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指数の動きからひも解く物色トレンド
2021-06-09 14:25
個別株の動向に関心を寄せておられる皆さんに本日は直近の指数の変動から見たその物色のトレンドを解説しておきたい。 頭重い展開の日経平均とマザーズ指数。多くの個人投資家がこのところのこれらの指数変動を見て全体相場が調整ムードにあると判断されているのかも知れません。 ただ、一方でTOPIXと東証2部指数については、どうも新たな局面に入りつつあるのではとやや強気の見方に傾きつつあるのではと思います。 東証市場改革が打ち出され今月末基準で3つに区分されようとする中で個別企業は一体、自社がどの区分に位置しているかを既に分析し理解していると思われます。 時価総額(株価×発行済み株式数)や流通時価総額(株価×流通株数)を意識しての自助努力は株価に反映されがちです。そのボーダーラインにある銘柄の株価に上振れの可能性をある点をまずは認識しておく必要があります。 プライム市場とスタンダード市場の境界線にある -
どれも似たり寄ったり
2020-03-31 22:223月13日から23日にかけ全体相場のクラッシュを横目に個別銘柄も急落を演じるに至ったが、そこには現金化を急ぐ投資家の事情があったものと推察される。 日経平均に連動する主力銘柄は高値から25%から30%程度の値下がりで済んだ銘柄もあるが、中小型銘柄の多くは直近の高値から30%から50%という下落を見せた銘柄が多く、どれも似たような下落率を示していたのが印象的だった。 この売りの嵐が一巡すると武漢ウイルスによる感染者の増加が伝えられても今度はその後の経済対策実施というポジティブな面を評価してのリバウンドを狙う動きが活発化し、日経平均に連動する主力銘柄では半値戻りを演じていたが、多くの中小型銘柄は3分の1戻りまでがせいぜいでその水準をクリアすると戻り売りに押される展開が見られる。つまりここでは個別銘柄の内容よりは単純に株価の下落率、戻りなどを想定した株価の変動が見出せる。 どれも似たり寄ったり -
市場潮流
2019-03-14 01:42今週(3月4~8日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で577円13銭下落し(率にして2.7%の下落)、2万1025円56銭で取引を終えました。4週ぶりの下落です。 週初の4日(月)は、米中通商協議の進展期待、中国・上海はじめアジア株高を好感して日経平均株価は前週末比219円高と上伸したものの、翌5日(火)からは4日続落で一週間の取引を終えました。米国株が軟調に転じたこ とに加え、国内機関投資家の期末を控えた利益確定売り、5日(火)に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で公表された経済対策が期待ほど大きなものではなかったことなどが影響しました。 基本的には、1月以降の上昇相場の調整局面を迎えたものと筆者はとらえています。米連邦準備理事会(FRB)の政策転換などから株価は戻りに転じましたが、当然の一服というところでしょう。 調整後、再び上昇に転じるには、マクロ景気や企業業績の -
見慣れた株価VS見慣れぬ株価
2017-10-25 00:23
日経平均は本日2万1723円という高値をつけ年初来高値を更新。21年ぶりの株価水準に躍り出てきました。 一部の指数に寄与する銘柄(ファナック、ファーストリテイリング、ソフトバンク、東京エレクなど)のバリュエーションを抜きにした株高で個人投資家にはさほど実感を伴わない上昇ぶりだと推察されます。 この道はいつか来た道・・。 見慣れぬ株価がいつまで続くのか・・。足下を固めないままの株価上昇は長続きしない。 ピッチの速さにいささか戸惑う投資家の皆さんも多く、指数だけが高い相場展開にしばらくはため息をしながらの展開を眺めることにしたいと思います。 一方で東証2部、JASDAQなどの中小型株指数はやや頭打ちの状況が見られますのでここはじっくりと投資するチャンスが来ています。 いつもの見慣れた株価で投資するのか見慣れぬ株価水準で投資するのかの判断は投資家各位に委ねられています。短期キャ -
マザーズ指数が他とは違う動きなのはなぜ?
2017-09-12 21:05
日本株の指数として皆様は日経平均(225銘柄)、TOPIX、東証2部、JASDAQ指数、それにマザーズ指数を普段ご覧になっているかと思います。 地上波テレビなどメディアで語れるのは日経平均とTOPIXだけですので株式投資にご縁のない方もこの2つの指標は目にされているかと思います。 株が高いという報道は日経平均とそれにほぼ連動するTOPIXをベースに語られていますが、このところの特徴は東証2部やJASDAQ指数の上昇が顕著で、これは言うまでもなく中小型株が人気を集めている証拠でもあります。 東証1部全体(2026銘柄)の時価総額が約600兆円なのに対して東証2部(523銘柄)やJASDAQ(706銘柄)はそれぞれ10兆円の時価総額なので比べようもありませんが、日経平均が2015年の高値を抜けない中で、東証2部指数やJASDAQ指数は高値を更新しており相場の潮流を表しています。 -
市場潮流
2017-02-07 20:34
今週(1月30日~2月3日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で549円20銭下落し(率にして2.8%の下落)、1万8918円20銭で取引を終えました。 米国の長期金利の上昇に加え、日本の長期金利が上昇し、金利差が縮小したことに加え、トランプ米大統領が日本の「円安誘導」を非難したことで、円高・ドル安が進行。輸出関連株が売られました。 一方、第3四半期決算が好調だった銘柄には買いが入りました。 ただ、今週発表された米国の製造業の景況を表す1月のISM製造業指数は56.0となり、14年11月以来2年2カ月ぶりの高水準に到達。中国の1月の製造業購買担当者景気指数(PMI指数)も、景気判断の節目となる50.0を6カ月連続で上回りました。 主要国の景気は堅調に推移しており、ここにトランプ大統領が唱える景気刺激策が実行されるようであれば、米国中心に景気拡大が加速する可能性があります。 -
新指数
2016-07-15 15:58いよいよこれからの2週間が最も暑い時期になります。海や山でのレジャーの季節でもありますし体調を崩し易い季節です。皆さまには是非ご自愛いただければと思います。 市場では相も変わらず為替や株式が乱高下しています。過剰と思えるほどに。 日本の主要株価指数は昨年高値から一年かけて3割も下落し一昨年春の水準まで下げました。当時の円ドル為替は101円台から104円台で推移していまし たし、長期金利も0.5%~0.6%辺りであったことを思えば(何と申しましょうか)少々売られ過ぎと感じます。その反動もあってここ数日は買い戻されて いるのでしょう。 しかしながら、買われる時も売られる時も一方的過ぎます。短期資金中心の博打場になってしまっている故なのでしょう。 今後で気になるところでは、選挙は与党勝利の結果となり(世界に類を見ない安定した政権)新たな政策を打ち出し易くなったこと、GPIF等のリバラ -
調整ムード続く株式市場、その中でマザーズ指数はなぜ強いのか
2016-04-12 15:15多くの投資家の関心事が日経平均はどこまで調整するのか?にあるとすればそれは為替次第という答えとなってきます。 為替相場が円高に向かっている状況下でそれに連動して動いてきた日経平均が底打ちするには、明確に為替が円高のピークを打つ必要があります。それが1ドル=103円~105円ではないかと言われている間は底打ちすることはないという見方です。 しかしながら4月7日から8日にかけての日経平均は為替が一時1ドル=107円台をつけ、一段と円高に向かいつつある中で、日経平均は比較的落ち着いた動きが見られます。円高=株安の構図が崩れつつある証拠かも知れません。 一方で日経平均が基調として弱いにも関わらず、多くのIPO企業が上場を目指すマザーズ市場の株価指数はこのところ強い展開が見られます。 市場の潮流は輸出関連の主力大型株を避け、内需中心の中小型株、とりわけマザーズ市場銘柄に物色の矛先を向けている -
景気の先行きを先行指数で占う
2015-11-17 18:38世界のマクロ景気の先行きを占う指標としてはPMI(購買担当者指数)やOECD景気先行指数があります。 PMIは企業の購買担当者を対象に新規受注、生産高、雇用などの項目についてアンケートを行い指数化したものとされ、50を上回ると経済が拡大局面にあることを示し、50を下回ると下降局面にあると判断されます。 世界全体の製造業PMIは8月、9月とマイナスが続きましたが、10月は+0.8の51.4でプラスに転じています。また非製造業つまりサービス業 PMIについても9月のマイナス1.3から10月には+0.4で53.7となっており、世界的に見て景気は7-9月期でボトムを打ち、10月は持ち直し気 味となっています。 但し、今回のフランス・パリでのテロの発生がまた世界景気に悪影響をもたらすとの懸念が生まれています。 また、GDPに6ヶ月先行すると言われるOECD景気先行指数は100以上で拡大、10
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