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記事 4件
  • セラミックス:日本が誇る職人芸の世界6

    2020-06-03 12:31  
    【ディーゼルエンジン用パティキュレートフィルター:DPF】 エンジンの排ガス規制が進む状況下、2000年に入り東京都の石原都知事によるディーゼルエンジンのススが問題との提言もあり、日本の規制強化が進み出し、海外に於いてもPM対策が取られるようになった。 対策としてはススであるパティキュレートを特殊なフィルターを通して捕獲・燃焼させる仕組み。 ガソリン車に搭載される触媒用フィルター(ハニカム)では入口から入った排ガスは内部の触媒金属で酸化または還元され、ガスはそのまま通り抜け排出される。だがディーゼル用フィルターでは捕獲が必要なため、一つの穴から入った排ガスは内部の壁を通過し隣り合わせの穴を通して排出される仕組みだ。 フィルターは一つ一つの穴を交互に目封じた構造で、パティキュレートは壁に残り、ガスは壁を通り抜ける一種の濾過作用で、通過出来ないパティキュレートはある程度溜まった段階で、燃料を噴
  • セラミックス:日本が誇る職人芸の世界3

    2020-04-22 01:19  
    前号ではセラミックス製造の混錬を記載しましたが、今回は成形工程以降です。【成形工程】 成形方法には押出し、射出成形、加圧成形、鋳込み等がある。 押出し成形はセラミックス原料である粘度に圧力をかけ口金(一種の金型)から押出す方式。断面積が一定なのでパイプ状に適しており自動車排ガス用フィルターなどの多孔質セラミックス製造に適している。 押出し速度を一定にしないと断面積形状が変化してしまい、他に粘土成分、密度、特性も一定にする必要あり。 生産性向上を狙い押出し速度を高めると圧力による摩擦熱で原料特性が変化したり、口金の摩耗が激しくなる。かといって水分量を増やすと強度不足で重力に負け押出し直後に成形体として形状を維持できなくなり、可能な限り小さな力で押し出せる流動性と口金を出た時に形が崩れない保形成が必要である。 鋳込み成形とはセラミックス原料に水を入れてスラリーを作り、型に流し込む方式。 但しセ
  • セラミックス:日本が誇る職人芸の世界2

    2020-04-08 09:31  
     前号のセラミックスの種類に続き、2回目の今回は製造工程の混錬まで。【ファインセラミックス製造工程】 原料 → 混練 ⇒ 成形 → 乾燥 ⇒ 焼成 ⇒ 加工 → 製品 ファインセラミックス製品を作るのには、天然に存在する原料の人工的処理が必要で、ファインパウダー(微粉末)の研究がまず第一にある。 ファインセラミックス製品に使われるファインパウダーの条件は、 1)微粒子であること 2)粒子の凝集がないこと 3)粒子径が揃っている(狭い範囲での粒子径分布) 4)球状であること。 5)化学的に高純度 上記条件を満たすために気相・液体・個相反応により合成され、必要なら精製を行う。 微粉末にする際は粉砕法と合成法が使われる。【混練工程】 混練工程は原料・水・バインダーを調合して練り、成形で付きやすい(くっつく)混合物とし、成形後は保形成の良い原料とする工程。 練る工程は均質に分散させた粘土やバインダ
  • セラミックス:日本が誇る職人芸の世界

    2020-03-23 13:52  
     皆さんこんにちは。イノベーションリサーチの山田順一と申します。 今回から億の近道に投稿させて頂くことになりました。 まずは自己紹介から。 現在のみずほ証券(旧和光証券)で支店営業、引受企画部、国際金融部、国際営業部、営業企画部営業戦略室とプライマリーを2年経験しましたが、ほとんどはセカンダリーに従事し11年ほどのブローカー勤務です。 その後、現在のリンクスリサーチの山本さんのお世話になりバイサイドに転向し17年間運用業務に従事しました。ロングオンリーを3年、残り14年はロングショート運用担当です。 趣味は自動車で現在はスバリスト。自動車のほか、航空、原子力関係に従事する技術者の友人が多く、自動運転屋、電動航空機屋もいまして、話題を提供出来ればと考えています。 今回から隔週ではありますがセラミックスについて数回に分けて掲載させて頂くことになりました。 数年前に所属していた運用会社在職中に書