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記事 3件
  • 【対談】鎮目雅人さんに聞く「そもそもお金とは何か?」-前編

    2021-07-16 16:19  

     今後2回にわたり早稲田大学の鎮目教授と小屋との対談をお届けいたします。 財務省は、2024年に1万円札に渋沢栄一、5,000円札に津田梅子、1,000円札に北里柴三郎を用いた新札(日本銀行券)を発行すると公表しています。 1万円札の顔となる渋沢栄一は、第一国立銀行(現在のみずほ銀行)など数多くの企業を設立し、日本の資本主義の父とされる人物。 1万円札の人物の変更は、1984年に聖徳太子から現在の福沢諭吉になって以来です。 各紙幣には最新のホログラム技術が使われ、紙幣を傾けても3Dの肖像が同じように見える偽造防止対策が導入されるとのこと。 でも、どれだけ高度な技術が駆使されても、考えてみると、紙幣は紙です。 火がつけば燃えてしまい、1万円の価値はどこかに消えてしまいます。 さらに言えば、どうして1万円札を出すと、1万円分の商品を買うことができるのでしょうか。 紙に価値を与えている信用の源
  • 「お金」について考える~その1~

    2021-04-26 00:13  

     先日、早稲田大学の鎮目雅人教授に「お金」について色々お話を伺いました。 鎮目教授は、経済史の先生で、特に貨幣についての研究について昨年本も出版されています信用貨幣の生成と展開:近世~現代の歴史実証 amazonリンク ⇒ https://amzn.to/3gvQWld 現在みなさんが日常に手にしている「お金」は日本円ですが、これは位置づけ的には法定通貨になっています。 日本銀行法によって強制通用力を持たされているので、日本国民が共通の理解として「お金」だと認識して、信用して利用をしているという仕組みになっています。 今回、鎮目先生と話をしていて気が付いた部分は大きく2つ・「日本円」の信用は、日本国内の産業の価値に基づいている・「お金」はあくまでもツール(道具)であり、「お金」そのものは目的たり得ないということです。1.「日本円」の信用は、日本国内の産業の価値に基づいている これは、私に
  • 書評~サピエンス全史

    2018-08-18 17:48  

    書評:サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福  ユヴァル・ノア・ハラリ(著)  https://amzn.to/2MTGTVO  巷で評判でした「サピエンス全史」をようやく読了しました。  昨年ご紹介した「LIFE SHIFT」  http://www.okuchika.net/?eid=6818  http://www.okuchika.net/?eid=6846 が、2017年のビジネス書大賞の準大賞であったのですが、その時に大賞を取ったのが、この「サピエンス全史」です。  上下巻で600ページ近くある、大作ですが、私は既にKindleで読んでいるので、単行本としての、その厚さを感じることはできませんでした。  さて、内容としては、著者がそもそも歴史学の先生という事もあり、人類(ホモ・サピエンス)の歴史を圧倒的なスケール感で描いていきます。  また、歴史的な価値観よりも