ですが癒着がボロボロと表面化しています。多少の癒着は想定していましたが情けないほど前時代的な癒着が続いているようです。 我々の常識では懲戒や更迭なんてレベルじゃなく即刻クビ!ですね。 大臣にまで平然と虚偽報告するほどですから、年中入れ替わる素人の担当大臣なんて上司では無く、自分たち有能な官僚が操っている猿回しの猿くらいにしか考えていないのでしょう。ゴキブリか猿か?地に落ちたものです(呆) 監督側の立場としての驕りが高じるとともに、奢られること(タダ酒)に慣れてしまった官僚、そして国民を代表する政治家が自粛期間中に飲み歩いているなどを見ていると、「若者の安易な行動が感染を拡大している」などと言える立場ではありません。オリパラ組織委も役人も政治家も、ジジーどもこそ恥を知れ!と言わねばなりません。 ミャンマーでは何千万という国民が軍事独裁政権に立ち向かい、中国では少数民 -
休むも相場2021年春
2021-03-09 00:31
いよいよ本格的な春です。 時間はかかりますが、いずれはコロナワクチンの普及とともに生活・事業環境が改善されてくるはずです。とは言えコロナ前に戻るのではなく、新しい環境への模索が続くのでしょう。 半年ほど前には、失業率の改善などで労働市場が戻らなければ総可処分所得も増えず景気が停滞する。そうするとFRBをはじめとした主要各国の金利が上がるどころか下げ続ける懸念があると書いていましたが、現在は当時の環境と違ってきているようです。 想定した以上に断続的で大型の財政政策(バラマキ)が続いており、中国経済の拡大に牽引された景気回復への期待感も強くなってきています。今後の米国の財政拡大予想も踏まえた金利上昇を織り込み始めているようです。 とは言え、ビットコインやゲームストップ株に代表される金融市場の過熱を感じるFRBが今以上に強い緩和策を執ることは難しくなりつつあると思われますが、今のところ縮小に -
現場が大事
2021-03-03 01:35
リモートで自宅にいることが増え固定電話を取ることが増えましたが、固定電話にかかる電話は特殊詐欺?電話が多いです。ネットにも特定の地域の電話番号が載っていますから手当たり次第に電話しているようで、中には真面な業者からの電話もありますが大半は高齢者狙いの詐欺であり、手口も徐々に変化しています。 突然の電話で(如何にも怪しい)「○○警察の者ですが」が増えており、依然として多いのが「古い着物でもお皿でも何でも買い取ります!」、「電話代が安くなるご家庭に選ばれました!」、「外壁検査のため足場を組んで洗浄するまでを無料にします」とか。これだけでも50~60万円はかかる工事なのに、これを無料にして家屋の診断をします!などは詐欺以外に思いつきません。「要らないものがお金になる」「お得」が好きな高齢者狙いですが、屋根に登ってアチコチ壊してから「修理が必要です!」と言い出し、下手に任せたなら最後、法外な請 -
出遅れ銘柄物色は相場に好循環もたらす
2021-03-03 01:27
日経平均のみが高く個人投資家には無縁の株式相場の堅調ぶりにため息が出る今日この頃。それでも着実に活躍銘柄は横に広がりを見せつつあります。 業績の上がらないウダツの上がらない銘柄は放置しておき、成長期待の好業績銘柄や財務内容の良好なキャッシュリッチバリュー銘柄を投資対象として選定する流れが今後巻き起こるとの期待感から息の長い上昇相場がなおも続くとの見通しを楽観的に描いている投資家も多いかも知れません。 コロナ禍が収束するタイミングではコロナで影響を受けた駄目だった銘柄も蘇り、復活の狼煙が上がるだろう。 日経平均3万円の時代となってきた株式相場はこれまでのところ、流動性の高い時価総額上位銘柄に投資家の関心が集まってきた。バブル経済崩壊から30年を経てようやく日本の株式市場は元の状態に戻ってきたことで、再びのバブル相場ではないかと言われる中ではあるが、コロナ禍でステイホームを余儀なくされてき
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