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記事 70件
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その11

    2021-04-01 15:32  

    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/4月号連載記事■その11 自由主義(民主主義)は「知識経済社会」の基礎である●自由主義(民主主義)は世界の少数派 日本をはじめとする先進国に住んでいると「自由主義」は水や空気のようにありふれたもののように感じる。しかし、灼熱の砂漠で一人取り残されたときには水のありがたさを痛感するし、水中深く潜った時に酸素ボンベの残量を気にしない人はいないだろう。 同じように、民主主義も、香港が共産主義中国の脅威にさられているようなときに、その恩恵を強く感じる。 しかしながら、現在でも自由主義の恩恵を受けているのは欧米や日本などの先進国を中心とする少数派にとどまっている。世界一の人口を抱える共産主義中国は独裁政治を行っており、その他の国々の多くも共産主義でなければ、軍事独裁かイスラム法による独裁政治によって支配されている。●
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その10

    2021-03-06 13:45  

    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/3月号連載記事■その10 ドラッカーはすぐれた【傍観者】である●傍観者の時代 経営者やビジネスマンで、ピータ―・F・ドラッカーの名前を知らないものはいないだろう。大学教授でもあったが、若いころ『経済人の終わり』というナチス・ドイツやヒットラーを批判する本(英国の宰相ウィンストン・チャーチルにも称賛された)を発行したため、母国オーストリアから離れざるをえなくなり、その後ファンド・マネージャーや記者などを経験しながら、最終的に米国でコンサルタントとして活躍する。 大きな転機は、GM中興の祖と呼ばれるアルフレッド・スローンからのコンサルティング依頼を受けたときだ。当時はまだ「マネジメント」という概念がほとんどなく(ドラッカーが確立したといえる)、手探り状態だったのだが、「生きて活動している企業」と最初に格闘した上
  • お金の増やし方を学ぼう

    2021-02-22 23:52  

     億近読者の皆様こんにちは。 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。 億近読者の皆様は、お金の増やし方には熟知されていると思いますが、子供にそれを教えるとなると、どうしたらよいか悩んでしまうのではないでしょうか。 大人がネットを見て株式投資でお金を増やすのは良いですが、子供が学ぶべきは経済や社会の仕組みですよね。子供のたちには、強くたくましくなって欲しいのであって、別にトレデーディングを教えたいわけではない、という方は多いと思います。 しかし、学校の勉強をしていれば成功する時代でもないし、投資理論を教えて害になることもありません。 経済と社会、そしてお金を増やす投資の理論を全部手っ取り早く学べる方法があります。それはお店体験をやる体験です。 お店をやる体験の手順は以下です。 1、メニューを決める。 2、材料を書き出す。 3、材料を買うための金額
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その9

    2020-12-31 13:04  
    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/1月号連載記事■その9 人間は金で動くのか?自由・市場・知識●あなたは金で動く人間か? 「あなたは金で動く人間か?」と問われて「はい、そうです。お金さえもらえれば何でもやりますよ!」と答える読者は多くないだろう。一方、私も含めて「お金を嫌いな人間はめったにいない」のも事実である。 シンプルに言えば「お金は好きだが、お金の奴隷にはなりたくない」というのが、ごく普通の人間の感情では無いだろうか? だから、「より金銭的に得をすることだけを考える人間=お金の奴隷」=「合理的経済人」なるものを標準モデルとする近代経済学がまったく役に立たないのも当然かもしれない。 行動経済学の実験などからも、人間の経済行動は、単なる金銭的損得だけでは無く、社会的規範や倫理基準に大きく左右されることが分かってきている。 例えば、行動経済学
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その7

    2020-11-12 22:10  
    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/11月号連載記事■その7 人間の本質を解き明かした老子と孫子●老子と孫子の人間観 古今東西、人間性の本質を鋭く指摘した賢人たちは多数いる。 例えば私の好きなカエサル(シーザー)の言葉に、「私は他人に意見されて自分の考えをたやすく変える人間ではない。だから、他人も私と同じだと思う」がある。またデカルトの「我思う故に我あり」はあまりにも有名な言葉だ。 しかし、あまたある古今東西の名言・哲学・思想の中でも、私が極めて大事にしているのが「老子」と「孫子」である。どちらも人名と書名の両方に使われる。極めて短い文章の中に人間の本質を凝縮した傑作である。 「老子」は、個人としての人間の本質、「孫子」は人間性の中に含まれる「闘い」にスポットライトをあてている。 ちなみに、これらの賢人と並び称される「孔子」は、権力に服従するこ
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その5

    2020-08-08 01:47  
    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/8月号連載記事■その5 共感・同調が社会・経済の基本原理●「国富論」は「道徳感情論」の別冊であった アダム・スミスが1776年に著した「国富論」は、近現代における経済学の出発点とされるあまりにも有名な本であり、実際に読んだことがあるかどうかはともかく、その名を知らない読者はいないはずだ。 しかし、世の中に意外と伝わっていないことが二つある。 一つはアダム・スミスが道徳哲学の教授であったことだ。 グラスゴー大学卒業後、オックスフォード大学中退。1748年にエディンバラ大学で文学と法学の講義を始めた。そして、1751年にはグラスゴー大学の論理学教授に就任し、翌年道徳哲学教授に転任しているのである。 1750年には、「人間本性論」で有名なデビッド・ヒュームと出会うが、彼が死ぬまで生涯親しく交流し、強い影響を受けるこ
  • 感染者数拡大の中で

    2020-07-22 19:28  
     梅雨明けが間近だというのに世の中はコロナ感染の広がりでまたもや自粛ムード。全国では600名もの新たな感染者が見つかり、再び警戒する声が各方面で上がっている。 長期化するコロナ感染の広がりの中で日本の株式相場は過剰流動性相場が展開されつつ昨今ではありますが、この場合のポイントは流動性とコロナ禍をはねのけるビジネスモデルと時流性、材料性だろうと思われます。 前回の感染拡大時のコロナの恐怖感は有名人の死によってもたらされましたが、今回の感染者数拡大は確かに懸念はあっても感染者が20歳代、30歳代の若年層が中心で症状のない感染者が多くを占め、集中治療室や呼吸器の必要な感染者、患者は限られており重症者がほとんど増えておらず、死亡者もゼロの状態が見られ過剰な心配をすべきではないとの意見も出ているようです。 それでも将来の重症者が増える可能性や死亡率の高い高齢者への感染拡大が仮に起きればおそらく一気に
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その4

    2020-07-03 14:30  
    産業新潮http://sangyoshincho.world.coocan.jp/7月号連載記事■その4 世界は「べき乗」の法則で動いている●べき乗とは何か べき乗という言葉になじみが無くても、累乗という言葉は記憶の片隅にある方が多いかもしれない。どちらも似たようなものなのだが、微妙な違いがある。 どちらも「aのn乗」という形で表現されるが、累乗の場合はnの値が日常使われる「1、2、3、4・・・・」などの自然数(正の整数)に限定されている。それに対してべき乗はnの値が実数全体(さらには複素数全体)にまで及ぶのだ。 ちょっと頭の痛くなる話だが、この違いはこれからの話にさほど重要では無い。要するに、べき乗の方がより多くの範囲の現象を表現できるものだということを理解していれば問題ない。●世の中の多くの出来事は二次曲線で表現される 二次曲線も厳密に語れば色々なことがあるのだが、ホースで水を撒くとき
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その3

    2020-06-06 16:36  
    産業新潮 http://sangyoshincho.world.coocan.jp/6月号連載記事■その3 産業革命によって「人間」が誕生した●産業革命が初めて「人間」を誕生させた もちろん、人類(女系)の直接の祖先が、10万年前から20年前にアフリカに住んでいた「ミトコンドリア・イブ」と呼ばれる「女性」であることは遺伝学的にほぼ間違いない。人類の歴史は少なくとも10万年以上はあるというわけだ。また、古代エジプト以前に存在した古代文明は1万年以上遡るのではないかということが、発掘された遺跡の年代測定などから主張されている。 しかしながら、ここでは「人類」と「人間」とを分けて考えたいと思う。 我々が「人間」と呼ぶ時には、生物学的に分類された人類という以外に、他の動物には存在しないと考えられる、自らの明確な意志で考え行動するという「人間性」という意味合いが多少なりとも含まれる。 確かに古代ギリ
  • 人間経済科学と賢人たちの教え その2

    2020-05-01 01:05  
    産業新潮 http://sangyoshincho.world.coocan.jp/4月号連載記事■その2 人間の意志と心と経済・社会●「道徳感情論」と「国富論」 1776年に出版されたアダム・スミスの国富論は、実際に読んだ人は少なくても、その名前は世界中に知れ渡り、現代の経済学における「聖典」とも言える。ところが、この本が、1759年に発刊された「道徳感情論」で論じた内容のうち「人間の経済の営み」に関する部分に特化したいわゆる「別冊」として出版されたことは意外に知られていない。 そもそもスミスはグラスゴー大学(映画ハリー・ポッターの魔法学校のモデルともいわれる名門)の道徳哲学の教授であり、「人間」に関する考察がその専門であった。したがって彼が生きた時代には、「道徳感情論」の方がはるかに世に知られた書物であったのだ。 人間経済科学が「人間中心」の思考を行う理由も、このアダム・スミスの手法に