-
異文化をマネジメントする大変さ
2023-04-20 10:40
マーケットは案外強く、バックミラーの業績の悪さにフォーカスが当たらないところを見ると、もしかしたら、出来過ぎと思う人も多いか。 たとえばアップルは1-3月のPC販売が激減。TSMCもコンセンサスには届かなかったが、地合いや株価にはさほど影響なかった。 安川電機も4Q受注は弱かったが特段、材料視されなかった。 カーボンゼロ、低消費電力へとインフラの総とっかえ需要があるので、景気の谷があるようには思えない。人々が前向きな気持ちになっている限り、過度に懸念はいらないのではないかと思うが楽観的すぎるか。 さて、本日は、経営のお話。 グローバル経営における難しさとして異文化コミュニケーションがある。 エンゲージメントをする上で、海外の人材と日本本社とのコミュニケーションの重要性がわかってきた。 たとえば海外に進出する日本企業は多いが、彼らの海外が上手くいかないときがある。 海外事業は現地マネジメ -
人材を育てる
2023-02-28 15:04
セゾン投信の入るサンシャインビルには水族館が併設されています。 川魚のコーナーでは、異常に大きな鮎が悠々と泳いでいます。 自然の鮎の数倍もある大きさ。どうしたらこれほど大きく育つのでしょう。 水族館。自然の環境を模した生態系を人工的に構成するシステム。 そう見なすこともできるでしょうか。 ある人は大きく育てるためのノウハウは何かと知りたがるし、ある人はただ鮎が泳いでいるとだけ認識する。 鮎が大きく育つことがわかると、それをビジネスにできるかもしれないと考える人もいるでしょう。 温暖化の影響か、乱獲の影響か。 漁獲量が減り続け水産資源の危機が叫ばれています。 自然環境を模す。 水揚げされたものではなくて、養殖されたものがどんどん主流になってくるでしょう。 これからは陸上養殖の時代になります。 そうなると荏原製作所のような高効率のポンプが使われるでしょうし、各種センサーなども日々稼働しAI -
長期でデザインする
2023-02-11 16:22
バレーボールという競技はバスケットボールと同様に高さが必須。 随分昔になるが、体格に劣る男子バレーボール日本代表がミュンヘン五輪でゴールドメダルを取ったのは偉業であった。 わたしが尊敬している松平康隆(1930-2011)さんは当時の監督。本を何冊か書かれたが、彼の大ファンであるわたしは全部読んでいる。 彼の思想は長期投資に通じるものがある。 まず松平さんはチームのピークを8年後に持っていく構想からスタートする。 そのための選手の発掘。対象は中学生だ。 デカイ選手を全国回りスカウト。8年がかりで鍛えた。 資金集めはマスコミを利用。テレビスポンサー獲得に邁進。 税金に頼らなかった。 資金と人があれば、後はやる気と教育を注入する。 トレーナーやコーチは超一流を揃えたが、選手たちは血の出るような練習を重ねた。 魂でスパイクを打つ練習を重ねたが、猛練習以外にも一般教養を重視した。 一流の人格を -
人のやらないことをやる
2017-03-14 16:25
差別化戦略として、人のやらないことをやる、というものがある。 ノーベル賞の受賞者のコメントは、いつも、こんな具合ではないでしょうか。 「人がやっていないことをやっただけです。好きなことをやり続けただけです」 と。 うちのチームも人がやっていない、という意味ではある程度、尖ったところがあるのでそれについて書きたい。 証券会社のアナリスの属性を調べると、文系が3分の2程度であった。 だから、理系のリサーチを採用するのはどうだろうか、と思い、そうしてきたこと。 製造業の製品の分析をできるだけ深く行う。 レポートは200ページ!!になることもある。 また、CMAやCFAの資格、そして、MBA、経済、経営、統計という領域がファイナンスとは相性がよいのであろう。 だが、そういう分野は競争力のある方々が多い。 そこでまともに勝負して差別化できるとは思えない。 そこで、哲学(修士1人)、芸術(元プロ -
少人数組織を運営するための哲学 その1
2016-09-05 15:50わたしが属するヘッジファンドの業界は生き馬の目を抜く業界だ。 毎日、成績で評価される。そのストレスから、心身ともに疲弊する日々だ。 事実、毎年のように、ヘッジファンドは消滅する。 以前の会社では、最後まで残った運用チームは3つだけだった。 10以上の運用チームが7年間の間に解雇となった。 そう、ヘッジファンドは、成績が悪いと解約されてしまうのだ。 だから、わたしたちのチーム6人が、10年以上、ヘッジファンドマネジャーを続けられたことは奇跡に近い。 この業界に関わらず、 世間一般に、チーム運営は簡単ではない。 なぜなら、人間関係が難しいからだ。 人間関係は、些細なことですぐに壊れてしまう。 わたしもチームの運営は試行錯誤の連続であったし、 とくに、メンバー間の関係に苦慮してきた。 この10年の組織運営において、「組織は、こうしたら上手くいくぞ!!!」 という経験則を得た。 その経験から、基
1 / 1