-
為替市場動向~半期末、テーマは再び政治に~
2018-07-04 11:15
エスカレートしていく米国発「貿易戦争」進行の中、6月FOMCでは予想通り利上げが決定されました。 その後、6月20日には、パウエルFRB議長は「FF金利(政策金利)の漸進的な引き上げ継続の論拠は強い」と発言。マーケットでは、2018年は合計4回(残り2回は9月と12月?)の利上げを織り込みつつあります。 米国2年債は、2.53%まで上昇。貿易戦争や移民問題などのリスク要因で利回りが低下(質への逃避)気味の10年債との利回りギャップは約0.338%にまで縮小。2007年以来の小さなスプレッド。気になる動きではあります。 米国トランプ大統領による貿易戦争を拡大は、止まるところを知らないように見えます。3月に始まった輸入関税引き上げ発表、6月初めにはEU,カナダにも。日本以外の多くの国は報復関税の導入を検討もしています。対中国への関税措置は、中国からの報復措置行使で、追加関税も検討さ -
投資市場としての魅力
2017-04-17 18:15
3月から何かと忙しくなってしまい、なかなか執筆の時間が取れませんでした。まだ暫く忙しい時期が続きますが。 それにしてもこの間の、3月中旬からの力なく下落していく株式市場には驚きます。 ドル円為替は115円辺りから110円割れへ約4%、日経平均株価は19,600円辺りから18,300円(今日の午前中)まで約6.6%も動きました。両方ともズルズルとした一方的な下落で、割安とは感じるものの何とも解説のしようのない、一般の投資家では手の出しようの無いマーケットです。 読者の皆様も「どうしたものか?」とお悩みのこととお察しします。 東アジアの地政学リスクとの解説が増えていますが、チンピラ国家の挑発で東アジアに紛争の懸念が広がっていると言うのに「何故に円高?」・・・と疑問に感じるのは私だけでは無いと思います。 小職のポジションも今年に入ってから殆ど動かすことも無く、最近ではズルズルと力 -
為替市場動向~いずこも政治が鍵?~
2017-04-01 01:33
年度末になりました。今年の3月31日は金曜日。週末でもあり、年度末でもあり、4半期末と3つの末という区切りが重なります。 3月後半は、日本の期末要因による利益の里帰りや年度末でのポジション調整や資金待機で、為替市場では円高へ戻し、株式市場でも下押し圧力が強い冴えない展開が続いています。期末による調整は。ほぼ終わったとは見られますが、最終日の3月31日まで気の抜けない展開ではないかと思います。 3月15日に、昨年12月に引き続き、米FRBの追加利上げが行われました。 注目された今年の金利予想は、事前予想通りで残り2回と伝わり、一部にあった残り3回説を打ち消した格好に。発表をきっかけにドル安に戻されたのは周知の通りです。 FOMC直前に一時115円台半ばまで上昇したドル円相場が、直近では110円割れすれすれまでのドル安に反転しました。FRBの利上げで材料出尽くしに加えて、日本の期 -
為替市場動向~申年から酉年へ~
2016-12-29 10:49
今年も残すところ4日、市場は2日半でクローズを迎える頃になりました。 読者の皆さまには、今年はどんな年だったでしょうか? 米国の次期大統領にトランプ氏が選ばれて以来のトランプ・ラリー相場は、海外のクリスマス休暇入りで一服。年末と正月休みを控えてクローズ体勢に入った日本市場。一方で、休暇明けの海外プレーヤー達が入れ替わりに参加してきます。彼らがどう出てくるかが注目される中、市場が薄くなるので急激な動きに要注意でにあります。 さて、今年のドル円相場。年末、このままで終われば、ほぼ『往って来い』に近い相場になります。それにしても、今年は事前予想に反することに振り回された一年でした。終わってみれば、長い相場の流れの中で必然的に起こった事象とも思えます。 年初は120円台から始まり、原油安や中国株安によるリスク回避で2日後には117円台へと。1月に日銀のマイナス金利政策が導入されるも -
為替市場動向~FOMC予想通り利上げして年末へ?~
2016-12-15 18:02
師走も中盤となり、今年最後の重要イベント、米FOMCが13日~14日と開かれます(結果発表予定は日本時間15日午前4時)。 現在の政策金利0.25~0.5%から0.25%追加利上げが決定され、0.5~0.75%への利上げ確率は100%と予想(うち0.25%の利上げ94%予想)(数値はBloomberg社情報)と市場は既に利上げを織り込済みで動いてきました。なので、利上げ発表には反応は限られるでしょう。 一方、利上げの有無の発表と同時に注目したいのが、理事による来年の金利予想(ドットチャート)です。来年からの金利予想が上向きに修正されるようなら、ドルの下値もサポートされドル上昇の可能性は高まるでしょう。 今日のFOMCが終わると、年末にかけて大きなイベント予定は見当たらないことから、来週から海外の市場参加者の多くがクリスマス休暇入りとなり、11月のトランプ次期大統領誕生祝い相場は -
市場潮流
2015-03-17 08:42今週(3月9~16日)の東京株式市場は、5週連続の上昇となり、週間で283円、率にして1.4%の上昇となりました。 本日13日の終値は前日比263円高の1万9254円となり、2000年4月14日以来、約15年ぶりの高値水準となりました。騰落レシオ(25日移動 平均、12日)は130.24に達しており、短期的には過熱感がありますが、国内企業業績や国内景気の改善期待を背景に相場の先高感は根強く、日銀の ETFの買いなど需給面での安心感もあるようです。 来期15年度の国内企業業績は、営業利益ベースで20%近い増益率が見込まれます。電機・精密、自動車、機械など外需主導型製造業セクターが、米国を中 心とする世界経済の回復、円安の寄与で今期14年度に続き好調を維持するほか、小売、情報・通信など内需型非製造業セクターの回復が見込まれます。 一方、米国の15年の企業業績は、原油安に伴うエネルギーセク -
市場潮流
2014-08-11 08:52今週(8月4日~8月8日)の東京株式市場は、日経平均株価で744円、率にして4.8%の下落となり、1万5000円を割り込みました。 1)ウクライナを巡る米欧とロシアの経済制裁の応酬など地政学リスクの高まり 2)米国経済の堅調な回復に伴う米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げ観測 の一方、欧州経済の減速による欧州中央銀行(ECB)の一段の金融緩和観測など、主要中銀の金融政策の先行き不透明、など諸々の要因による欧米株式の下 落を受けて、東京市場も調整色を強めていましたが、8日にオバマ米大統領によるイラクへの限定空爆承認を受けて、投資家のリスク回避姿勢が一挙に強まり、 8日の日経平均株価は前日比454円の下落となりました。 来週は、13日に日本の14年4~6月期GDP(1次速報)、14日にユーロ圏の14年4~6月期GDP(速報値)が発表されます。国内の場合は、消費 増税に伴う駆け込み需要の反 -
為替市場動向~米国債利回り低下の背景~
2014-05-15 20:19日本のゴールデンウィークも過ぎ、五月も半ばになりました。ニューヨーク株が最高値更新など海外市場の好調さの一方で、日本では株式市場もドル円相場も狭いボックスレンジ内での動きが続いています。 月初恒例で注目される米国の雇用統計。4月の数字は、事前予想よりも非農業部門雇用者数が増加、失業率も低下していたにもかかわらず、ドル円相場は103円をかすっただけでその後は102円台へ戻され、一時101円台半ばへの反落もありました。 予想以上の米国雇用統計に反応しなかったのは、雇用が増えた理由がパート雇用増加によるものであること、また、失業率が低くなったのは就職をあきらめて 求職していない人が増えた労働参加率の低下等が指摘されます。数字は良くても内容が良くないからという指摘です。「ウクライナ情勢懸念」は、相場が下がる ときの常套句になっていますが、何か違和感があります。 さて、5月月初の対米ドルパフォ
1 / 1