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政治への失望の時代に思う
2023-10-19 14:03
政治家の役割は国家予算の再配分にある。 企業経営者であれば優先すべき成長事業へ重点的に資源を配分することができる。それがどれだけ幸せなことか。 国家レベルとなればそういかない。 社会保障費や国債費用など、硬直性的でまずは動かせない。 つまり、現代国家の際立った特徴とは何かと問えば、国家予算の硬直性そのものが国家的性格になってしまっているのであろう。 一方で、個人は個人がゆえに裁量があるはずだったが、現実はどうか。 多くの個人はカツカツのギリギリだ。 わずかな収入の2割は社会保障費や税金となり、3割が家賃。食費は2割で、消費に1割の税金。光熱水道雑費で1割。医療費負担に子供への負担があれば赤字。 カツカツでギリギリの個人像が浮かび上がる。 つまり、国家も個人もカツカツでギリギリの生活を送っている。 だから、どうにか政治家にいってもカツカツでギリギリの状態が改善されるわけはない。 国家とし -
75回目の終戦記念日を経て
2020-08-20 13:258月15日は75回目の終戦記念日でした。 アジアの小国だった日本が伝統的な知恵と革新的な技術力を背景に世界に貢献し、結果として世界2位の経済大国となったことを誇りに思うとともに、その戦乱の中で、日本を護り命を落とされた英霊に対し心より感謝する1日となりました。 お盆の季節でもありお墓の前でご先祖様に手を合わせながら過ごされた皆様も多いものと思います。 日本は敗戦国とはなりましたが、その当時のアジア諸国を欧米列強の植民地支配から解放した記念すべき日でもありました。 歴史は繰り返す。 何やら日本の隣国と米英との覇権争いが激化する中で軍事的な行動が巻き起ころうとしそうな雰囲気が感じられる昨今の国際情勢。これまでの歴史をまた改めて振り返りながら日本が進むべき道を考えられた皆様も多いのではないでしょうか。 香港問題、台湾問題、南シナ海問題などに続き16日以降は尖閣問題が一段とクローズアップされるも -
緊迫化する尖閣諸島と脱中国
2020-08-06 21:36台湾の隣に位置するわが国固有の領土である尖閣諸島周辺に中国共産党の艦船が頻繁に出入りする事態が続いており、地上波メディアではなかなか伝えられない中でネットでは話題になっている。 武漢発コロナ禍でこうした活動が活発化すること自体に違和感を覚えるが、中国やその属国と同様893的位置付けにある理不尽な態度を続ける隣国と米国が対立関係を深めている中で、日本としては一部の親中派と呼ばれる国会議員に忖度した政府の下で採られてきた政策を親中派民間企業とともに思い切って変えるべき時期が来ているのかも知れません。 経済事情が優先するとは言っても現状の隣国のふるまいは看過できません。 コロナ禍に苦しむ世界中の人々に代わって脱中国 人権侵害で苦しむ地域の人々に代わって脱中国 いつ攻撃を受けるか分からない日台国民同士が団結して脱中国 東南アジアや南アジア、ファイブアイズ各国と連携して脱中国 CHINA+1の一環 -
日台新時代 ~李登輝元総統の死去に哀悼の意~
2020-08-06 21:12京大農学部出身の岩里政男さんが97歳で亡くなられました。 こう言ってもピンと来ない方が多いのかも知れませんが、22歳まで日本人として生活し、日本語で物事を考え、発言していたあの李登輝元台湾総統が嚥下性肺炎で亡くなられました(93歳で亡くなった筆者の父親も同じ死因でした)。 そうです。台湾の総統(大統領)を1988年から2000年まで3期間務められ、民主主義と自由という思想を台湾国民(敢えて国民と呼ぶ)に後を継ぐ方々(現在の祭英文総統も弟子の一人)に根付かせてこの世を去った偉大な政治家。 台湾の民主化を日本人の心を持った親日家の李登輝さんが推進し、台湾を親日国家としての位置付けとして頂いたことに日本人は心より感謝しないとなりません。 これまで、やたら隣国に嫌がらせを受けてきた日本にとって李登輝さんの存在は救いでした。また、あのあふれる笑顔はなかなか心根の腐った私利私欲に走りがちな日本のベテ -
書評:銃・病原菌・鉄(下) 1万3000年にわたる人類史の謎
2019-05-27 23:24書評:銃・病原菌・鉄(下) 1万3000年にわたる人類史の謎 ジャレド・ダイアモンド 著 草思社 https://amzn.to/2VXpnYr●「愛と思いやりの社会」と「恐怖と暴力で支配される社会」 本書は<銃・病原菌・鉄>を主題とした文明論であるが、人類の「コミュニケーション」について述べた本とも言える。 「銃による殺し合い」、「病原菌による感染」、「鉄という「知識」の伝達」はどれも、人間と人間の間のコミュニケーションによって発生する。 著者は「我々が未開だと思っているアボリジニなど狩猟採取生活をしている人々の方が個体としては優秀だ」と述べている。 筆者も全くその通りだと思う。例えばアボリジニに限らず、ナイジェリアなどでも「弱い乳幼児」はすぐに死亡する。厳しく言えば自然淘汰だ。日本のような先進国ではごく当たり前の「保育器」など提供されない。 また、高齢者も自分で自分の面倒を見ることが -
男性優位社会
2019-04-17 10:34先日は就活に関するニュースを見ていた際に、娘から「なぜ女ばかりが外見(化粧)やパンプス着用を強制させられるのか?」と言う質問?愚痴?を聴きました。もっとも目先的な不満であり、ネットにも溢れている女性の不満の一部ですが。 若い女性にとっては、外見ばかりが話題にされ、この21世紀になってさえも男性優位の社会が続いており、沢山の女性がそのような現実に不満を持っていると言う事でした。最近でも就活中のセクハラ(含む性犯罪)が何度もニュースになっています。 男性社会でも古い体質の組織では依然としてパワハラが止む気配がありませんし、それら不祥事を隠そうとする体質も中々変わりません。「教育委員会」に代表される老害組織も機能不全のまま生きながらえています。孫と同世代の子供が何人自殺しようが日和見の敬老会組織では解決出来るはずもありません。 就職をエサに大手社員(オッサン)が女子大生を食い物にするなど、何と -
祝!!虎ノ門ニュース放送1000回
2019-02-14 14:57皆さんは虎ノ門ニュースをご存知ですか? 地上波のテレビで流れるニュースとは違って曜日代わりでユニークな論客がその時々のニュースを解説、深掘りしてくれる「虎ノ門ニュース」を私はYOUTUBEで3年ほど前から視聴しています。 億の近道の読者の皆さんもご覧になっているのかも知れませんが、政治、外交、経済、防衛、科学、歴史、芸能など様々なジャンルのニュースをずばずばと切るのがとても面白くためになる番組ですのでまだご覧になっていない方はご覧になることをお奨めします。 月曜日の青山繁晴氏は現職の国会議員。参院選に出馬した経緯も虎ノ門ニュースでのコメンテーターで大変な人気・評価を集め、これが参院選挙に出馬に至った契機となりました。 同氏は元独立総合研究所の社長で政治・経済・外交・防衛などに強く鋭い内容のコメントに多くの方々がファンになっていて放送時はスタジオの外に大変な人だかりがすることでそ -
今後日本が取るべき道は?
2019-01-26 00:45昨年から連載でご紹介しているアジア開発銀行研究所所長の吉野直行さんのメッセージです。 ⇒初回コラム http://okuchika.net/?eid=8057 第1回コラム http://okuchika.net/?eid=8086 第2回コラム http://okuchika.net/?eid=8109 第3回コラム http://okuchika.net/?eid=8141 第4回コラム http://okuchika.net/?eid=8172 5回の連載でお届けしてきました吉野直行先生からのメッセージも今回で最終回です。 最終回は、今後日本社会、経済がどのような点に気を付けていけば持続的成長が可能な社会になるのかという吉野先生の提言です。 ●高齢化、労働人口減少に対する対応 日本の人口動態として、今後ますます労働力人口が減っていくというのは前回もお伝え -
書評:ソクラテスの弁明・クリトン
2018-09-21 15:26書評:ソクラテスの弁明・クリトン プラトン 著、 講談社学術文庫 https://amzn.to/2OBk1uL ■「悪法も法なり」なのか? ソクラテスは無実の罪(不敬神)で、邪悪なアテナイ市民から訴えられ、アテナイ市民の多数を占める「心無い」人々によって死刑を宣告されました。ソクラテスはこの判決が「無実の者を罰する誤ったもの」であると確信しており、ソクラテスの親しい友人であるクリトンたちも、ソクラテスの助命に奔走し脱獄の準備もしていました。しかし、ソクラテスはその誘いを拒否し、神の意志の表れとして死刑を受け入れました。 この逸話から「悪法も法なり」という言葉が生まれましたが、ソクラテス自身はそのようなことは述べていません。しかし、ソクラテスが「誤った判決」を静かに受け入れ死刑となった背景には「国家の判断と個人の判断がぶつかった時には国家の判断が優先する」という哲学があったのは -
書評~サピエンス全史
2018-08-18 17:48
書評:サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 ユヴァル・ノア・ハラリ(著) https://amzn.to/2MTGTVO 巷で評判でした「サピエンス全史」をようやく読了しました。 昨年ご紹介した「LIFE SHIFT」 http://www.okuchika.net/?eid=6818 http://www.okuchika.net/?eid=6846 が、2017年のビジネス書大賞の準大賞であったのですが、その時に大賞を取ったのが、この「サピエンス全史」です。 上下巻で600ページ近くある、大作ですが、私は既にKindleで読んでいるので、単行本としての、その厚さを感じることはできませんでした。 さて、内容としては、著者がそもそも歴史学の先生という事もあり、人類(ホモ・サピエンス)の歴史を圧倒的なスケール感で描いていきます。 また、歴史的な価値観よりも
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