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記事 10件
  • 創薬ベンチャーの悩み

    2021-04-07 11:37  

     創薬ベンチャー企業、モダリス(4883)をめぐり有名な個人カリスマ投資家が行ったロックアップ解除前の株売り抜け後の対応が話題となっている。 株式市場では上場前にしかるべきファンドや個人エンジェル投資家などに株式を保有してもらうことになるが、その前提となるルールが予め決められていることは引き受ける投資家には自明の話で上場後半年間は売ることができないというロックアップ期間内での売却ができないというのは予め説明を受けている筈。 今回のカリスマ投資家は若くして100億円以上の資産をつくったとしてメディアでも有名なのだが、このことを知らずに上場後割当られた株式を売ってしまい、それが後で発覚して会社側が驚いて発表に至り、それに対応してこのカリスマ個人投資家も一定の計算で得られた利益のうちの一部を会社に返還するとしているのだ。 モダリスは東大発の遺伝子治療薬の創薬ベンチャーとして2020年8月にマザ
  • 出遅れ中小型株に活路を見出す

    2020-06-26 01:45  
     運用成果の向上を求めて投資家の皆さんは日々、有望銘柄の選定に邁進されているかと思います。 市場にはどこからとなく投資家が集まり、今後の株価上昇を期して人だかりのする銘柄にリスクテイクをしようとします。 そのバロメーターは出来高ですが、株価が上昇基調にあっても出来高が少ないのでは人気がないと断定され、ひと握りの投資家だけの自作自演の展開となったりします。 かのケインズ先生がかつて述べたように株式投資は美人投票のようなもの。 誰もが好みそうな銘柄を選ぶべきだということになるのですが、必ずしもそうだとは思いません。 まだ十分にその良さが認知されていない間に見出してタネをまいておくこと。つまり小中高生の間に未来の有名プロスポーツ選手を見出しておくようなもの。 ここで言う出遅れ中小型株に活路を見出そうとする投資家もそのスタンスが決して間違ってはいないと考える。 但し、隠れた価値を持つ企業をしっかり
  • 佐賀大学発ベンチャーが熱い

    2019-06-12 16:53  
     QボードのLibWorkに続く企業も九州発の成長企業の話。 ソフトバンクGの孫さん(佐賀県鳥栖市出身)がAI群戦略を打ち出し世界的なユニコーン型AI企業に兆単位の投資をしようという時代で、それに続く企業はないかと多くの投資家が関心を寄せる中で日本のお宝企業探しが始まっている。 全体相場がやや停滞を続ける中で新たな成長の芽を持った企業が株式市場では活発に動いているようだ。 昨日はIoTプラットフォームサービスを展開する佐賀大学発ベンチャー企業のオプティム(3694・東証1部)が新高値をつけ、直近の安値2000円(5月23日)から3665円の高値まで83%上昇。 時価総額は一気に950億円となっています。 5月30日に開催された同社社長のアグレッシブなプレゼン内容を素直に好感したものと考えられますが、ソフトバンクGに負けないぐらいの熱くアグレッシブな新成長企業の登場は大いに歓迎すべきことです
  • 企業価値を決定するもの

    2017-01-25 14:55  

     企業価値は現実の収益で図るべきか、未来に生み出される収益で評価すべきかを議論してみたいと思います。  本来の株式投資の王道は成長株投資であることは言うまでもありません。  ですから多少まだ収益には貢献していなくても未来に利益貢献してくれる製品が登場すると企業の評価は俄然高まることになります。  企業の活動には2つの側面があり、市場で受け入れられる製品や商品を企業の経営資源を用いてユーザーや消費者に提供して事業を存続させるためのキャッシュフローを生み出す活動が主たるものではありますが、まだ、市場性がないものの、近い将来において製品化が可能な次世代の製品を研究開発して準備する活動は別の視点で企業の大事な活動と言えます。  特許や知財はそのための有力な武器となります。  株式市場において評価が高まるのは先行的な研究開発投資が開花して業績に貢献するタイミングです。  研究開発優先で事業活動を
  • 今度こそZMPは上場するのか

    2016-11-01 21:42  
    画像:ZMP企業HPより  今年も残すところ2か月。深まりゆく秋の中で株式相場も赤く色づく銘柄が増えたのは良いですが、興奮しすぎて思わず高値づかみにならないよう気をつけて頂きたいと思います。  25日に上場したJR 九州(9142)は日経平均が1万7500円に近付く中公開価格2600円に対して初値は3100円で19%余りの上昇で取引を開始。  公開価格で買われた多くの投資家はちょっとにっこりされたのかも知れません。  上場後は遅ればせの売り物に押されるなど頭重い展開ながら、まずは順調な滑り出し。その後も静かな売買が見られ初値付近に戻ってきました。他のJR株の手前、JR九州だけが突出することはないと思いますが、今後も着実な推移を期待したいと思います。  JR九州は鉄道や不動産など旧来のビジネスですので、ある程度先行きは見えますが その分PERなど市場での評価は低い状況となってしまいます。  
  • 日本の事業支援体制

    2016-02-01 16:23  
    前回のコラムでは、資源安やインバウンド減少を理由に売られた銘柄の中でボトムを探す時期が近いかも知れないとの感想で書きましたが、株式市場全体を見渡すと、昨年の(日経平均で)20,000円近くの株価イメージが残っている為か?銘柄のどれもが安く感じてしまいます。  改めて今月3週間の値下がりは凄まじかったですね(汗)。  需給要因だけですから、良くも悪くも何か材料が出ると(中には当たり前と言った程度の数値などでも)関連しそうな銘柄を含めて一斉に売りや買いが増えて 一方通行になるのですから。何とも無味乾燥なつまらないマーケットですが、ここ最近は想定外に(機械的に?)売られ過ぎと感じたものは少し仕入れていま す。  既に「買っても良いかな?」と考えていたものが一緒に連れ安するのですから、「冬物大セール」に行ってみたら偶然掘り出し物を探し当ててしまったような感覚です。楽しみながら投資を続けられるよう工
  • 【お知らせ】【炎のファンドマネージャー有料メルマガ第32号配信中!!

    2015-03-17 08:40  
    月曜日の億の近道で、15年にわたり執筆を続けてきました、おなじみ「炎のファンドマネージャー」の有料メルマガ「炎の投資情報」最新号が3月16日に配信されました。  企業プレゼン出席や企業個別面談などのアナリスト活動を基本にした、独自の目線の投資情報を毎週1回、月曜日に皆様にお届けします。 創刊号はこちら→ http://okuchika.net/?eid=5177 【3/16第32号では】     ■出遅れ創薬ベンチャー系2社の報告    ■炎の注目銘柄チェック(8社)  → 申し込みフォーム http://goo.gl/ikAUu3  → ご案内ページ http://www.honohfm.com/【バックナンバー販売始めました!】 詳しくはこちらのページへ。http://www.honohfm.com/bknb_s201401.htm【3/9第31号を読む】 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ht
  • 創薬ベンチャー投資の難しさ

    2014-11-05 14:35  
    米国では日本の約20年前にジェネンテックやアムジェンといった創薬ベンチャーが設立されたのですが、今やこれらの企業は米国を代表する創薬ベンチャーとして多くの従業員を雇用するバイオベンチャーとなっています。  ジェネンテックは1976年に設立され、アムジェンは1980年に設立されたとされ、規模はアムジェンがジェネンテックを上回っています。  アムジェンの売上は2013年で187億ドル(世界の医薬品売上ランキングで11位)で、日本の武田を上回っています。その4割が営業利益となっており、極めて優良な企業になっています。  日本でも米国に遅れること20年、1999年に設立されたアンジェスMG(4563)が大阪大学の森下教授の下で設立され、大学発創薬ベンチャーとして 注目され、多くの投資家の関心を集めることになりますが、現実は厳しく、期待の重症虚血肢治療薬であるコラテジェンRの開発に設立されて15年経
  • 創薬ベンチャーの時価総額

    2014-09-24 13:00  
    ここでの上昇相場の圏外にある銘柄群が創薬ベンチャーであると言えます。それは2013年5月に活躍した銘柄群であり、その後の調整過程で、理研の STAP細胞の問題で人気離散となった銘柄群です。しかもいつの間にか銘柄数が20を超えて、猫も杓子も創薬ベンチャーとなってしまい投資家の的が絞りに くくなってしまったことも影響しているように思われます。  結果として創薬ベンチャーの時価総額は低下してきています。  ただ、一方では開発に向けた取り組みの結果として開発の進捗が見られ、評価の余地が高まっている可能性もあります。  そこで改めて銘柄をチェックしてみる必要がありそうです。 【時価総額ランキング】  大手医薬品メーカーの傘下にはない上場創薬ベンチャー数は現在23社ほどになっています(試薬メーカーまで含めれば25社になるかと思います。もちろん宝酒造系のタカラバイオは除いています)。  その中のトップの
  • 創薬バイオベンチャーのビジネス評価

    2013-04-16 16:27  
    日本の創薬バイオベンチャーがiPS細胞で話題の山中教授がノーベル賞を受賞して以来、政策的な後押しもあって注目されています。  多くの創薬バイオベンチャーは先行投資による赤字経営で株価の低迷が続いてきましたが、ここに来て軒並み上昇傾向を辿っています。若干バブルのような雰囲気ですが、やや短期指向の投資家も混じって相場の一つの潮流を醸し出しています。  赤字だというのは創薬のための開発経費が先行して発生するためで、ベンチャー企業としては当たり前のことなのですが、普通の投資家には評価が難しいために上場後多くのバイオベンチャー企業の株価が低迷してしまうという結果となったのです。  日本の株式市場には既に事業基盤や製品基盤をもった製薬会社や検査薬を除くと19社の創薬ベンチャーが上場しています(正確な数字ではないかも知れませんのでご了承願います)。  そのうちの5社を下記に掲げてみましたのでご参照下さい