• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 3件
  • ヴェルナー・ゾンバルト「恋愛と贅沢と資本主義」(1922)(講談社)の視点 (その3)

    2023-07-21 19:48  

     100年以上前の本ですが、タイトルはドイツの経済学者ゾンバルト(1863-1941)の書籍です。 アマゾンリンク ⇒ https://amzn.to/3JCkwmW 前回、無から有が生まれる様を描写しました。 お風呂、シャンプー、持ち家の例をあげてみました。 逆にいえば、水にお金を払わない時代のうちに、水メーカーの株を買えば、水が有料化されたころに儲かります。 このように、株式投資のコツは、無から有へとなる領域を探すことです。 領域も拡大していきます。月明りや蛍の光は無料の光源でしたが、蝋燭が普及し光源は「市場」になりました。 宇宙空間への市場の拡大。女性市場への拡大(たとえば女子ボクシング女子野球)。男性市場への拡大(たとえば男性用化粧品)。 こうした市場拡大は留まることを知りません。 時間の拡大も同様です。夏野菜の通年化、賞味期間の拡大、冷凍市場の拡大(冷凍できる時間軸が拡大してい
  • ヴェルナー・ゾンバルト「恋愛と贅沢と資本主義」の視点(その2)

    2023-07-13 21:07  

     100年以上前の本ですが、タイトルはドイツの経済学者ゾンバルト(1863-1941)の書籍です。 アマゾンリンク ⇒ https://amzn.to/3JCkwmW ゾンバルトによれば、フランスのルイ14世の時代には、国家財政の3割弱が王様の個人的な支出だったそうです。これらの個人的な支出は手工業者や大工の左官仕事に費やされましたが、画家、金属細工屋、ガラスや、彫刻家にも多額の支払いとなりました。マリーアントワネットの衣料費については細かい記述があります。 そこで、思考実験です。 仮に、人類の供給能力が格段に向上したとしたら、どうなるでしょうか。 単なる需給論・均衡論で考えるとモノの価格は限りなくゼロになってしまいます。 なぜならば供給能力が格段に上がれば需要と供給のバランスが崩れてしまい価格が暴落するからです。 株式投資ではこれからのことを考えるのですが、わたしたちの狭い視野で考える
  • ヴェルナー・ゾンバルト「恋愛と贅沢と資本主義」(1922)(講談社)の視点 (その1)」

    2023-07-03 15:04  


     100年以上前の本ですが、タイトルはドイツの経済学者ゾンバルト(1863-1941)の書籍です。 アマゾンリンク ⇒ https://amzn.to/3JCkwmW ゾンバルトは経済分析に演繹的な要素を取り入れました。 「生き物」としての人間。命の本質から経済を説明する手法を取りました。 恋愛、贅沢が産業の発展に大きな影響を与えると主張。 本書では多くの証拠を列挙し、奢侈と経済について淡々と論じます。 高級時計の中には数千万円するものもあれば300円ショップで売られているおもちゃのような時計もあります。時間さえわかればよいという人はスマホで事足りるので時計さえつけません。 同じ時計であっても、ピンキリで、価格にして数千倍の差がつくのはなぜでしょうか。需要と供給の経済学のDS曲線では説明ができません。 高級時計は作った職人の言い値でもありますし、この職人にカスタム品をつくってもらいたい