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  • 書評:炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす

    2019-02-14 14:54  
    炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす    佐藤健太郎著、 新潮選書    https://amzn.to/2Il43Xl ●人間も脳も電気仕掛けでは無い  正直申し上げれば、私も亀の甲羅と呼ばれる化学式にはアレルギーがある。また、マスコミで騒がれる新技術は、概ねITかバイオテクノロジーであって、化学研究におけるブレイクスルーでは無い。  しかしバイオテクノロジーの基本は化学反応であり、生物も化学反応によってその生命を維持しているのだ。  よく人間の脳を電気信号で動くコンピュータに例えて、シンギュラリティー(人工知能が人間の脳の能力を超える瞬間)などの議論もなされるが、それは不毛である。  確かに、脳波や心電図などの例をあげるまでも無く、人間の体には電気が流れている。しかし、それらの電気はすべて化学反応によって生み出されるのである。正しくは「生命を維持する化学反応の結果電気が生じる」