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記事 4件
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その16 現代の経済社会は、会社や国家というチームでプレーする

    2021-09-24 14:57  

    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/10月号連載記事■その16 現代の経済社会は、会社や国家というチームでプレーする●スーパーヒーローはかっこいい 仮面ライダー、ウルトラマン、スーパーマン、バットマンなど、私世代でもなじみがあるスーパーヒーロー達は、基本的に「ピン」である。相棒がいる場合もあるが、率直に言えば「アシスタント」程度の役割しか果たさない。 ミステリー(探偵小説)の金字塔であり、最も映画化・ドラマ化されたといわれる小説である「シャーロックホームズ・シリーズ」のホームズとワトソンの関係も、探偵とアシスタント兼記録係であると言ってよいであろう。 しかし、最近のヒーローものは、ゴレンジャーなどのように「対等な立場の仲間が力を合わせる」スタイルが増えてきているように思える。ワンピースは、ヒーローものや戦隊ものとは違うが、「個性的な仲間たちが
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その10

    2021-03-06 13:45  

    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/3月号連載記事■その10 ドラッカーはすぐれた【傍観者】である●傍観者の時代 経営者やビジネスマンで、ピータ―・F・ドラッカーの名前を知らないものはいないだろう。大学教授でもあったが、若いころ『経済人の終わり』というナチス・ドイツやヒットラーを批判する本(英国の宰相ウィンストン・チャーチルにも称賛された)を発行したため、母国オーストリアから離れざるをえなくなり、その後ファンド・マネージャーや記者などを経験しながら、最終的に米国でコンサルタントとして活躍する。 大きな転機は、GM中興の祖と呼ばれるアルフレッド・スローンからのコンサルティング依頼を受けたときだ。当時はまだ「マネジメント」という概念がほとんどなく(ドラッカーが確立したといえる)、手探り状態だったのだが、「生きて活動している企業」と最初に格闘した上
  • 孫子と三賢人のビジネス その15

    2019-12-05 02:06  
    産業新潮 http://sangyoshincho.world.coocan.jp/12月号連載記事■その15 鳥が飛び立つのは伏兵である●ビジネスでも投資でも観察眼が勝負を決する 「人間経済科学研究所」では、「人間」と「経済(ビジネス)」そして、「(自然)科学」の三つの重要な要素の複雑に絡み合う関係を研究しています。 その中でわかってきたことは、「経済・ビジネス」は、机上の空論をもて遊ぶのではなく、生きた経済・ビジネスをじっくり丁寧に観察し体系化することによってしか理解できないということです。 個々の人間が極めて複雑なだけではなく、その個人が構成する人間社会が途方もなく複雑であることを理解しなければなりません。 自然科学の「複雑系理論」においては、「蝶の羽ばたきが大型の台風を引き起こす」という、まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」的な有名な逸話があります。もちろん、そのような可能性は常に存在
  • 書評:最新脳科学で読み解く「脳のしくみ」

    2018-01-18 12:56  

    書評:最新脳科学で読み解く「脳のしくみ」 車のキーはなくすのに、なぜ車の運転は忘れないのか? サンドラ・アーモット+サム・ワン 箸  http://amzn.to/2EJYzyE  「人間経済科学」において考察する「人間」の中心が「脳」にあることは否定できません。したがって「脳科学」は「人間経済科学」を構成する主たる要素の一つです。  特に本書は、生科学的な脳の機能の解説だけではなく、脳と人間の行動との関係性に重点を置いた話が中心であるため、「人間経済科学」の観点からも貴重な内容にあふれています。  「行動経済学」でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンと相棒のエイモス・トヴェルスキーの研究に触れた部分もあります。  興味深いのは、映画からの引用が多いこと。「レナードの朝」、「レインマン」、「アルジャーノンに花束を」など脳機能に障害を持った主人公が登場する映画は山ほどありますし