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記事 3件
  • 書評:国富論(下) 国の豊かさの本質と原因についての研究

    2017-12-21 15:27  

    書評:国富論 (下) 国の豊かさの本質と原因についての研究 アダム・スミス 日本経済新聞出版社  http://amzn.to/2AXTG3i[「経済学」の本格的始動]  物理学と呼ぶべきものがギリシャ時代・ローマ時代に無かったわけではありません。しかし、現代物理学の基礎を構築しその後の発展をもたらしたのがサー・アイザック・ニュートンであることに異論はないでしょう。  同じく「進化論」の礎を築き、「進化」という全く新しい概念(今では当たり前のことのように思われていますが、キリスト教的世界観が根強く支配していた当時は、簡単に言えば「エデンの園を追われた人類はどんどん退化しているのだから、元の完全な状態に戻らなければならない」というような世界観が支配していました)を生み出したのが、チャールズ・ロバート・ダーウィンです。  同様に、それまで混沌としていた社会・経済を冷静かつ鋭い分析力で整理整頓
  • 書評:国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上)

    2017-12-06 17:49  

    書評:国富論 国の豊かさの本質と原因についての研究(上) アダム・スミス 日本経済新聞出版社  http://amzn.to/2A8fjlm  人間とサルの違いは何か?  世界のあらゆる分野の研究者の頭を悩ましてきた問題であり、私が子供の頃から興味を抱き、いまだに明確な解答を得ることができずにいるテーマでもあります。  サルをはじめとする多くの動物は原始的な道具(例えば木の枝)を使用しますし、イルカはコミユ二ケーションに言語(音波)らしきものを使用することはよく知られています。また、脳のサイズも、人間だけが特別大きいというわけでもありません。  コイン(トークン)も、サルに教えれば、すぐに使い方を覚え、食べ物と交換したり「売・買春」(オスがメスにコインと交換に交尾を求め、メスがそれに応じる)も活発に行われます。売春が世界最古の職業であるとよく言われますが、本当かもしれません・・・。  
  • 書評:道徳感情論(第4部~7部)

    2017-11-10 01:31  
    道徳感情論(第4部~7部) アダム・スミス 箸、村井章子+北川知子訳、日経BP社  http://amzn.to/2z5HPCm  本書を読了して感じたのは、あくまでアダム・スミスは、ギリシャのアリストテレスやエピクロス、ローマのキケロ等に連なる(道徳)哲学者であるということです。  彼は本書の中で、共感=(社会への)同調の重要性を説いています。日本的な表現で言えば「世間様」「お天道様」に恥じない行為こそが、各個人に求められるのだという主張を繰替えしているわけです。  自分の本能を適切にコントロールすることが、個々人の「徳」を高めるのに極めて重要であり、それができない本能が優勢な人間は、「下劣な下司野郎」だというわけです。  スミスの定義によれば、銀行・証券を含む金融機関のほとんどの人間は下劣な下司野郎ですし、金儲けに血眼になっている投資家の大半も同様です。  しかし、スミスが、利己心を