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記事 5件
  • 市場潮流

    2017-05-16 17:05  

     今週(5月8~12日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で438円20銭上昇し(率にして2.3%の上昇)、1万9883円20銭で取引を終えました。4週連続の上昇です。  7日のフランス大統領選挙の決選投票で、欧州連合(EU)支持のマクロン氏が当選し、欧州における政治的不透明感が後退。運用リスクを取る動きが広がりました。外国為替市場では円安・ドル高が進行。主要企業の決算発表も、おしなべて好調であり、これらを好感した海外投資家の旺盛な買いも日本株相場を押し上げました。  株式相場の好調は世界的な現象となっていますが、背景にあるのは、主要国・地域の景気が揃って堅調であることです。米国、欧州に加え、中国も公共投資が景気回復を牽引しています。これにより、資源産出国を含むその他の新興国の景気も回復基調にあります。  産業レベルでは、半導体市況の好調が幅広い関連企業の業績改善に大きく貢献していま
  • バフェットとポーターに学ぶナンバーワン企業戦略 第13回

    2016-09-21 20:49  
    産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/ 10月号連載記事 ■ナンバーワン企業その1 トヨタ自動車 ●武士道と通じるトヨタの社風  トヨタの「社風」ですが、「カイゼン」と「現地・現物」という二つの言葉に集約されます。  まず「カイゼン」は、企業の中で行っている業務をより良いものにするための努力を積み重ねることです。  「現地・現物」とは、たとえ社長や役員であっても必ず製造(作業)現場で製品に触れ、自分の目で確かめてから判断することです。どちらも、日本的な精神を感じますが、数多くの日本企業の中でもトヨタのこだわりはダントツです。  「武士道とは死ぬことと見つけたり」とは葉隠の中の有名な言葉ですが、あえて誤解を恐れずに言えば、「トヨタ生産方式とは工場を止めることと見つけたり」です。  トヨタ生産方式の技術的側面はかなり公開されており、トヨタ自動車がジャパ
  • 新産業論(その1)

    2016-08-17 14:09  
    =島や海の開発は日本に課されたビッグプロジェクト?=  中国の南沙諸島の開発は世界中の良識派の人々が驚愕の目で見ています。  海の下に沈んでいた環礁に建造物を建て、滑走路まで建設する始末で本来はフィリピンやベトナムに帰属すべきこのエリアを我が物顔でいつの間にか国土とし て占有してしまったやり方が国際法違反であるとの見解が示されたにも関わらず、その主張はますますエスカレートしそうな状況です。  これに対して日本はどうか、自国領土であるはずの尖閣諸島周辺に中国船が頻繁に出入りしている状況が近い将来は南沙諸島の二の舞になるのではないか、それどころか沖縄が中国に占領されるような時代が来そうとの懸念が脳裏をよぎってしまいます。  既に韓国が竹島を勝手に占領し、軍事施設を設置するなど日本の弱腰が近隣諸国に付け入るスキを与えてしまった感があります。  北方4島も同様で、戦後の日本は周辺の島を隣接する国
  • ビジネスは時とともにつくられる

    2016-06-28 18:03  
    先日、あるセミナーでドローンの話を聞くことができました。  自動車ができてそれを製造して成り立つ企業を中心にそれをオペレートする職業が生まれ、それを走らすガソリンが必要になったり、タイヤや部品が必要になったりと産業が多面的に広がって参ります。  現在の上場企業は製造業、非製造業、金融業の3つに大分類されるほか、業種的には33に分類されています。  ドローンはどの業種に分類されるのかで言うと機械、輸送用機器、電機、空運業など多岐に渡ると考えられます。ドローンの用途は幅広く、常識的には空中か らの撮影を行うことが思い浮かびますが、ドローン自体を安全で効率的なものとするためのモノづくりや制度づくりは不可欠で、オペレーターが必要になりま す。  これまでになかったものだけに法整備は不可欠で既存の法律を打ち破る規制緩和が求められます。  ドローンは大から小まで様々なものが考えられます。屋外を移動する
  • マクロ経済とポジティブな株式投資

    2014-03-06 15:25  
    ~世界のリード役になる日本の株式市場~  読者の皆さんの年齢はおいくつですか?  筆者は1957年生まれで既に57歳になっています。株式市場と向き合ってはや47年にもなります(10歳の時に株式市場に興味を持ちましたので)。  およそ20歳から80歳までの幅広い世代の方にご愛読賜っているものと思います。年齢がどうであれ、それなりに様々な経済変動を経験されてきたものと推察されます。  そんな私が現在の日本のマクロ経済と株式市場についての雑感を申し述べます。  結論から言うとマクロ経済は基調としてのデフレ脱却、雇用を伴う景気回復に向かって多少の紆余曲折はあっても着々と進展していくと思われますので、ここ はぜひポジティブなスタンスで取り組んで頂きたいと思います。特に40歳以下の若い投資家には10年タームでの経済展望を踏まえてリスクを取って頂きた い。まずは冷静にマクロ経済と個別企業の動向を見据えた